全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第393話「アイドルは大ヘンだ」

 

 

「あ~…。パスパレはやっぱりええのう!」

 

 カフェテリアで男子生徒たちがパスパレが乗っている雑誌を見ていたが、メロメロになっていた。

 

「このタペストリーもやっぱり可愛い!」

「オレ、全部予約しちゃった!」

「馬鹿だな。本人に頼めばサインくれるって!」

「それもいいんだけどさ…」

 

 そう言って会話をしていると、飛鳥がやってきて一気に不機嫌になった。

 

「…ハァ。人が楽しんでる時に白ける奴が来ちゃったよ」

「全くだぜ…」

「いいよな。主人公様は何もしなくてもヒロイン達にチヤホヤされて…」

「全く羨ましい限りだぜ…って、いない!!」

 

 飛鳥に聞こえるように嫌味を言う男子生徒達だったが、飛鳥はいつの間にかいなくなっていた。

 

飛鳥「……」

 

 飛鳥は陰で困惑したように男子生徒たちの方を覗き込んだが、相手にしたくなかったのでそのまま去る事にした。

 

 そして入れ替わるように彩たちがパスパレメンバー全員がそろっていた。

 

「人が楽しんでる時に、もっと楽しくなる子たちが来ちゃったよ!」

「全くだぜ!」

「オレ達が主人公だった!?」

「うらやましいだろお前らへへーんだ!!」

 

 とまあ、分かりやすいくらいにくずっぷりを発揮したため、千聖はものすごく嫌な顔をした。彩と麻弥は苦笑いしていたが、内心千聖と気持ちは全くで、イヴは困った顔をしていた。

 

日菜「そういやさっき飛鳥くんがこっちに来たような気がするけど、飛鳥くん探そっか」

千聖「そうね」

「いや、待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て」

 

 日菜に至っては完全に眼中にない上に、白けると言っていた飛鳥を探し出そうとしていた。千聖も日菜の意見に賛同して5人で探しに行こうとしたところを男子生徒が止めに入る。

 

千聖「あら、私たち人を探してるの。どいてくださる?」

「いや、ちょっと待ってよ…」

「アイドルでしょ? 特定の人間に対して肩入れは良くないんじゃない?」

「ほら、一丈字だって気を遣ってるんだからさ…」

 

 とまあ、男子生徒たちは媚びるが、

 

日菜「人の事を白けるって言う人にるんってしないの」

 

 日菜は至極当然な事を言うと、男子生徒たちは沈んだ。しかもいつものおちゃらけた様子ではなく、真面目な口調で言い放つので、男子生徒たちへのダメージも大きい。

 

「あの、ちょっと聞いていい?」

千聖「何かしら。私たち忙しいんだけど」

「いや、どうしてそこまでして一丈字の肩を持つわけ? もしかして何か脅されてるとか…?」

千聖「脅す? 一丈字くんが私たちを?」

 

 男子生徒の言葉に千聖が怒りの表情を見せた。

 

千聖「随分失礼な事を言うのね」

「いや、そうじゃなくて…」

 

 千聖が完全に怒ってるので、男子生徒たちが慌てると、一人がある事に気づいた。

 

「そ、そうだ! 仲が良いからパスパレの限定グッズをあげたりとかしてないよね!?」

千聖「そんな訳ないじゃない」

日菜「寧ろ欲しいって言われた事すらないもん」

「え!?」

「欲しいって言ったらくれるの!?」

千聖「勘違いしてるようだけど、彼は私たちにグッズが欲しいってねだった事もないって意味よ。ちゃんと私たちの事考えてくれてるの。誰かさん達と違って」

 

 千聖の言葉に男子生徒たちは更に飛鳥に対してやっかんだ。ただでさえ自分たちは千聖たちとこうやって喋る機会もないのに、後からきて千聖たちと仲良くなった飛鳥が気に入らなかったのだ。

 

「で、でもいいのかなぁ。人気アイドルが特定の男子と仲良くしてて仕事に影響でないの?」

千聖「それじゃあなた達と仲良くする理由もないわね」

 

 千聖がにっこり笑ってそう言うと、男子生徒たちは墓穴を掘ったと苦い顔をした。

 

「そういう事いうんだ」

日菜「アイドルだって文句を言ってもいいと思うんだけど」

千聖「寧ろ今までも被害に遭ってるし、ネットも結構味方してくれるのよ?」

 

 男子生徒が脅しをかけるが、日菜と千聖がブロックをかけた。

 

「けど、万が一これがマスコミとかにバレたらどうするの? 今度こそパスパレは…」

千聖「ダメならもうそれまでよ」

 

 千聖が堂々と言い放つと、男子生徒たちは言葉を失った。

 

千聖「何はともあれ、あなた達の思い通りにならないから。行きましょ」

 

 そう言って千聖は4人を連れてその場を後にすると、男子生徒たちはどうして上手くいかないんだと地団駄を踏んだ。

 

*******************

 

 その頃、飛鳥はと言うと、いつものベンチの近くの草原で横になりながら、空を見上げていた。

 

飛鳥「あー…。空が綺麗だなぁ…」

 

 先ほど男子生徒達から『白ける』と言われ、昔の嫌な思い出を思い出した。

 

飛鳥「どうして自分で努力しねーんだろ…」

 

 飛鳥がそう嘆きながら起き上がり、そのまま教室に帰っていった。

 

**********************

 

 放課後、飛鳥は存在感を消して学校を帰ろうとしたが、パスパレが男子生徒たちに絡まれていた。飛鳥にいちゃもんをつけた男子生徒達とはまた別の人物である。

 

「ねえねえ! 今日オフだって聞いたけど、一緒に遊ばない!?」

「いや、オレ達と!」

「部活も休みだしさ! 遊ぼうよ~」

「せめて写真撮って写真!」

飛鳥「……」

 

 普段パスパレってオフの日何してるんだろうと思いながら、飛鳥は超能力で男子生徒たちを遠ざけてあげると、千聖のみ飛鳥の存在に気づいてアイコンタクトを送った。

 

飛鳥『いつもお疲れ様です』

千聖『いつもありがとう。これからも頼りにしてるわ』

 

 

おしまい

 

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