ある日の事だった。
「今日も練習に付き合ってくれてありがとー!!」
飛鳥はRoseliaと合同練習を行っていた。飛鳥もそれなりに楽器が出来る為、あこから練習に付き合ってもらうように依頼されていたのだ。だが、その中で燐子だけがいなかった。
リサ「燐子遅いねー」
紗夜「そろそろ来ても良いころなのだけど…」
リサと紗夜がそう会話をしていたその時。
「お、お待たせしてすみません…」
「!」
燐子がやってきたが、びしょ濡れだった。すると飛鳥がすっと後ろを向いた。
あこ「ど、どうしたのりんりん! びしょ濡れだよ!」
燐子「途中で雨を降られて…」
リサ「天気予報は曇りだって言ってたけどねー」
すると紗夜が燐子の下着が透けて見えていることに気づいた。
紗夜「い、一丈字さん! 後ろを…」
飛鳥「もう向いてますよ」
紗夜「そ、そうですか…」
思ったほか準備が良くて皆が困惑した。
飛鳥「さて、私はここでお暇しましょうかね」
燐子「あ、あの…。私も一丈字くんの演奏見たいので…」
飛鳥「そうですか?」
友希那「それはそうとあなた、体操服持ってたって言ってなかった? それも使ってない」
飛鳥「ええ。ですが私ので宜しいでしょうか」
燐子「……」
飛鳥の言葉に燐子が困惑した。
飛鳥「嫌ですよね」
燐子「い、嫌じゃないです! い、一丈字くんこそ私なんかが着て…」
飛鳥「白金先輩。沢山のファンがいるのにそんな事言ったらあきませんよ」
申し訳なさそうにする燐子に飛鳥は苦笑いした。
友希那「そうよ。もし文句を言うようならぶっ飛ばしてるわ」
飛鳥「お気になさらず」
燐子「……」
そんなこんなで燐子は飛鳥のジャージに着替えて、姿を現した。
燐子「お待たせしました…」
「おおーっ!!」
サイズは若干ぶかぶかだが、何とかきれていた。
あこ「りんりん何か可愛い!」
燐子(これが…男子の体操服…)
飛鳥「どうですか? 若干サイズが大きめだと思いますが…」
燐子「い、いえ。ありがとうございます」
友希那「それじゃ練習始めるわよ」
そんなこんなでRoseliaは練習を行った。体操服ではあるものの、演奏の質に全く問題はなかった。飛鳥はそんなRoseliaの演奏を満足そうに見つめていた。
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暫くして休憩時間に入った。
あこ「ねえりんりん! あこの服着てみてよ!」
と、あこが急にそう言いだすと皆が驚いた。
燐子「え…。あ、あこちゃんの服…?////」
燐子は少し恥ずかしがった。
リサ「でもあこの服って結構露出度高めだし、燐子のイメージとは違って…面白そう」
紗夜「面白そうなんですか!?」
友希那「良く分からないけど燐子、着て頂戴」
紗夜「良く分からないのに着させてどうするんですか!」
燐子「そ、その前にあこちゃんの服は…」
あこ「あこがそれ着るから大丈夫だよ! ね?」
飛鳥「あ、私は大丈夫ですけど…」
飛鳥はこの後起こりそうなことを考えて、嫌な予感した。
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燐子「お、お待たせしました…////」
燐子があこの服を着てみたが、紗夜とリサの目が点になった。
リサ「け、結構派手…////」
紗夜「そ、そうですね…」
そう言うが、リサと紗夜は燐子の胸元を見ていた。
燐子「あ、あの! どこ見てるんですか!?////」
燐子がそう言うと、友希那とあこが飛鳥の方を見たが、飛鳥は既に友希那とあこの方を見ていた。
飛鳥「え、何ですか」
リサ「ごめん。アタシと紗夜…」
紗夜「し、白金さんのスタイルが良いと思っただけですっ!/////」
燐子「そ、それなら良いんですけど…。なんかここに来る途中で会った人たちと同じ目つきだったから…」
燐子の発言に飛鳥はなんとなく察した。襲われなかっただけ幸運だったろうと。
友希那「どんな目つきだったの?」
燐子「その…」
友希那の言葉に燐子は視線をそらして涙目になった。
燐子「…なんか、いやらしい目つきで」
燐子の言葉に飛鳥は静かに目を閉じた。
紗夜「い、いやらしくないです!!」
リサ「紗夜。気持ちはわかるけど…うん、一旦落ち着こう? 燐子もホントゴメンって」
燐子の言葉を聞いた友希那はなんとなく察した。
友希那「全く男ってのは…」
燐子「…女性の方にも見られました」
友希那は犯人は男だと思っていたが、燐子の発言を聞いて唖然とした。
あこ「そ、それだけりんりんはスタイルが良くて美人さんだって事だよ!」
燐子「でも、恥ずかしい…/////」
あこの言葉に燐子は背を向けてどんよりした。
友希那「それはそうと、あの男子たちのセクハラどうにかならないかしら…」
紗夜「全くです」
友希那と紗夜が憤慨すると、飛鳥は男子生徒達からの暴言を思い出した。
飛鳥(オレもモラハラされてるなぁ…。よく考えたら)
飛鳥がそうやって落ち込んでいると、
リサ「あ、そういう意味では飛鳥くん。いつもごめんね」
飛鳥「え?」
飛鳥がリサの方を見た。
リサ「その…うちのクラスの男子とか飛鳥くんに喧嘩売ったりしてるから。やめろって言ってるんだけど」
飛鳥「今井先輩のクラスだけではないので…」
友希那「他には?」
飛鳥「うちのクラス以外全部ですね…」
飛鳥の言葉に燐子とあこも心配していた。
あこ「そういや中等部でも、飛鳥くんの悪口言う人いるよ…」
飛鳥「そりゃそうでしょう」
友希那「そりゃそうでしょうなんて事はないでしょう」
飛鳥「こんな別嬪さん達と仲良さそうに話してたら、そりゃあ悪口も言いたくなりますよ」
飛鳥がさらっと別嬪さんと褒めると、5人は気恥ずかしくなった。
紗夜「そ、そういう恥ずかしい事をさらっと言わないで頂戴!////」
飛鳥「え?」
あこ「あこ、漫画でこういうの見たことあるよ…。確か、たらしって言うんだよね?」
飛鳥「ご冗談を。私はそんな事が出来るほど男前ではございませんよ」
友希那「別嬪さん…」
そんなこんなで練習が終わりの時間を迎えた。
あこ「もうそろそろ制服が乾いたころじゃないかな!」
燐子「う、うん…」
燐子がスタジオに飾っていた制服が元に戻っていることを確認すると、そのまま着替えた。
燐子「一丈字さん。今日は本当にありがとうございました」
飛鳥「いえいえ」
こうして燐子の一連の騒動が収まった。…かに見えたが、
燐子「その、体操服は洗ってお返しします…」
飛鳥「分かりました」
あこ「そういえばもう本当に何とかしたほうがいいよね」
飛鳥「そうですね…」
すると飛鳥はあこの事に関して男子生徒たちが聞いてきた時の事を思い出したが、あの時はあこの姉である巴がどこからか現れて大変なことになったのを思い出した。
飛鳥「本当に何とかしたほうがいいかも…」
燐子「……」
そして外に出ると男子生徒たちが待ち伏せしていた。
「燐子ちゃん! 君が持ってるそのジャージを寄越せェ!!」
飛鳥「これは今すぐ何とかしなきゃ!!」
おしまい