それはある日の事、彩が事務所で他のメンバー4人に対して正座をさせており、飛鳥は困惑した様子でそれを見守っていた。
彩「みんな。これはどういう事かな?」
日菜「いやー…それは、その…」
彩「私たちアイドルだよね? そうでしょ? 千聖ちゃん」
千聖「そ、そうね…」
いつもは甘いものを隠れて食べては千聖に説教される彩だったが、今回は立場が逆で彩が黒い笑みを浮かべて千聖に説教していた。
彩「麻弥ちゃんもイヴちゃんも…。ふざけるにしてはもうちょっと判別できなかったのかな?」
麻弥「も、申し訳ありません…」
イヴ「ごめんなさい…」
基本的に怒られることもなければ、自分にも優しい麻弥やイヴにも容赦がない彩だった。というのも…。
彩「一丈字くんに対して何セクハラしてんの!!!」
簡単にまとめると日菜が飛鳥を脱がそうとしたのだった。理由は簡単でパスパレは基本的に女子に囲まれていて、男子に触れる機会はあまりなかったのだ。まあ、同じ学校に通っている男子たちに結構言い寄られるのだが、それはカウントされていない。
で、当初は日菜の悪ふざけだけだったのだが、千聖も思ったほか乗り出して、事もあろうに麻弥やイヴも興味があったのか、悪ふざけに乗った。
日菜「いやー…飛鳥くんは信用できるからでありまして…」
彩「普段から同じクラスの子や別のクラスの子に対しては断ってるのに、これバレたら色々大変なことになるんだよ!?」
千聖「そ、そうね…だけど彩ちゃん」
彩「なに?」
この期に及んで言い訳しようとする千聖に対して、彩がにらみを利かせた。
千聖「我慢できなかったのよ!!」
彩「うるせぇこのド変態!!!」
千聖の言い訳に思わず彩の言葉遣いが崩壊した。それに対して飛鳥、麻弥、イヴが困惑した。
彩「あからさまに痴漢の台詞じゃん! 今まで私に対して説教してきたの何だったの!? それだったらもう二度と私に説教しないでね!?」
千聖「それはダメに決まってるじゃないの。あなたはすぐに私に隠れてお菓子食べるんだから」
彩「千聖ちゃん。私以上の事をしでかしたの分かってる?」
千聖が真面目な顔で彩に言い放ったが、説得力なんて微塵もなく、彩に冷静に突っ込まれた。
日菜「まあまあ彩ちゃん。ここにいるのはアタシ達だけなんだし、絶対バレないって」
彩「……」
そんな訳がなかった。
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「パスパレが一丈字を脱がそうとしたって!?」
「マジ!!?」
「嘘じゃないだろうな!!」
「エアバンド事件から折角立ち直ったのに、何やってんだよマジで!!」
とまあ、少なくとも学園中に広まり、彩は両手で顔を覆った。
彩「もうおしまいや…」
飛鳥「……」
飛鳥は彩に対してどういう言葉をかければ良いか分からなかった。昔から夢見ていたアイドルの夢がこんな形で終わろうとしているのだから。被害者とはいえ、自分が丸く収めた所で他メンバー4人がそういう事をしたという事実は変わらないし、自分の超能力をもってしても、消すことは出来ない。というかそういう関係を持ってしまって、自分の運命もどうなるんだろうと思った。
彩「一丈字くん…。本当にごめんなさい…」
飛鳥「いや、私はもういいんですけど、これからの対策を考えましょう」
そんな時だった。
「一丈字に対してそういう事をしてるんならもういいよなァ…?」
とまあ、男子生徒の一人がゲスな笑みを浮かべて、言い放った。
「日菜ちゃん、千聖ちゃん、麻弥ちゃん、イヴちゃん」
「!」
男子生徒が4人に対して声をかけると、
「僕も脱がしてくれよ。一丈字と同じように♡」
飛鳥(脱がされる方かよ…)
ゲスな笑みを浮かべて自分の服を脱がすように頼む男子生徒だったが、客観的に見て気持ち悪すぎてドン引きした。
日菜「え? 普通にお断りなんだけど」
千聖「誰があなたなんかに!」
「そんな事言っていいのかな? もし断れば一丈字を脱がしたって、更に広めてやるけど? SNSに拡散も出来るしな」
そう言って脅しをかけると麻弥とイヴが困惑したが、
日菜「じゃああたしはあなたからそういう脅しを受けたって皆に言いつけようかなー」
飛鳥(いや、悪いのあなた達なんですけどね?)
彩「日菜ちゃん…?」
日菜がそうやって脅すが男子生徒はひるまなかった。
「分かった。それじゃあSNSに拡散するわ。お疲れ様。Pastel*Palettes」
そう言って男子生徒がスマホであるボタンをタップしようとしたが、ファンの男子生徒たちに取り押さえられた。
「てめぇ!!」
「何勝手な事してんだよ」
「終わらせようとするな!!」
そう言って男子生徒はボコボコにされたが、彩はもうどうすればいいか分からず悲鳴を上げた。
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「…ちゃん。彩ちゃん!!」
「ハッ!!!」
誰かに声をかけられて彩が目を覚ますと、そこは学園のカフェテリアだった。周りを見渡すと日菜・千聖・麻弥・イヴの4人がいて、その周りにはいろんな生徒がいた。
日菜「大丈夫―? なんか魘されてたけど」
彩「う、魘されてた…。良かった、夢だったんだー…」
夢だと分かって安心する彩だったが寝ぼけていた。
千聖「一体どんな夢を見てたのよ…」
彩「いやね…。私以外のパスパレ4人が一丈字くんの服を脱がす夢で…」
彩の発言に空気が止まった。千聖、麻弥、イヴは顔を真っ赤にしていたし、ファンの男子生徒たちは血眼になってパスパレをガン見していた。
日菜「え、どこまで脱がそうとしてたの?」
麻弥「日菜さん!!//////」
彩「んー…。千聖ちゃんの発言だと、全部脱がそうとしてたみたい…」
千聖「ちょっとぉ!! それじゃ私が本当に脱がそうとしてるみたいじゃない!!/////」
イヴ「ブ、ブシドー…?」
麻弥「イヴさん。ブシドーではありません!」
そんな時だった。
「い、一丈字を全部脱がそうとしたぁ!?」
「パスパレ4人で!!?」
男子生徒達…ヤラカシが騒ぐと千聖・麻弥・イヴが青ざめて、5人で男子生徒たちの方を向くと、
「オレ達も脱がしてぇえええええええええええええええええ♡♡♡♡♡」
千聖・麻弥「ギャアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
彩「ふぇ?」
この後、パスパレがどうなったかはご想像にお任せします。
その頃の飛鳥…。
飛鳥「つけ麺屋でつけ麺食ってます」
おしまい