それはある日の事だった。
「一丈字。バンドやってる子と一緒にお風呂に入った事ある?」
「あー。直接聞きに来るパターンですかー」
飛鳥はいつものように学園生活を送っていたが、突如ヤラカシ達がやってきて飛鳥にこの質問を投げかけた。
飛鳥「ないですよ」
「嘘つくんじゃねぇ!!」
「どうせ一緒に風呂入った事あるんだろ!?!」
飛鳥「あったら私の立場とか色々変わってると思うんですけど、その辺については如何ですか?」
「お前の話は聞いていないッ!」
飛鳥「いや、聞きなさいよ」
会話が通じなさそうだなと飛鳥は思ったが、始まってしまったからには最後までちゃんと相手をしようと考えていた。
「なあ、どうなんだよ一丈字…」
「お前見たんだろ?」
しつこく絡んでくるヤラカシに、飛鳥のクラスメイト達は困惑していた。
飛鳥「あなた方の末路ですか?」
「聞いてねぇよそんな話!!」
飛鳥「恐らくですけど、名前を出した人が出てきそうですね」
「はぁ? 何言ってんのか分かんないんですけど」
「とにかく教えろオラ。ポピパと一緒に風呂に入ったんだろ?」
飛鳥「入った記憶ないんですけど、皆さんはどうですか!?」
飛鳥が廊下の方を見て叫ぶと、ポピパ5人が入ってきたが、案の定有咲が怒っていた。
有咲「ねぇよ」
飛鳥「ほら、市ケ谷さんもこう言ってるでしょう」
「いや、絶対嘘だ!!」
有咲「アタシら本人がねーって言ってるのに、なんでウソになるんだよ!」
沙綾「ていうか最近このパターン多くない?」
飛鳥「すべて弦巻家の黒服の皆さんに任せて、私がこの学園を去れば済む話なんでしょうけど…」
たえ「いや、それだったらこのシリーズ終わっちゃうよ」
皆がたえの方を見た。
たえ「ドラえもんで言うと、のび太くんの運が良くなって、ドラえもんの力を借りる必要がなくなるようなものだし」
有咲「お、おたえ? 急にどうしたの?」
たえの発言に有咲が思わず困惑しながらツッコミを入れた。
たえ「それにしてもあなた達も、一丈字くんを困らせたらダメだよ」
「いや、もうだってさぁ…」
「それだったらオレ達と一緒に風呂に入ってくれるのか!?」
有咲「そんな訳ねぇだろ!!」
たえ「有咲。水着着用で入れる温泉があるらしいけど…」
有咲「いや、こいつらと一緒に風呂なんか入っちまったら、もう何から何まで負けだよ」
たえの発言に対して有咲がかたくなに否定した。
有咲「大体お前らも懲りねーな! いくら一丈字を蹴落としたところで、アタシ達の気持ちは変わんねーよ!」
香澄「というか前から思ったんだけど、有咲がめっちゃカッコいい」
有咲「お前も余計な事言うな!!/////」
香澄が有咲をほめると、有咲が頬を染めてツッコミを入れた。
たえ「そうだよね。びしっと言ってくれるし…」
りみ「そ、そうだね…」
沙綾「ある意味有咲を目立たせるために…」
有咲「…ああんもう一丈字!! お前何とかしろ!!/////」
そう言って有咲が飛鳥を表に立たせた。
飛鳥「これで理解して頂けましたかね」
「…まあ、ポピパと一緒に風呂に入っていないことは分かった」
飛鳥「あの、質問宜しいですか」
「何だよ」
飛鳥「あなた方が一番やりたい事は何ですか?」
「そんなの決まってるだろ! バンドやってる子達と風呂に入りたいんだよ!」
「裸が見たいんだよ!」
「体も触りたいんだよ!」
「あとできればそれ以上の事も…」
飛鳥「気は確かか!!」
男子生徒たちの只ならぬ欲望に飛鳥がツッコミを入れた。案の定有咲や沙綾は嫌な顔をしているし、香澄、りみは苦笑いしていて、たえは無表情だった。
「お前は主人公なんだからやってるんだろ!?」
「そうだって言ってくれ! そうすればオレ達も少しは気が楽になる!」
飛鳥「私は凄く気が重いんですけど…」
飛鳥はげんなりしていた。
香澄「あの、本当に一緒にお風呂入ってないよ?」
有咲「ていうかなんで一丈字と一緒に風呂に入らなきゃいけねーんだよ!」
飛鳥「市ケ谷さん」
有咲「な、なんだよ…」
飛鳥が有咲を見つめた。
飛鳥「もっと言ってやってください」
有咲「は、は?」
たえ「有咲が飛鳥くんと一緒にお風呂に入るのをものすごく嫌がれば、退いてくれるって作戦なんだね」
飛鳥「まあ、そんな所ですね」
有咲「い、いや普通に考えて同級生の男子と一緒に風呂に入るとかありえねーだろ!」
飛鳥「市ケ谷さん。そこはもう私だけで大丈夫です。とにかく私と混浴したくないという事を、あの人たちにお伝えください。そうすれば何とかなる筈です」
沙綾「とにかく、あいつらは一丈字くんが私たちから嫌われればいいって事?」
沙綾の言葉に飛鳥は視線をそらした。
香澄「そ、そんなの出来ないよ!!」
飛鳥「えーと…。戸山さんがこう仰っていただけるので、なるべく言わないでほしかったのですが…」
飛鳥は一息ついた。
飛鳥「分かりました。話の続きは私とあなた方で行いましょうか」
香澄「ダメ。私も行く」
飛鳥が香澄を見つめると、香澄がジト目で飛鳥を見つめた。
たえ「この際だから本当に混浴する?」
たえの発言に皆が驚いた。
「え!? マジ!?」
「本当に混浴してくれるの!?」
たえ「うん。するよ?」
有咲「いや、ちょ、おたえ!!/////」
沙綾「待って有咲…」
止めようとする有咲だったが、沙綾が止めた。
有咲「な、なんだよ!」
沙綾「いいから…」
沙綾が黒い笑みを浮かべると、有咲が何か嫌な予感がした。
「それだったら気が早い!!」
「いつ頃にする!? 今度の休み!? 明後日! 明日! 今日!?」
完全に欲望をむき出しにしている男子生徒たちに、大半がドン引きしていた。
たえ「そうだなー…。今日の放課後にしようかな」
「ウォオオオオオオオオオオ!!」
たえ「そういう訳だから飛鳥くん。一緒に入ろうね♡」
「は?」
たえの発言に男子生徒たちが固まると、沙綾が噴出して、有咲が唖然としていた。
「え? い、一緒に風呂に入るって…」
たえ「何って。飛鳥くんと温水プールに行くんだよ? あそこは水着着用OKの温泉があるの」
たえの発言に空気が止まった。そして男子生徒たちは完全に自分たちと勘違いしていた上に、欲望も完全に丸出しだったので、完全に赤っ恥だった。沙綾にも笑われているので、大ダメージだった。
「うわ~ん!! 恥かかされた~!!!!」
「でもこんなプレイも悪くない!!」
「悪くない訳ないだろ!!」
「ポピパがダメなら他のグループ狙ってやる~!!!」
と、男子生徒たち…ヤラカシが退散していった。
飛鳥(もうこれ…オレじゃなくても良いんじゃないかな?)
たえの天然ボケのお陰で救われた飛鳥だったが、それと同時に自分が学園にいる存在意義について疑問を感じていた。だが、助かったのでたえにお礼を言う事にした。
飛鳥「ありがとうございました花園さん。助かりました」
たえ「ううん。気にしないで」
有咲「それにしてもおたえの天然ボケが役に立つときが来るなんてなー」
沙綾「温水プールっていう手は思いつかなかったな」
そう言って皆がたえをほめていたが、
香澄「あ、そうだ! 折角だからこのまま温水プール行こうよ! 勿論飛鳥くんも一緒に!」
飛鳥・沙綾・有咲「え?」
香澄の言葉に3人が驚いた。
たえ「え? 最初からそのつもりで言ったんだけど…」
有咲「あ、あの。おたえ?」
たえ「あ、ちなみに水着のレンタルOKだから…」
有咲「そんな話は聞いてねぇよ!!」
飛鳥「いや、そこまでしてもらわなくて結構ですよ…?」
飛鳥が苦笑いしたが、たえの態度は変わらなかった。
たえ「もうこの際だから一緒にお風呂入って、あいつらに見せつけちゃおう」
飛鳥「地元帰れるかなー…」
とまあ、たえの強引な押しで温水プールに行くことになりましたとさ。
飛鳥「私色々あってダイビングスーツなんですよね」
香澄「すごーい!」
水着を着ているとはいえ、本当に湯船につかっているポピパと飛鳥であった。
たえ「はー…極楽極楽…」
有咲(凄いのかすごくないのか分かんねぇ…/////)
ちなみに有咲は水着着用とはいえ、恥ずかしがっていた。
おしまい