全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第385話「アココレ(後編)」

 飛鳥の反応に男子生徒たちも固まった。

 

飛鳥「ちなみですがあこさんと別れるまでは、ずっとRoseliaの方々と一緒にいたので、手を出してない事については湊先輩達が聞いてくれますし、そもそも…あこさんの件に関してもすでに手は打ってあるんですよ」

「!」

飛鳥「もう分かりますね? あなた方に勝ち目はございませんし、これで嘘が証明されましたね」

 

 飛鳥がそう言い切ると、男子生徒たちは何を言えば分からなくなっていた。

 

飛鳥「何も答えない。これがあなた方の対応ですか」

「!」

飛鳥「謝罪であれば見逃そうと思ったのですが…」

「す、すまない一丈字!!」

「オレ達が悪かっ…」

飛鳥「もう遅い」

「!」

 

 飛鳥の言葉にさらに凍り付いた。巴も流石に飛鳥の怖さに涙目になっていたし、ひまり、蘭、つぐみはもう何も言えなくなっていて、唯一正体を知っているモカは苦笑いしていた。

 

モカ(…いっつもこんな感じで仕事してたんだな~)

 

飛鳥「どう落とし前をつけて貰いましょうか…」

巴「い、一丈字!? アタシもう気にしてないから!! 本当に悪かったって!!」

飛鳥「巴さんは謝らなくても大丈夫ですよ。お姉さんとして心配ですよね。ですが彼らはあなたの妹さんを利用して私を陥れようとしてたんですよ?」

 

 飛鳥の発言に空気が止まった。

 

飛鳥「この様子だと…。私があこさんを傷物にしたと騒いで学園中に広めるつもりだったんでしょうね。そうなればあなたも激怒して私と衝突し、Afterglowも巻き込むつもりだったんでしょう。卑劣極まりない行為です」

巴「うんそうだな! でももうアタシは大丈夫だし、皆大丈夫だから! とにかく怒りを抑えてくれぇ!!」

 

 さっきから飛鳥が笑みを崩さずに物騒な発言ばかりする為、巴は必死に止めようとしていた。するとモカは男子生徒たちに向かった。

 

モカ「まあそういう訳だからさ、さっさとどっか行ってくれないかな」

「!」

モカ「飛鳥くんが本気で怒る前に」

 

 モカの発言に男子生徒たちは泣き叫びながらその場を退散していった。

 

飛鳥「……」

モカ「飛鳥くんもそこまで。蘭たちが完全に怖がってるから」

 

 モカの発言に飛鳥は俯いた。

 

飛鳥「…そうですね。申し訳ございません」

つぐみ「い、一丈字くん…」

 

 飛鳥の発言につぐみが困った顔をした。

 

飛鳥「宇田川さん」

巴「あ、ああ…。アタシはもう気にしてないから…。た、大変だったな」

飛鳥「いえ、先ほども言いましたが姉として心配ですよね」

 

 飛鳥が蘭たちの方を振り向いた。

 

飛鳥「美竹さん達も怖がらせてすみませんでした」

ひまり「あ、う、うん…」

蘭「ていうか完全に別人みたいだった…」

飛鳥「そうですね」

 

 蘭の言葉に飛鳥が苦笑いした。

 

飛鳥「結構いろんな人にも見られてますし…」

 

 飛鳥が周りを見渡すと、そこには何事かと見に来た生徒たちもいたが、皆飛鳥を恐れていた。

 

飛鳥「まあ、これで当分は彼らも大人しくするでしょう」

モカ「飛鳥くん…」

飛鳥「それでは失礼します」

 

 そう言って飛鳥はその場を後にしたが、Afterglowは飛鳥を心配した様子で見送っていたが、飛鳥は皆が見えなくなった後で指を鳴らし、皆の気持ちをやわらげた。

 

 自分自身に対する恐怖は消さずに…。

 

*************

 

 その夜

 

モカ「いやー…。何かもう鳥肌立ったよ」

飛鳥「素直に怖かったって言えばいいんだぜ」

 

 飛鳥はモカ、千聖と会話をしていた。

 

千聖「…私は後になって聞いたけど、あなた」

飛鳥「お騒がせして申し訳ございませんでした」

 

 千聖の言葉に飛鳥は頭を下げた。

 

千聖「いや、もう普段からあそこまでやられてるから、キレて当然だと思うのだけど…」

飛鳥「そういう訳にはいかないんですよ。本気で切れると超能力が暴発してしまうんです」

モカ「何かもう窓ガラスとか割りそうな感じだったよね。アレ」

 

 モカの言葉に飛鳥は静かに目を閉じた。

 

飛鳥「…中学の時に一度やらかして、学校を追い出されそうになりましたからね」

千聖「そういや前に言ってたわね。強い心がないと超能力は扱えないって」

飛鳥「扱えないどころか、超能力に心も体も乗っ取られてしまうんですよ。本来私はいてはならない『イレギュラー』みたいなものですからね」

 

 飛鳥の言葉に千聖やモカが口角を下げると、飛鳥は静かに目を閉じた。

 

 

飛鳥「死ぬまでずっと戦いですよ。少なくとも自分自身とは」

 

 

*****

 

 後日、飛鳥は普通に登校したが、噂が広まったせいで皆飛鳥を敬遠するようになった。飛鳥としてはもう絡まれることもなくなるし、上手くいけば任務完了で広島に帰る事が出来るので、何も気にすることはなかった。

 

 そんな時だった。

 

「一丈字!」

飛鳥「?」

 

 巴の声がしたので、飛鳥が後ろを振り向くとそこにはAfterglowとあこがいた。

 

飛鳥「ああ、おはようございます」

巴「昨日は本当に悪かった!!」

 

 巴が思い切り頭を下げた。

 

飛鳥「あの、巴さん」

巴「アタシが疑ったばっかりに、お前が…」

飛鳥「すみません。それちょっと一番やってほしくなかったんですよ」

巴「分かってる! でも、アタシの気が済まねーんだ!!」

飛鳥「いや、また変な誤解が生まれますので」

 

 飛鳥の言葉に巴が顔を上げ、モカたちと一緒に飛鳥の顔を見た。

 

蘭「どんな?」

飛鳥「今回の件でAfterglow、特に巴さんは私に逆らえなくなったと」

モカ「それで飛鳥くんがエッチな事を要求しても断れないだろうからって…また新しい言いがかりだよね~」

飛鳥「その通りです」

 

 飛鳥の言葉に蘭たちはうんざりしていた。

 

あこ「どうしてそんな事ばっかりになってるの!?」

飛鳥「女の子達に囲まれてたら、普通の男子は嫉妬したりするものです」

 

 あこの言葉に飛鳥は無表情になって言い放つと、モカ、あこ以外の4人は青ざめた。

 

飛鳥「それならまだ私も許せるんですよ。確かに自分にないものを人が持ってたりすると羨ましいってのは私にもあるので。ですが…」

あこ「ですが?」

飛鳥「そういう人に限って、自分で努力せず他人を蹴落として上になろうとするんですね。そんな輩にとやかく言われる筋合いはございません」

モカ「女子にもいるよ~。そんな人」

飛鳥「あぁ…」

 

 飛鳥が窓を見つめた。

 

飛鳥「今度何かあったら入院しそう」

蘭「急に何を言い出してるの!?」

モカ「それだったらツッコミ役とかが大変だね~。有咲とか美咲ちんとか」

 

 モカの発言に有咲と美咲が勢いよく飛び出してきて、飛鳥に詰め寄った。

 

有咲「一丈字!! お前の大好きなグルコのカフェオーレだぞ!!」

美咲「いつも買ってる500mlよ! しっかりして!!」

「滅茶苦茶必死か!!」

モカ「美咲ちんは此間サンバカーニバル…」

美咲「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

 モカの発言で美咲は崩れ落ちた。

 

飛鳥「あ、大丈夫ですよ青葉さん」

モカ「何が大丈夫なの~?」

飛鳥「2年生には今井先輩と白鷺先輩が…」

 

 すると今度はリサと千聖がやってきて、飛鳥に詰め寄った。

 

千聖「飛鳥くん。あなたが来てくれて私の負担が減って本当に助かってるわ? だけどもうちょっとだけ頑張ってくれませんか?」

リサ「飛鳥くん! クッキー食べる? あ、肩叩こうか?」

「先輩なのに露骨に後輩に媚売ってる!!」

「そんなに嫌か!!」

 

 とまあ、随分大事になってしまいましたとさ。

 

蘭「そういやAfterglowはあたしがツッコミ役だから…」

モカ・ひまり・巴「いや、それはない」

蘭「何で!? 今もこうやって突っ込んでるじゃん!!」

モカ「だって蘭はすぐキレるし、全員ボケだよ~」

蘭「それもどうなのー!?」

 

 そしてまた、この様子をRASとモルフォニカがモニタリングしていた…。

 

チュチュ「出番が全然なくてBADだと思ったけど…」

マスキング「こりゃあ気が強えー奴がツッコミにいる必要がありそうだな…」

 

七深「確かにつーちゃんじゃ荷が重いなぁ~」

つくし「そ、そんな事ないし…」

ましろ(何か…見てるだけで気持ち悪くなってきた…)

 

 

おしまい

 

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