それはある日の事だった。
「ありがとうございます。荷物を持ってくださって…」
「いえいえ」
飛鳥と紗夜が校舎の外を歩いていたが、飛鳥が重い荷物を持っていた。
飛鳥「これをどこに運べば良いですか?」
紗夜「もうすぐ着きます」
そう喋っていたその時だった。
「きゃああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
という、千聖の悲鳴が聞こえて飛鳥と紗夜が驚いたが、飛鳥は超能力で千聖の状況を感知した。
飛鳥(虫か…)
***************
イヴ「チ、チサトさん!!」
麻弥「はわわわわわ!! と、とても大きいっす!!」
千聖「は、早く…早くとってぇ…!!」
麻弥とイヴも一緒にいたが、虫が思った以上に大きく、ためらっていた。千聖は涙目でその場で動けなくなっていた。
紗夜「白鷺さん!!」
紗夜と飛鳥が登場するも、紗夜も虫の大きさに驚いていた。
飛鳥(ここは超能力で…)
飛鳥が虫を操って千聖から遠ざけようとしたが、
千聖「飛鳥くん!! 早くとって頂戴!!」
飛鳥「!!?」
千聖が飛鳥の名前を叫んでしまい、注目を集めてしまったため超能力が使えなくなってしまった。
飛鳥(仕方ないなぁ…)
そう言って飛鳥が千聖の背中についていた虫を取って、そのまま解放してやった。
飛鳥「取りましたよ」
千聖「……!」
飛鳥「さて、早くこれを運びに行きましょうか」
紗夜「……」
飛鳥が紗夜に話しかけると、紗夜は不思議そうに飛鳥を見た。
飛鳥「…どうしました?」
紗夜「あ、あなた…虫、平気なの…?」
飛鳥「種類によりますけどね」
紗夜の言葉に飛鳥が苦笑いすると、飛鳥は荷物を抱えた。
飛鳥「それでは私はこれで失礼します。行きましょう」
紗夜「え、あ、はい…」
そう言って飛鳥と紗夜が去っていくと、千聖、麻弥、イヴが2人を見つめていた。
********************
暫くして…
「おいコラ一丈字出てこいやぁ!!」
「てめぇ、千聖ちゃんの体に触れたっていうのは本当かぁ!?」
と、ヤラカシ達が飛鳥の教室に押しかけてきたが、飛鳥はもう既にいない状態だった。
飛鳥(あー。超能力があって本当に良かったなー)
飛鳥はそう思いながら、校舎を脱出した。そんな中…。
イヴ「……」
イヴが飛鳥の後ろを付け回していた。
「何やってるの。イヴちゃん」
イヴ「ひゃああああっ!!」
千聖、紗夜、麻弥がイヴの後ろにいて千聖が話しかけるとイヴが驚いた。
麻弥「まあ、やろうとしている事は見当つきますが…」
イヴ「そ、その…これは…偵察です!」
千聖「イヴちゃん。一歩間違えたら『ストーカー』になるのよ。やめなさい」
イヴ「は、はい…」
****************
千聖「どうして付け回そうと思ったの」
イヴ「その…お昼にチサトさんの背中に大きな虫がついていた時にアスカさんは何のためらいもなく取ってましたよね」
麻弥「あれ、結構大きかったっすよね…」
イヴ「アスカさんには間違いなく『ブシドー』の心があると思うんです」
千聖「まあ、武士道かどうかは分からないけど、根性はあるわね…」
このメンバーの中で唯一正体を知っているため、千聖は何とも言えない顔をしていた。
イヴ「そこで少しでも学ぼうとアスカさんを…」
千聖「事情は分かったわ。けど、付け回す行為は誤解を招くから今後はやめなさい」
イヴ「はい…」
千聖に怒られてイヴはしゅんとした。
麻弥「それにしても本当に一丈字さんって不思議な人ですよね」
紗夜「そうね」
千聖「不思議な人って言うより…謎が多いわね」
千聖がそう話すと紗夜が千聖の方を見た。
紗夜「そういえば白鷺さん」
千聖「何かしら?」
紗夜「あなた、最近一丈字くんとよく一緒にいるのを見るのだけど」
千聖「そうかしら? 至って普通だと思うけど…。まあ、イヴちゃんや麻弥ちゃんもお世話になった事あるからね」
麻弥「そういえばそうですよね。思えば一丈字さんに助けられる事も結構ありますね」
イヴ「……」
******************
そんなある日の事
飛鳥「今日は何もないといいけどなぁ…」
飛鳥がそう呟いていたその時だった。
「きゃああああああああああああああああ!!」
飛鳥「今度はなんだ…?」
女子たちが一斉に悲鳴を上げたので、飛鳥が超能力で感知した。大量の虫が校舎の中に入ってきてパニック状態になったのだ。
飛鳥(あー…なんでこうなったか大体見当はついたぞ)
その時だった。
「いた!! 飛鳥くん!!」
千聖が飛鳥の所に走ってきたが、血相が代わっていた。
千聖『早く何とかして頂戴!!』
飛鳥『わ、分かりました…』
テレパシーで会話をすると、飛鳥は超能力を使って虫を校舎の外に出した。
飛鳥(はー…)
***************
そして飛鳥の想定通り、犯人はヤラカシ達で虫が女子達にくっつけば、合理的に女子の体に触れると思ったのだ。
「馬鹿じゃないの!!?」
「男同士で触ってなさいよ!!」
「この××××が!!」
「それは言ったらだめ!!」
と、案の定女子たちの怒りを買って、当面は肩身の狭い思いをしましたとさ。
飛鳥「はー…」
飛鳥は心の底からため息をつくと、千聖が飛鳥の肩を抱いた。イヴが言っていた通り、飛鳥には『ブシドー』の心があるのかもしれない。だが、何事にも限度というものがあるのだと…。
そして有咲と美咲が陰からスタンバっていた。すると飛鳥が千聖の方を見た。
千聖「大丈夫よ。有咲ちゃんと美咲ちゃんならやってくれるわ!」
有咲「いや、勘弁してくださぁい!!」
美咲「もうこころだけで手一杯なんです!! 何なら薫さんやはぐみもいるんですぅ!」
千聖「じゃあ有咲ちゃん」
有咲「やだぁ~~~~~~!!!!!」
飛鳥達の戦いは続く…。
おしまい