全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第40話「どうしてもお礼がしたいAfterglow」

 

 

 仕事で幾度もAfterglowを救出した飛鳥。だが、彼は礼を受け取る事は一切なかった。

 

飛鳥「今だから言うけど、正体バレやすくなるし、女の子に見返るのはあまり宜しくないからね…」

モカ「今となっては分かるよ~」

 

 今回はそんな一丈字飛鳥とAfterglowの攻防戦である。ちなみにモカは面白がっている。

 

飛鳥「日菜先輩といい、君といい、本当に度胸あるわ…」

モカ「君も大概だよ~」

飛鳥「そうだね…」

 

**********************

 

 ある日の事だった。チャラい男性バンドグループに絡まれていたAfterglowを救出した飛鳥。まあ、ライブやってる途中で「女がバンドをやるなんて生意気だ」といちゃもんをつけてきて、強姦しようとした為、飛鳥が超能力で退散させたのだ。まあ、超能力を使わなくても止められるのだが、飛鳥が強すぎる為警察沙汰不可避である為だった。

 

 飛鳥はいつも通りそのまま事を済ませる予定だったが…。

 

蘭「……」

飛鳥「……」

 

 後日、学校にくるや否や、飛鳥は蘭を筆頭にAfterglowに話しかけられた。

 

飛鳥「あ、美竹さん。おはようございます」

蘭「おはよう」

飛鳥「何か御用ですか?」

蘭「いや、その…」

モカ「色々助けられたから、やっぱりお礼させてくれって~」

 モカが蘭の後ろから話しかけると、飛鳥は困惑した。

 

飛鳥「あ、それでしたら一つお願いしたい事が…」

巴「変な質問とかはなしだぞ」

飛鳥「ちょっと両替してくれませんか? 今1万円札しか持ってなくて…」

 空気が止まった。

 

モカ「…そう来たか」

蘭「食堂に両替機あるから。それ以外で」

飛鳥「じゃあ美竹さん」

蘭「な、なに…」

飛鳥「グリンピース食べてください」

蘭「…それ以外で」

 ちなみに蘭の嫌いな食べ物はグリンピースである。

モカ「それならしょうがないか~」

蘭「いや、モカァ!!!」

飛鳥「じゃ、それで宜しくお願いしま…」

蘭「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て」

 蘭が止めた。

 

巴「蘭。口調がおかしくなってるぞ」

蘭「ほっといて!」

 巴の言葉に思わずツッコミを入れた。

 

つぐみ「あの、5人でお礼をさせて?」

飛鳥「それが一番問題なんですよ」

つぐみ「え?」

蘭「何が不満なの?」

飛鳥「周りをご覧ください」

 と、周りを見渡すとファンと思わしき男子生徒達が衝撃を受けていた。

 

モカ「あー。多分5人でエッチなお礼をしようと思ってるね~」

蘭「な、何でそうなるの!?//////」

モカ「だってモカちゃん達幼馴染だし、何をやるにしても5人一緒だし~。それに男の子のお礼って言ったらやる事大体決まって来るよね~」

飛鳥「美竹さん」

蘭「な、なに?」

飛鳥「学園の平和のためにも、もう忘れてください」

「学園の平和!!?」

飛鳥「気にする事なんてありませんよ。私は至って当然の事をしたまでですから」

モカ「あそこで見捨てたら、評判も下がっちゃうしね~」

飛鳥「それも込みですね」

 モカが飛鳥の話に合わせようとするが、他の4人は不満そうにしていた。

 

飛鳥(めっちゃ不満そう)

 

巴「そういう訳にはいかない」

蘭「それであたし達が納得すると思ってんの?」

ひまり「いや、上から目線になっちゃダメでしょ! 気持ちは分かるけど…」

 

 巴と蘭が飛鳥ににらみを利かせると、ひまりが突っ込んだ。

 

モカ「じゃあ蘭と巴は飛鳥くんにチューしてあげたら?」

 空気が止まった。

蘭「出来るかっ!!//////」

巴「いや、流石にそれは…/////」

蘭「そ、それだったらモカは出来るの!?////」

モカ「出来るよ?」

 空気が止まった。

 

モカ「だって何回も助けて貰ってるし~。それくらいはいいかな~って」

飛鳥「本当に肝据わってますね…」

 モカのメンタルの強さに飛鳥が困惑した。

 

モカ「それに湊さんが先にやってたらどうするの~?」

蘭「……」

飛鳥「美竹さん。真剣に悩まないで」

 

 その時だった。

 

「ダメだぁー!!!!」

 

 と、お約束のごとくファン軍団が現れた。

 

モカ「やっぱり来ちゃった~」

飛鳥「当然の結果です」

 

「モ、モカちゃん!! キスなんて早まったらダメだ!!」

「そうだ!! こいつは至って当然の結果をしたまでだ!!」

モカ「でも貴方達が飛鳥くんの立場だったら、して貰うんでしょ?」

「そ、そんな事は…」

モカ「だって顔に書いてあるもん。キッパリ断らずに黙ってそういう流れに持ち込もうとしてるのが」

 空気が止まった。

 

モカ「それに、こーんな可愛い女の子からチューされたら、流石の飛鳥くんも顔真っ赤にするんじゃないかなーって」

飛鳥「……」

「おい、そいつさせようとしてるぞ!!」

「そうはいくか!!!」

飛鳥「青葉さん」

モカ「なーに?」

飛鳥「もうすぐチャイムが鳴りますよ」

「空気読めや!!!」

「お前、本当にそういう所だぞ!!」

飛鳥「いやあ、私としましては美竹さん達が無事ならそれでいいんですよ。冗談抜きで」

 飛鳥が腕を組んだ。

モカ「どうして?」

飛鳥「どうしてって…人助けに見返りを求めるものじゃないんですよ。それも異性に」

「!!」

飛鳥「お気持ちだけで十分ですし、美竹さん達程の方となったら影響力も大きいです。頂点を目指すんでしょう?」

モカ「それは勿論~」

飛鳥「それなら、こんな男に構ってる暇はございませんよ。前を向いて歩いて行かないと」

巴「恩をちゃんと果たさないのに、頂点なんて立てないよ」

「!!」

 巴が言い放った。

 

巴「あんただってそうだろう。一丈字」

飛鳥「……」

 飛鳥が目を閉じた。

 

モカ「じゃあトモちんは何するの?」

巴「そ、それは…」

蘭「いや、ここはあたし達らしく…」

 蘭がライブをしようと言いかけた次の瞬間だった。

 

「どうしたの?」

 

 と、あこ以外のRoseliaがやってきた。

 

飛鳥「湊先輩…」

蘭「……!」

リサ「ケンカ?」

モカ「違うんですよ~。かくかくしかじか~」

 

 モカが事情を説明した。

 

モカ「で、ライブをやろうと思ってるんですよ~」

リサ「Afterglowらしいわね」

 だが…。

友希那「普通ね」

 と、友希那が余計な事を言ってしまい、蘭が青筋を立てた。

蘭「ど、どういう意味ですかそれ…」

リサ「え、えっと…。友希那的には褒め言葉よ! バンドガールとしてバンドでお礼をするのは一般的な意味であって…」

 その時だった。

 

「あれー? 皆何してるのー?」

 と、日菜もやってきた。

 

紗夜「ひ、日菜!!」

燐子「!!」

 紗夜と燐子は青ざめた。こいつ絶対余計な事喋ると。

 

モカ「かくかくしかじか~」

日菜「ああ。そういやおねーちゃん達、此間飛鳥くんをご飯に連れていったよね!」

 空気が止まった。

 

燐子「」

紗夜「日菜ぁ!!! もうあんたって子はぁ!!!」

日菜「いたたたたたたたた!!! いたいいたい!! ごめんなさ~い!!!」

 

 すっかり口調がおかしくなった紗夜は日菜の両耳をつねった。

 

蘭「……」

 

 ここで蘭は友希那の「普通ね」という言葉の意味を理解した。

 

友希那(蘭の妄想)『普通ね。ライブ? やっぱりAfterglowはそういう事しか出来ないのかしら。私達はちゃんと食事をご馳走したのに、やっぱりその辺はまだまだね。でも気にする事ないわ。私達の方が年上だし、ま、これからちゃんと勉強するのね。オーッホッホッホッホッホwwwwwwwwwwwwwww』

 

 そう、友希那は見下していると思い込んだ。ちなみに食事に誘おうと言いだしたのはリサであるが、リサは紗夜、燐子と共に青ざめていた。ちなみに友希那の心情としてはどっちも正解である。

 

友希那(恩をバンドで返すところまでは良かったけど、食事まで行った私達の方が一枚上手だったようね)

リサ(友希那お願いだからこれ以上はやめて!!!)

 

 友希那が心の中でマウントを取っていると、リサが心の中でツッコミを入れた。

 

飛鳥「上原さん、宇田川さん、羽沢さん、青葉さん。今お礼が思いつきました」

巴「な、なんだ?」

ひまり「まさか…」

飛鳥「美竹さんを止めてくださ」

蘭「一丈字」

飛鳥「な、なんです?」

 飛鳥が蘭を見ると、蘭が頬を染めた。

 

蘭「そ、その…だ、誰もいない所で…いい…?/////」モジモジ

飛鳥「早く止めてください」

巴「わ、分かった!!」

ひまり「蘭! 落ち着いて!!」

モカ「全員でチューする?」

つぐみ「モ、モカちゃん!!!//////」

蘭「離して!! 離せー!!!!」

 

 と、蘭はモカ達に取り押さえられて去っていった。

 

飛鳥「…はぁ」

 蘭の負けず嫌いと、友希那の言葉足らずには困ったものだと飛鳥は思った。

 

 

おしまい

 

 

 

 

 


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