ある日の事だった。飛鳥は疲れ切った様子でゲームセンターに来ていた。
飛鳥「今日も疲れたなー。こういう時は気分転換に何かするか…」
そう言って飛鳥が目を付けたのは、太鼓をたたくゲームだった。
『太鼓の超人』
飛鳥「そういや久々に叩いてみるか」
そう言って飛鳥はかけていた伊達メガネを外し、髪型を変えて太鼓を打ち込んだ。
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後日
「おい、聞いたか…」
「昨日○○店で物凄い奴がいたってよ!」
「太鼓の超人で凄い連打してた奴!」
「スコアはまあ微妙だったけど…見てたプロが絶賛してたって話もあるぜ!」
バンドリ学園でとある話題がもちきりになっていた。そう、早い話飛鳥が太鼓の超人で凄いテクニックを繰り広げていた。
「うちの制服着てたって…」
飛鳥「……」
まあ、自分だとは思ってないし、自分だったとしても誰も信じないだろうとタカを括っていたが…。
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モカ「これ、飛鳥くんでしょ~」
案の定モカにバレ、彼女のスマホからタイッツーを見せて貰ったが、そこには太鼓を打ち込む飛鳥の後ろ姿があった。
飛鳥「良く分かったね」
モカ「そりゃあモカちゃんは天才だから~」
飛鳥「その天才ぶりをもっと学業の方に活かそうか」
モカ「ことわる~」
とまあ、こんな冗談を繰り広げつつも本題に入った。
モカ「トモちんやあこちんもこのゲームセンターにたまに来てるんだよ~?」
飛鳥「なんてこった」
モカ「で、これを見たトモちん達が、この子に会ってみたいって~」
飛鳥「会ったらどんな反応するんだろうね」
飛鳥は困惑すると、モカは飛鳥をじっと見た。
モカ「もう太鼓叩かないの?」
飛鳥「ほどほりが冷めたらね。それよりも気をつけなきゃならんのは…」
飛鳥はある事を考えた。
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放課後、例のゲームセンター
「おいへたくそ! いい加減代われよ!!」
「この『NESS』って奴よりもランクを上にして、巴ちゃんやあこちゃんとお近づきになるんだ!」
「順番守らない奴がお近づきになれる訳ないだろ!!」
「もしかしたら有咲ちゃんや麻弥ちゃんや花音ちゃんともお近づきに…ぐひひひひ…」
邪な考えを持っている男子生徒たちがゲームセンターを占領していた。長蛇の列ができており、人がたくさん来てお金を落としてくれるため、店としては有り難いのだが、一般客からしてみたら怖すぎる。
飛鳥「…ゲームセンターでトラブルが起きないかどうかだな」
モカ「うーん」
飛鳥とモカが隠れて様子を見ていた。その時だった。
「ゲームセンターがいっぱいだよ!」
「そうだなー…」
巴とあこがやってきたが、お気に入りのゲームが男子生徒たちに占領されていて、出来そうにないと感じて残念そうにしていた。
巴「ゲームセンターはこの辺じゃここ以外ないから、また今度にするか」
あこ「えー」
巴「仕方ないだろ。ずっと待ってたら店閉まっちゃうぞ?」
あこ「はーい…」
そう言って2人が店に去ろうとしたが、当然男子生徒たちが逃がすわけなく、逃げ道をふさいだ。
巴「な、なんだお前ら!!」
「ゲームやりたいんでしょ? 好きなだけやって?」
「うんうん」
「いざとなれば僕たちがお金払うから♥」
気持ち悪さ全開で、飛鳥とモカが完全にドン引きしていた。
「僕の股間についてるスティックで叩いてみませんか?」
モカ「キモ~い!!!!」
飛鳥「あいつらの頭に連撃ぶち込みたくなってきた…」
いつも飄々としているモカですら青ざめて気持ち悪がり、飛鳥は死にかけていた。
あこ「お、おねーちゃん…」
巴「い、妹にだけは手を出させんぞ!!」
「じゃあおねーちゃんだけ来てもらおうか…?」
あこ「そ、そんなのダメぇ!!」
モカ「飛鳥くん」
飛鳥「任せろ」
そう言って飛鳥は有無を言わさず、巴とあこを何とか逃がした。
飛鳥「超能力めっちゃ便利」
モカ「ホントそうだよねー」
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あこ「あれ? そういやあこ達ずっと囲まれてたような気が…」
巴「そうか?」
あこと巴の周りには誰もおらず、不思議そうにきょろきょろ周りを見渡していた。
モカ「おーい。トモちーん、あこちーん」
モカがやってきた。
巴「モカ!」
あこ「モカちん!」
巴とあこもモカに気づいて反応した。
モカ「二人ともゲームセンターに来てたんだ~」
巴「そういうモカこそ」
モカ「いや~。なんか男子たちがゲームセンターにゾロゾロ来てたから、何事かなと思ってきてみたんだけどね~」
あこ「そ、そうなんだよ! あの人たちもハイスコア狙いに来たのかな?」
モカ「それもそうだし、トモちん達とお近づきになろうって考えてるんじゃないかな~?」
あこ「あー…なるほどね…」
モカの言葉にあこは何となく察しがついた。
あこ「まやさん達も多分危ないんじゃないかな…」
巴「危ない…?」
巴がやっとあことモカの言っていることに気づいた。
モカ「とにかく今日は諦めた方がいいし、ここを出よう。絡まれたらめんどくさいし~」
巴「そ、そうだな…」
あこ「仕方ない…」
こうしてモカが宇田川姉妹を外に連れ出して、外で飛鳥と合流した。ちなみに飛鳥はいつの間にかスタンバイさせていたであろう弦巻家の黒服たちに、モカたちの護衛を依頼してその場を後にした。
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その夜、飛鳥とモカが家で電話していた。
モカ「いやー。なんか今日は飛鳥くんの素の姿を垣間見えたよー」
飛鳥「素の姿って…」
モカの言葉に飛鳥が困惑した。
モカ「そういえばあのタイッツーで、イケメンなんて言われてたねー」
飛鳥「そうなんだ。確認してないな…」
モカ「自覚ある?」
飛鳥「ないね。どんどん女っぽくなってるって言われるくらいだよ」
モカ「なんか薫さんっぽいよねー」
飛鳥「上原さんに怒られるよ。そんな事ないって」
飛鳥が困惑した。
モカ「でもまあ」
飛鳥「?」
モカ「またなんかあったら呼んでね~。あれくらいだったらモカちゃんでも出来るから~」
飛鳥「ありがとう。けど、あまりオレに関わらないでいつも通りにしてくれた方が動きやすいから、最後の手段ね」
モカ「りょーかーい」
そう言って飛鳥は電話を切って、明日を迎えることにした。
それからどうなったかというと、男子生徒たちはあくる日もあくる日もゲームセンターに入り浸り、飛鳥のスコアを破ろうとして、遂に記録が破られたが…。
記録を破ったのはプロドラマーの女性で、男子生徒たちは涙目で放心していた。
飛鳥「チャンチャン♪」
おしまい