全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第332話「どうあがいても鬼娘」

 

 

 もうすぐ節分の日である。

 

「あぁ…節分といえばラムちゃんの格好!」

「鬼娘の格好…」

「ぜひ着てもらいたいものだ…」

「そうだな。ぜひ着てもらいたいものだ…」

 

 そう言って男子生徒たちは期待の目をバンドガールズに向けるが、当然着るはずもない。

 

「特に千聖ちゃんは着なきゃ!」

千聖「どうしてそうなるのよ!!!」

 

 中の人が関係している。とだけ言っておこう…。

 

************************

 

 そんな中、この男はというと美少女たちとは全く無関係の生活を送ろうとしていた。

 

飛鳥「いや、無関係も何もトラブルがないときはノータッチですよ。向こうも忙しいですもん」

 

 トラブルが起きない分には飛鳥も対処のしようがなかったので、これからどうするか考えていたが…。

 

***********************

 

千聖「その日は丁度仕事がないのよ。私の護衛について頂戴」

飛鳥「……」

 

 何という事だろう。鬼娘コスをどうしても避けたい千聖から、護衛依頼が来ていた。しかもその日も平日で登校日なのだ。

 

飛鳥「他の皆さんも仕事あるんですか?」

千聖「それがどういう訳か全員ないのよ。全くあのスタッフときたら…」

飛鳥「…オフがあるのはいい事だと思うんですけどねぇ」

千聖「2月3日じゃなかったら良かったのよ…」

 

 今までの事を考えたら男子生徒軍団は一体何をしでかすか分からない為、飛鳥は一応承諾した。

 

*******************

 

 そして迎えた節分の日。

 

「今回はもうアレだ…」

 

 男子生徒たちが何やら作戦を考えていた。

 

「一丈字は完全に妨害するとして、完全に着てくれそうな子に声をかけよう!」

「ああ…!」

「正直友希那ちゃん達にも来てほしいが…確率は極めて低い!」

 

 そんなこんなで作戦が始まった。

 

『花音』

 

「花音ちゃん! この鬼娘コス着てぇ!!」

花音「ふぇえええええええ!!?」

 

 一人目は松原花音。男子生徒が複数現れて襲い掛かったが、千聖から依頼を受けた飛鳥が邪魔をして、千聖が黒い笑みを浮かべた。

 

千聖「本当にあなたたちも懲りない人ね…?」

「おお、来たぞ! 千聖ちゃんの黒い笑みが!!」

「やっぱり鬼に似合う!!」

「それで電撃も流して、『浮気はダメだっちゃ』って言ってくれぇ~!!!!」

 

 男子生徒たちはドMが多くて、千聖の威圧は逆効果だった。そして言動を見て千聖たちはドン引きしていた。

 

花音「ふ、ふぇえ…」

飛鳥「…松原先輩、こちらです」

 

 飛鳥がこっそり現れて、花音の手を引っ張った。

 

『薫』

 

「薫先輩! これ着てください!」

薫「ファンの期待にこたえなくては…」

 

 薫がいつものように宝塚風で華麗に答えようとしたが、鬼娘コスが思った以上にきわどくて、薫が思わず固まった。

 

薫「えっ…」

 

 すると薫のファンたちが現れた。

 

「ちょっとあんたたち!」

「薫様に何するのよー!!!」

「お前達も見たくないか!? 薫様の鬼娘コス!」

 

 女子生徒たちが割って入るのを想定していた男子生徒たちがそう言うが…。

 

「あ、女子だけ楽しみますので」

「男子に見せる肌は一つもねぇ~んだよぉ!!」

「うわー。女の嫌な部分出まくってるわー」

「これ見てる女性読者はこんな人間になっちゃだめだよ? ろくな死に方しないから」

「お前らにだけは言われたくねーんだよ!!」

「男子もこんなんなったら人生詰むからな!!?」

 

 とまあ、男子と女子が喧嘩を始めていた。

 

薫「やめたまえ君たち!!」

 

 飛鳥が陰から超能力で生徒たちを操って、薫のメンツをつぶさないようにした。

 

千聖「…そこまでしなくても大丈夫よ?」

 

*************************

 

『こころ』

 

「やっぱりここは大本命!!」

「こころちゃ~ん!!」

 

 こころに頼もうとしたが、黒服(♂)たちに盛大に阻止された。

 

飛鳥「…こうなるって分からなかったのかな」

千聖「馬鹿に分かるわけないでしょ」

 

 飛鳥と千聖が陰から様子を見ていたが、すっかりあきれ果てていた。

 

 

***********************

 

 そんなこんなで放課後を迎えることになった。

 

飛鳥「やっと放課後ですね…」

千聖「そうね…」

 

 飛鳥と千聖はすっかり疲れ切っていた様子で、中庭のベンチに座り込んでいた。そこにはモカもいる。

 

モカ「いや~。お二人ともお疲れ様で~す」

飛鳥「…そういや2組はどうだった?」

モカ「も~。2組でもAfterglow5人でラムちゃんの格好をしてくれって大変だったよ~」

飛鳥「そ、そう…」

千聖「完全にそれ以外の女子に喧嘩売ってるわね…」

 

 モカの言葉を聞いて飛鳥と千聖は困惑した。

 

千聖「ちなみになんて言って断ったの?」

モカ「何回かしつこく頼んできて、『いい加減にしないと、飛鳥くんにだけ見せちゃうぞ~』って言ったら大人しくなりました~」

飛鳥「あー…。またなんか仕事が残ってそう…」

 

 モカの発言に飛鳥はなんとなく嫌な予感がし、男子生徒軍団がエンカウントした。

 

飛鳥「あー。本当の鬼は皆の心の中にいるんだなぁ」

モカ「名言~」

 

「一丈字てめぇええええええええええ!!!」

「やっぱり千聖ちゃんとモカちゃんにラムちゃんの格好をさせようとしてたんだなぁ!?」

飛鳥(電撃ぶつけれねぇかな~)

 

 飛鳥もちょっとイライラし始めた。

 

モカ「本当にやっちゃおっかな~」

千聖「モ、モカちゃん!?」

「うわぁああああああああああ!! やめろぉおおおおおおおお!!」

「え? オレ達も見せてくれるの? ありがとうございますぅ」

「やったぞお前ら! モカちゃんと千聖ちゃんがラムちゃんの格好をしてくれるそうだ!」

千聖「飛鳥くん」

飛鳥「はい」

 

 飛鳥が超能力を使って男子生徒たちの記憶を消して、退散させた。

 

飛鳥「最近こんなのばっかりだなぁ」

千聖「いいじゃない。それで女の子の貞操が守れるなら」

飛鳥「…それもそうですね」

 

 これで本当に一件落着になるかと思いきや…。

 

「千聖ちゃーん!!!」

 

 彩がやってきた。

 

千聖「彩ちゃん?」

飛鳥「丸山先輩」

 

 やってくるなり、彩がちょっと気まずそうにしていた。

 

彩「…あのね」

千聖「どうしたのよ」

彩「此間ぽしゃらせた企画あったじゃん。ラムちゃんの水着着る奴…」

千聖「ま、まさか…」

彩「やっぱりやるって…」

 

 空気が止まった。

 

**************************

 

 後日

 

「やっぱりパスパレがやってくれたぁああああああああ!!」

「オレ達だけ独占できなかったのは残念だが、マンモスうれピー!!」

「やっぱり5人の肢体…イイ…!!」

「これで全裸コラ作ろーっと」

 

 パスパレは見事に鬼娘コスをさせられたという…。

 

飛鳥「…やっぱりこうなるのね」

モカ「今、こち亀のオチのBGMが流れてるよ~」

 

 飛鳥とモカも雑誌を見ている男子生徒達の様子を見て困惑していると、千聖がやってきた。

 

飛鳥「あ、白鷺先ぱ…いっ!!」

 

 千聖は超不機嫌だった。多分雑誌に載ってる写真のほかにも色々きわどいポーズを撮らされたのだろうと思った。モカも流石に慌てていた。

 

千聖「モカちゃん?」

モカ「あ、はい…なんでしょう…」

 

 千聖が黒い笑みを浮かべた。

 

千聖「こうなったらあなたもやりましょ?」

モカ「飛鳥くん」

飛鳥「おっけ」

千聖「させないわよ!!」

 

 飛鳥が千聖の記憶を消そうとしたその時、千聖がものすごい勢いで飛鳥とモカを追いかけた。

 

千聖「待ちなさぁああああああああああああああああい!!!!」

モカ「ひぇええええええええええええええ~~~~~~~~!!!!!」

飛鳥(本当に鬼は皆の心の中にいるんだなぁ…)

 

 

おしまい

 

 

 

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