ある日の夜。バンドガールズは弦巻家が所有する洋館に集まっていた。
まりな「今回は皆にホラー映画を見て貰います」
「ええええええええええええええええええええええええ!!!?」
司会進行を務める月島まりながバンドガールズに話しかけると、一部のメンバーが絶叫した。
香澄「おもしろそー!!!」
有咲「いや、全然おもしろくねー!!!」
たえ「映画を見るって事はポップコーンとかいるよね」
有咲「いや、ちげぇだろ…」
どこまでもマイペースなたえに有咲が困惑した。
香澄「あ、私チュロス食べたい!!」
有咲「ちょっと静かにしてくんない?」
するとAfterglowがキョロキョロ見渡した。
蘭「あれ? 一丈字は…?」
まりな「一丈字くんなら今回来ないわよ」
「えええええええええ!!!?」
巴「どうして!!?」
まりな「いや、一緒に鑑賞するとなんかそういうよこしまな目的があると思われるだろうし、嫌がるだろうからって、辞退しちゃったのよ。あ、頑張ってって」
蘭「連れ戻してください!!!」
巴「何を今更!!!」
つぐみ「ふ、二人とも落ち着いて!!」
と、つぐみが蘭と巴をなだめた。
まりな「それじゃ多数決執るわね。飛鳥くんがいてもいい人」
全員が手を上げた。飛鳥だけ逃がしたくない人間、純粋に飛鳥と一緒に映画を見たい人、皆手を上げてるから私も手を上げとこ―っていう人。
さらに細かく分けるとこうなる。
『飛鳥と一緒に映画を見たい組』
香澄・日菜・イヴ・あこ・こころ・はぐみ
『皆手を上げてるから私も手を上げとこう組』
たえ・りみ・沙綾・ひまり・つぐみ・彩・麻弥・燐子・花音・美咲
『一人だけ逃がすかこの野郎組』
有咲・蘭・巴・千聖・友希那・紗夜・リサ・薫
『飛鳥がいた方が面白い組』
モカ
そしてちょっとして飛鳥が連れてこられた。
飛鳥「私の画、必要ですか?」
香澄「飛鳥くんも一緒に見ようよー」
蘭「そうだよー」
巴「水臭いなぁー」
と、蘭と巴が笑顔で飛鳥を捕まえた。
飛鳥「…まあ、あなた方が良いのなら参加しますけど」
こうして飛鳥も参戦する事になった。
香澄「あ、やっぱり映画って言ったらポップコーンだよね!」
紗夜「戸山さん。もう夜ですよ!?」
香澄「うっ…」
日菜「おねーちゃん。フライドポテトもあるよ!」
紗夜「か、関係な…」
日菜「今限定のフレーバーだって!」
紗夜「……」
フライドポテト(松茸味) 今限定!! とあった。
紗夜「……」
(めっちゃガン見してる…)
飛鳥「そういやシアターってどんな感じなんですか?」
平三「こんな感じです」
と、黒服の男・平三がモニターに表示すると、至ってスタンダードな座席だったが、金色と赤色の席に分けられていた。
平三「6つのソファーがありますので、お好きなところにお座りください」
飛鳥「ありがとうございます」
ちなみに原則バンドごとに固まって座る事になったが、飛鳥は一人だった。
飛鳥「見事にど真ん中だなぁ…」
飛鳥が困惑したけど、特に気にしない事にした。
ちなみに席順
Afterglow Pastel*Palettes ハロー、ハッピーワールド!
Poppin’party 飛鳥 Roselia
飛鳥「まあいっか」
「一丈字くん」
薫が現れた。
飛鳥「どうされました?」
薫「君一人じゃ不安だろう。私が傍にいてあげよう」
飛鳥「……」
飛鳥は察した。ハロハピのメンバーと一緒に見ていると醜態をさらす可能性があり、ファンであるりみやひまりを幻滅させる可能性がある(まあ、ないんだけども)。それならば、一番ホラーに耐性がありそうな飛鳥の傍にいた方が安全と考えていた。
飛鳥「あ、いや。私は一人でも…」
薫「遠慮する事はないよ。さあ」
薫が飛鳥に詰め寄ったが、目で助けを求めていた。
飛鳥(若干半泣きになってる…)
その時だった。
「それなら私もお隣宜しいかしら?」
千聖が現れた。
飛鳥「白鷺先輩」
薫「千聖」
千聖「私も一丈字くんや薫と映画が見たいの。いいかしら?」
と、千聖が微笑んだが、飛鳥と薫は察した。
飛鳥(絶対いじり倒す気だ…)
薫(ちょっと変な事喋らないでよちーちゃぁん…!!)
ちなみに一緒に見ようとしていた香澄と日菜はりみとひまりに止められていた。こころも参加しようとしたが美咲に止められた。
そして映画が始まった。
蘭(本当は怖いけど、湊さんがいるし…)
友希那(美竹さんの前で醜態はさらせないわ)
と、蘭と友希那はお互い対抗意識を燃やしていたが。
飛鳥「…あの、すっごい腕痛いんですけど」
薫「お、おっとすまない! 私とした事が誤って掴んでいたよ」
薫は映画が始まる瞬間から、ビビっていた。すると千聖が
千聖「…一丈字くん」
飛鳥「はい」
薫「な、なに!?」
千聖が飛鳥に話しかけようとすると、薫も反応した。
千聖「緊張が解けるおまじないの言葉を教えてあげようと思って」
薫「そ、その言葉だけはやめて!!」
飛鳥「かおちゃんですか?」
薫「や、やめ…」
その時、大きな音が鳴った。
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!」
と、一部のメンバーが悲鳴を上げていたが、なかでもAfterglowがパニックになっていて、モカはひまりに首を絞められていて、蘭と巴は逃げ出そうとしていた。つぐみはモカが首を絞められている事に気づかないで、モカにしがみついていた。
薫「うぅぅぅ~~~~~~」
飛鳥「……」
薫が飛鳥に思いっきりしがみついていた。
飛鳥「…大丈夫ですか?」
薫「だ、だいじょうぶじゃない…」
飛鳥は千聖に言われたアドバイスを試してみる事にした。
飛鳥「よしよし。心配しないでください。かおちゃん先輩」
先輩は聞こえないようにぼそっと呟いた。
薫「そのあだ名はやめてぇ~」
と、泣きべそかいていた。
飛鳥「私が傍についてますので、思い切り甘えてくださいな」
薫「…うん」
飛鳥は何とか薫をなだめたが、千聖が不満そうにしていた。
香澄「び、びっくりしたぁ~」
有咲「心臓止まるかと思っただろーが!!」
たえ「有咲。映画に突っ込んでも仕方ないよ」
と、映画は進んでいったが、どんどん怖い映像が流れていった。まあ、怖いというよりえぐいとグロいと言った方が良いのか。
千聖「きゃーっ!!! 虫ぃ~~~~~~~!!!!!」
千聖が飛鳥にくっついた。
飛鳥「白鷺先輩。虫ダメなんですか?」
千聖「そ、そうよ!! 悪い!!?」
飛鳥「いえ、問題ありませんが…って瀬田先輩!」
薫「うぅぅぅ~~~~~」
と、飛鳥はずっと薫と千聖の面倒を見ていた。
つづく