全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第31話「漫画の中のテストは死亡フラグ」

 

 

 ある日のバンドリ学園。来週から定期テストが行われる事になった。

 

飛鳥(まあ、心配ないと思うけど…ちゃんとやっとくか)

 

 飛鳥の中学時代の成績は中の中だが、本当は学年トップだった。何故本気出してないかというと、トラブルが絶えなかったからである。

 

飛鳥(出る杭は打たれるって奴ですね。本当に迷惑な話ですよ)

 

 そしてどうなったかというと…。

 

「飛鳥く~ん」

飛鳥「?」

 

 廊下を歩いていると、後ろからモカが話しかけてきた。蘭、巴、ひまり、つぐみもいた。

 

飛鳥「青葉さん」

モカ「来週のテストに向けて皆で勉強しようと思ってるんだけど~。飛鳥くんも来て~」

飛鳥「あ、来ないじゃなくてですか?」

 飛鳥が困惑していた。

 

飛鳥「え、宜しいんですか?」

モカ「いいよー。飛鳥くんならー」

 と、モカが飛鳥を連れていった。特に予定もないし別にいっかと思ったが、男子生徒達の嫉妬が凄かった。

 

飛鳥(相変わらず睨まれてるなぁ…)

モカ「相変わらず人気者だねぇ~」

飛鳥「…悪い意味でですけどね」

 

 モカの冷やかしに飛鳥は困惑するしかなかった。

 

「あ、Afterglowが男子生徒を連れてるぞ…」

「ていうかまたあいつかよ!!」

「そんなに仲良いんだ…」

「ファンやめようかな…」

 

飛鳥「何かファンやめるとか言われてますよ」

モカ「大丈夫だよ~。音楽で勝負するから~」

飛鳥「ですよね」

 

 モカの堂々とした発言に、飛鳥が苦笑いした。

 

モカ「飛鳥くんもそうするでしょ~?」

飛鳥「そうですね」

ひまり「な、何か二人とも男らしい…」

モカ「モカちゃんは女の子~」

 

 そんなこんなで翌日、羽沢珈琲店でテスト勉強をする事になった。

 

ひまり「う~ん。分かんないなぁ~」

飛鳥「どうされました?」

ひまり「あ、一丈字くん。ここ分かんないんだけど…」

飛鳥「ああ、この問題ですか。これは…」

 と、飛鳥は淡々と解説をした。そんな飛鳥を蘭・モカ・巴・つぐみの4人が驚いたように見つめていたが、飛鳥は気づかないふりをしていた。

 

飛鳥「…という訳です」

ひまり「分かった!! ありがとう一丈字くん!」

飛鳥「いえいえ。試しに数問程解いてみるのがいいかもしれませんね」

ひまり「うん!」

 と、ひまりは再び問題集に目を通した。

 

蘭「一丈字…」

飛鳥「何ですか?」

 飛鳥が蘭を見た。

 

蘭「え、もしかして勉強得意なの?」

飛鳥「自分じゃ分かりません」

モカ「じゃあこの問題分かる~?」

飛鳥「これですか?」

 飛鳥がモカから見せられた問題を解いた。

 

飛鳥「どうですか?」

モカ「蘭。飛鳥くんめっちゃ得意だよ。さっきから見てたけど、数学とか完璧だもん」

飛鳥「まあ、数学ってパズルみたいなもんですからね」

 飛鳥が苦笑いすると、モカ以外の4人が驚いていた。

 

飛鳥「…どうされました?」

モカ「それ、完全に頭がいい人の発言だよ」

飛鳥「えっ」

 

ひまり「苦手科目とかないの?」

飛鳥「古文ですね」

モカ「ひーちゃん。飛鳥くんの言葉を真に受けたらだめだよ。全部出来るけど、一番苦手意識あるのが古文って話だから」

飛鳥「買いかぶり過ぎじゃないですか?」

蘭「じゃあ、これ解いてみてよ」

飛鳥「……」

 

 飛鳥が蘭の問題を解いた。

 

巴「…1問だけ間違ってるけど、後は全部正解だ」

飛鳥「ありゃ」

モカ「だからひーちゃん、頑張りなさい」

ひまり「うぅ~!!!」

 

 ひまりが頭を抱えた。

 

蘭「…けど、そんなに頭良いのに前のテスト、トップじゃなかったじゃん」

飛鳥「上には上がいるんですよ」

 トップに立つと、超能力者だとバレる可能性が高い為、ある程度セーブしていたのだ。

 

 そんなこんなでAfterglowとの勉強会が終わったが、事件が起こった。

 

「はぁ!!?」

 

 今度のテストの1位は好きなバンドガールズとデートできる権利が与えられた。

 

飛鳥「えー…」

モカ「まあ、これくらいやんなきゃ皆やる気出さないよね~」

ひまり「ちょっと待ってよ! 女子何のメリットもないじゃん!!」

飛鳥「女子もあるみたいですよ」

 

 女子が1位の場合:食堂のお食事券10000円分。

 

蘭「何か割に合わない…」

巴「何か安さを感じる…」

飛鳥「しかもこれ学年ごとですよね」

モカ「2年生は日菜先輩がいるから心配ないけど、1年生は…」

 モカ達が飛鳥を見た。

 

飛鳥「え?」

モカ「フラグ、立ったね」

蘭「頼むぞ」

巴「私達も出来るだけ頑張るから」

ひまり「お、お願いっ!!」

つぐみ「え、えっと…一丈字くんなら出来るよっ!!」

 と、モカ達が肩を抱いた。

 

飛鳥(まあいいや。やったろ)

モカ(飛鳥くんのそういう所、本当に尊敬するな~)

飛鳥(心を読まないで)

 

 仕方がないので、飛鳥はテスト勉強に励み、そのまま本番に励んでいた。テストは3日行われて、無事に終わった。

 

 そして飛鳥は1位だった。

 

飛鳥「……」

 しかし、完全に疲れ切った表情だった。

 

モカ「お疲れ様~」

蘭「ありがと。これで防止されたね」

飛鳥「あ、はい…」

 

 しかし、話はこれで終わらず…。

 

「こうなったらヤケだ! 一丈字! 誰とデートしたいか選べ!!」

「ゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 と、飛鳥は選ぶことになった。

 

飛鳥「えーと、それじゃハロハピの弦巻さん」

 飛鳥はあっさり答えると、皆が驚いた。

 

「弦巻さん!!?」

「嘘!!?」

 皆が驚いていたが、こころは特に驚く様子もなかった。

 

蘭「あたし達じゃないんだ…」

モカ「しょうがないよ~。5人もいるし、こころちゃんと仲良いみたいだし~」

巴「そ、そうなのか…」

 

飛鳥「じゃあこの話は終わりで」

 と、飛鳥は去っていった。

 

 そしてどうなったかというと…。

 

巴「まあ、私達も無理させたから労わせてくれ」

 と、飛鳥はAfterglowとラーメン屋で食事をしていた。

 

モカ「で、本当にデートするの?」

飛鳥「まあ、デートっていうよりかは、ただのお出かけになりますけどね。黒服さんがどうしても心配だっていう者ですから…」

モカ「だろうねー」

 モカが笑った。

 

モカ「あ、そうだ飛鳥くんー」

飛鳥「何です?」

モカ「もしこの5人だったら誰とデートしたい~?」

飛鳥「あなたです」

 飛鳥が真顔で言い放つと、モカがちょっと照れてしまった。

 

蘭「…意外と、はっきりしてるんだな」

飛鳥「選ばなかった方は申し訳ございません」

ひまり「あ、うん。それは別にいいんだけど…」

モカ「……」

 モカは飛鳥を睨んだ。

 

飛鳥(ああ。こころを選んどいてそれはないだろって事か。分かるよ)

 飛鳥は覚悟した。

 

モカ「飛鳥くん…」

飛鳥「何ですか?」

モカ「もうそういう所だよ~//」

飛鳥「…え?」

 飛鳥の言葉に他の4人が苦笑いした。

 

モカ「モカちゃんだけ恥ずかしい目に逢ってるじゃん~。ずるいよ~」

飛鳥「そんなに照れないでくださいよ。こっちも恥ずかしいじゃないですか」

モカ「も~!! そういう事言わないの~!!!」

 モカが憤慨した。

 

蘭「モカ。顔赤いよ?」

ひまり「うんうん。真っ赤~」

モカ「分かった~。このお店の隣にお化け屋敷あるから、終わったらそこ行こう~」

蘭・ひまり「ごめんなさい」

巴「ていうかいつから出来たんだよ!!」

モカ「ふっふっふ~。次回はお化け屋敷で蘭たちが大活躍…」

蘭「やめてぇ!!!」

ひまり「すいません!! 本当にすいません!!」

巴「やめてください!!!」

 

 と、モカに平謝りする蘭・ひまり・巴を見て飛鳥とつぐみは苦笑いするしかなかった。

 

 

おしまい

 


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