自暴自棄になったAは思いのたけを飛鳥にぶつけた。日菜、他の生徒たちが見守る中、飛鳥が出した言葉とは…。
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A「そうやって無能のふりをして、ずっとオレ達を見下してたんだろ!! 本当は何でもできる癖に、出来ないふりをしてオレ達の事を馬鹿にしてたんだろ!! だからオレはてめーが許せねぇんだよ!! 馬鹿にしてやがる!!」
そう言ってAがずっと叫び続けていたが。飛鳥は呆れたようにAを見つめた。
飛鳥「いや、知らんがな」
飛鳥は一言でバッサリと片づけた。
飛鳥「あなたが私の事をどう思ってくれても構いませんよ。けど、人の事を追い掛け回したり、いちゃもんをつけたり、そういう事をしていい理由にはなりませんよね?」
飛鳥が思ったほかハッキリと言い始めたので、皆が呆然としていた。
飛鳥「そもそもズルして日菜さん達と同じ班になろうとした人が人に対してそんな事言う資格はないと思うんですが」
A「う、うるさい!! お前は何もしなくても日菜ちゃん達と一緒にいられるし、主役だから…」
飛鳥「そんなの理由になりませんよ?」
飛鳥はまたズバっと言い放った。
飛鳥「じゃあ主役として言わせてもらいますけど、なんであなたは正々堂々と勝負をしようとしないんですか?」
A「!」
飛鳥「どうして汚い手を使うんですか? 周りに汚い事ばかりやらせてどうして自分は高みの見物なんですか?」
飛鳥の質問攻めにAは何とも言えなかった。
飛鳥「主役かどうか以前に、そんな汚い事ばかりしてる奴に女性がなびくわけないだろう! そんな奴に自分の人生を預けられるか!!」
飛鳥の発言に皆が驚いた。
飛鳥「それから、あんたは主役が楽しなくても良い思いを出来るって思ってるかもしれないけど、そんな事ない! 人より多く理不尽な目には逢うし、助けてほしい時に誰も助けてくれないし、正直言って仲間のせいでかけなくてもいい苦労を懸けなきゃいけなくなる。大変だぜ。皆の事見ないといけないんだ。そういう事を乗り越えて人は初めて見てくれるんだぜ」
飛鳥は完全に熱が入ってAに説教をしていた。
飛鳥「自分では何もせずに楽しようとしてる奴は幸せになれないよ。理由は簡単だ。世間はそういう奴に牙をむくんだ。本当に日菜先輩達と仲良くなりたいなら、振り向いてもらえるように努力しな」
そう言って飛鳥は背を振り向いた。
飛鳥「アンタ達が何を言おうがね。オレはもう前を向いて歩いていくよ。立ち止まってられないからね」
そう言い残して飛鳥はその場を後にすると、Aたちは何も言えずそのまま立ち尽くしていた。
飛鳥(あー…言いたい事言えてすっきりしたけど、多分このシリーズ打ち切りだな…)
ある意味超能力者としてばらしてしまったようなものだし、飛鳥はもう自暴自棄になっていた。そして日菜と鉢合わせした。
飛鳥「まあ、そういう事ですので。お互い頑張りましょうね」
そう言って飛鳥は去っていった。
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放課後
モカ「完全にやっちゃったねー」
飛鳥「全くだぜ…」
いつもの中庭に飛鳥・モカ・こころ・千聖の4人がいた。
千聖「迫真の演技…といったらアレだけど、完全に役者顔向けの気迫ね」
飛鳥「よしてくださいよ」
モカ「でも今までで一番カッコよかったような気がするよ~。男らしくて」
飛鳥「ありがとう」
飛鳥は皮肉気味に返事した。
飛鳥「思い切りメタ発言もしたし、これで打ち切りかな…」
こころ「そんなの寂しいわよ!」
モカ「いやあ、打ち切りになってもまたなんか再編成とかするんじゃなーい?」
千聖「そうよ。一応うちプロジェクトが7周年で、ガルパが5周年なのよ?」
飛鳥「まあ、確かにそうなんですがね…」
その時だった。
「探したよ。飛鳥くん」
日菜が現れると、飛鳥達は普通に日菜を見ていた。
飛鳥「これはこれは氷川先輩。どうされました?」
日菜「やっぱりね。アタシ思ったんだ」
飛鳥「え?」
日菜「飛鳥くん…物凄くるんってするって!」
日菜の言葉に飛鳥は困惑した。
飛鳥「…どういう事ですか?」
千聖「興味を持たれてしまったようね…」
日菜「いやー。Aくん達にあそこまで堂々と言えるのもそうだったけど、掃除のときも結構気も座っててさ。本当に凄いなーって思ったんだ」
飛鳥「そ、そうですか…」
日菜の発言を聞いて、飛鳥はとてつもなく嫌な予感がしていた。
日菜「飛鳥くんってさ…」
飛鳥「……」
日菜が笑みを浮かべた。
日菜「エスパーだよね」
日菜の発言に空気が止まると、飛鳥は何を言おうか考え、こころが変な事をしゃべらないように細工をした。
飛鳥「良く言われるのですが、違います」
日菜「そうなの? でもね千聖ちゃん。千聖ちゃんには申し訳ないんだけど…」
千聖「あら、どうしたの?」
日菜の言葉に千聖も演技をしていたが、
日菜「ごめんね。スマホ見ちゃった」
千聖「は、はぁ!!? それじゃ最初から分かってて…」
日菜の言葉に千聖が慌ててぼろを出してしまったが、日菜の後ろにある人物が現れて日菜の記憶を消し、そのまま退場させた。
「!!」
古堂和哉である。
飛鳥「か、和哉さん!」
和哉「久しぶりだな」
和哉の登場に千聖・モカも驚いていた。
こころ「和哉! 今日は一体どうしたのかしら!?」
和哉「こっちで仕事があって、ついでに顔を見に来たという訳だ」
和哉の登場に千聖は困惑していた。
和哉「危うくバレる所だったな」
千聖「ご、ごめんなさい…」
和哉「報酬は既に貰っている。そいつを裏切る行為をしなければ何も言わん」
和哉が飛鳥を見つめていた。
和哉「随分東京での生活を満喫しているようだな」
飛鳥「…もしかして、戻る必要が出来ましたか?」
和哉「その逆だ。お前には暫くここにいて貰う」
「!」
和哉の発言に飛鳥達が驚いた。
和哉「何かと人手不足だからな。この世界も」
飛鳥「……」
和哉「だが、時間が出来たらまた島に戻ってくるがいい」
飛鳥「わ、分かりました…」
和哉「それではな」
そう言って和哉は消えると、飛鳥達は呆然と見つめていた。
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焼肉屋
千聖「ごめんなさい…私としたことが…」
飛鳥「いえ…。それは大丈夫なのですが…」
自分のミスで正体がバレそうになってしまい、千聖はとてつもなく落ち込んでいた。
モカ「それにしても和哉さん…相変わらず風格があるというかなんというか…」
モカは和哉の顔の怖さに辟易していた。もしもこれが蘭やひまり、巴だったら泣いて逃げ回っていただろうと考えていた。
飛鳥「…にしても、日菜先輩にバレなかったのは幸いでしたね」
思った事を正直に話してしまう日菜の性格を知っていたため、彼女には何とか正体はバレたくなかった飛鳥であった。
千聖「まだまだ女優として未熟だわ…。頑張らないと…!」
本当にどうなるんだろうと思いながら、飛鳥は静かに焼肉を食べた…。
飛鳥「えー…お陰様で400回目を迎えました。また次回もよろしくお願いします…。それから紗夜先輩、日菜先輩。お誕生日おめでとうございます」
おしまい