全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第331話「薫と飛鳥、たまに千聖」

 

 

 それはある日の事。飛鳥がカフェテリアで食事をとっているときの事だった。

 

「おや、一丈字くんじゃないか」

飛鳥「あなたは…」

 

 ハロー、ハッピーワールドの瀬田薫がやってきた。

 

飛鳥「瀬田先輩。こんにちは」

薫「こんにちは。今からお昼かな?」

飛鳥「ええ。瀬田先輩もですか?」

薫「ああ。ご一緒してもいいかな」

飛鳥「それは構いませんが…」

 

 飛鳥がそう言い放ったその時だった。

 

「一丈字ィイイイイイイイイイイイイイイ!!」

 

 例のごとく男子生徒たちがやってきて、飛鳥は困った顔をした。

 

「瀬田先輩と食事なんて何を考えてるんだ!!」

「お前命いらんのかァ!?」

「とてつもなく儚くない事しやがって!!」

 

 そう言っていつものように男子生徒たちが騒ぎ立てていたが、すぐさま女子たちがやってきて、男子生徒たちを取り押さえた。

 

「アンタ達こそ薫先輩の食事の邪魔してんじゃないわよ!!」

「そういう女々しいところが気に入らないのよ!!」

「薫様に喧嘩売ろうなんて、あんた達こそ命がいらないようね!!」

「××××引きちぎってやろうかァー!!!?」

 

 そう言って男子生徒たちは取り押さえられていき、飛鳥は呆然としていた。

 

飛鳥「…あの、瀬田先輩」

薫「何だい?」

飛鳥「瀬田先輩のファンって…いつもあんな感じなんですか?」

薫「そうだね。とても元気な子犬くんと子猫ちゃん達がじゃれあっているよ…」

飛鳥(いや、ガチの喧嘩だよねアレ)

 

 今まで女子が男子と自分の間に挟まれることがなかったので、困惑する飛鳥だった。

 

 そしてともに食事をする飛鳥と薫だった。

 

薫「そういえば君に対しては、気になっていたことがあるんだ」

飛鳥「何でしょう」

薫「千聖と…随分仲が良いようだね。こころとも」

飛鳥「そうですね」

 

 薫が自分の正体に気づきかけている事を想定し、飛鳥は警戒したが純粋に聞いただけのようだった。

 

飛鳥「以前にもお話したかは分かりませんが、弦巻さんは共通の友人がいたからというのもありますね」

薫「そうか…。なら、千聖とはどうやって仲良くなったんだい?」

飛鳥「そうですね…。Pastel*Palettesは日菜先輩を中心によくして頂いたのですが、白鷺先輩が興味を持ってくださって…そのままという感じですかね」

薫「儚い…」

 

 薫の儚いという言葉に飛鳥は首を傾げた。

 

飛鳥「儚い…?」

薫「まあ、私としては素晴らしいという意味だね」

飛鳥「そ、そうですか…」

 

 薫の宝塚キャラは一目見て作っているものだと感づいた飛鳥は、彼女にも何か事情があるのだろうと思い、突っ込まないことにした。

 

薫「千聖は私の幼馴染なんだ」

飛鳥「あ、そうだったんですか?」

 

 幼馴染だったという事は知らなかったので、飛鳥は驚いた。

 

薫「だが最近はシャイになったのか、中々つれなくてね…」

飛鳥「そうなんですか…」

薫「君の事は日菜から度々聞いていたんだが、まさか千聖も君に興味を持つとはね…」

飛鳥「……」

 

 その時飛鳥は陰で千聖、りみ、ひまりが聞いているのを感知した。

 

飛鳥「あ、そ、そうなんですか…」

 

 これ以上は何も聞くまいと飛鳥は相槌だけで済まそうとした。

 

薫「千聖も昔は…」

飛鳥(ああああああああああああああああああ)

 

 薫が千聖の昔話をし始めたので、飛鳥は絶望して超能力を使い、千聖たちに感づかれないようにした。

 

************************

 

 その夜

 

飛鳥「超能力が使えてよかった」

 

 飛鳥は自宅で安心しきっていたが、スマートフォンが鳴った。千聖からである。

 

飛鳥「……」

 

 飛鳥は超能力でどんな理由で電話をかけてこようとしているか探ってみたが、案の定薫との会話の事だった。どうやらほかに聞いていた人が喋ってしまったらしい。

 

 かといって電話に出ないとメールで何言われるか分かったものではないので、電話に出ることにした。

 

飛鳥「もしもし一丈字です」

『お疲れ様飛鳥くん』

 

 千聖から電話がかかってきた。

 

千聖『さて、なんの件で電話をかけてきてるかは…分かってるわね?』

飛鳥「瀬田先輩の件ですよね。はい、もう色々お話をされていたので超能力で消させていただきました」

千聖『それはもういいわ』

飛鳥「え?」

千聖『私もちょーっと薫の事で話したい事があってね…』

飛鳥「……」

 

 飛鳥は薫に心の底から同情した。まあ、薫の話を聞く限りだと、距離を置かれても仕方がないのかもしれないとも感じた。

 

********************

 

 翌日、飛鳥は薫に出会わないことを祈りながら、廊下を歩いていたが…。

 

「やあ、一丈字くん」

 

 出会ってしまった。そりゃあ出会った方が展開的には面白いからである。飛鳥は振り向くと、やっぱり薫がいた。

 

飛鳥「おはようございます」

薫「おはよう。いい朝だね…」

飛鳥「え、ええ…そうですね…」

 

 飛鳥は視線をそらすと、薫が飛鳥の異変に気付いた。

 

薫「おや、どうしたんだい? 私の顔に何かついているのかな?」

飛鳥「あ、違うんです」

薫「じゃあなんだい? もしかして私が儚すぎるから直視が出来ないのかな?」

飛鳥(別の意味で直視できません)

 

 薫の言葉に飛鳥が心の中でツッコミを入れた。

 

薫「まあ、理解できるよ。何しろ私だからね! 君も虜になってしまうのは仕方のない事だ!」

飛鳥「瀬田先輩の虜になったっていうより…」

 

 次の瞬間、飛鳥はこんな事を言った。

 

飛鳥「かおちゃんが可愛いなって」

 

 飛鳥の言葉に薫が石化すると、飛鳥は超能力を使って存在感を消して逃亡した。

 

*******************

 

 そしてどうなったかというと…。

 

薫「一丈字くんはいるかな?」

「…またいなくなりました」

 

 薫が休憩時間になるたびに1年3組の教室に来るようになったし、その夜千聖は薫に滅茶苦茶怒られた。

 

千聖「あなたが悪いのよ? うふふふふ…」

薫「もーっ!!//////」

 

 

おしまい

 

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