全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

200 / 492
第425話「これが現実なんだよオリ主さん」

 刺激のある生活なんていらない。僕は平凡でいい。ただ普通で平和な日常を過ごせたらそれでいいんだ。

 

 …そう思って高校に進学したものの、本当に平凡で普通で平和で…クソつまんねぇ!!

 

******************

 

 そう嘆いている男の名前は檻主。特徴は一言でまとめるとラノベでよくいる主人公。黒髪でストレートだったり、なんか煮え切らなかったり、客観的に見て良さげなのにやたら自己肯定が低かったり、実際にいたら若干めんどくさい感じである。

 

 で、ラノベでよくある『自分は平凡で良いんだ』だの『オレはあいつみたいにキラキラにはなれない』だの、やたら劣等感を抱き、変化を望まない性格だ。

 

 そしてその言葉の通り、本当に何もなければ友達や彼女もできない、かといって虐められる事もない。本当にごく普通の生活を送っている。

 

 確かに平凡な生活が良いと言ったものの、何かしらの刺激は欲しい。というか毎日同じような生活でつまらなかったのだ。

 

*********

 

 そして極めつけはこうである。

 

「飛鳥くん。今度行う舞台の読み合わせに付き合ってほしいのだけど」

「飛鳥く~ん。パン一緒にたべよ~」

「飛鳥! 何か楽しい事しましょう!?」

 

 クラスメイトの一丈字飛鳥が美少女たちにモテており、自分は本当にそういうウフフなイベントも起こらず、完全に脇役だった。

 

(確かに平凡な生活がいいって言ったけども! 劣等感は抱いてたけども!)

 

 心のどこかでなんかラノベの主人公のような展開になる事を期待していた檻主は目のあたりにした現実に絶望していた。

 

飛鳥「すいません。今度の休みに用事があって、その準備で忙しいんですよ」

モカ「パンを食べる事くらいはすぐに終わるよ?」

こころ「今度の休み何をするのかしら!?」

千聖「確かコンテストに出るのよね?」

飛鳥「ええ…って、ご存じだったんですか?」

千聖「当然よ」

 

 千聖の発言にクラスメイト達が驚いた。

 

「コンテストって一体何のコンテストに出るの!?」

「スポーツ系!?」

飛鳥「えっと…テクノロジー系のコンテストで、自作したロボットを戦わせるんですよ」

「な、なんか凄そう…」

 

 と、クラスメイト達の発言に檻主は表情をゆがませた。あんなの完全に陽キャじゃないか。陽キャにハーレムを作らせてどうするんだよと思いながらも、こういう展開があれば自分にも何かハーレムが出来るんじゃないかと期待していた。

 

「あ、檻主くん」

檻主「ん。なに?」

 

 女子から声をかけられて檻主は淡い期待をしたが…

 

「今日日直でしょ? 早くいかないと先生に怒られるよ?」

檻主「あ、うん…分かった…」

 

 本当に世の中甘くないと痛感する檻主であった。

 

**********

 

 そしてテクノロジーコンテストで優勝した。

 

「おめでとう一丈字くん!」

飛鳥「あ、どーもありがとうございますー」

 

 マスコミは大きく報じなかったものの、興味本位で観戦していたクラスメイトがすぐに皆に知らせたのだ。ちなみに檻主や一部の生徒には伝わっていない。

 

「試合見てたけど、本当に驚いたよ」

飛鳥「ありがとうございます」

 

 そして…

 

香澄「飛鳥くん飛鳥くーん!」

 

 Poppin‘Partyの面々がやってきて、香澄が声をかけた。

 

香澄「聞いたよ!? なんか大会に優勝したんだって!? おめでとう!」

飛鳥「テクノロジーコンテストですね。ありがとうございます」

檻主「……」

 

 檻主は考えた。このまま結果を出したことで飛鳥は香澄達と仲良くなるのではないかと。自分が口を出す義理はないが、本来は自分がそうなっていてもおかしくはないと思っていた。

 

有咲「それにしてもお前、結構凄いよな…」

飛鳥「いえいえ。市ケ谷さんに比べたらそんな…」

有咲「謙遜すんなよ」

飛鳥「皆さんにものすごく愛されて」

有咲「マジで謙遜すんなよ?/////」

 

 飛鳥が煽ると有咲が第四の壁を超える勢いで飛鳥に迫った。

 

香澄「あ、そうだ! 優勝のお祝いしてあげる!」

飛鳥「あ、お気遣いなく」

沙綾「もしかして…やっぱりうちの男子?」

飛鳥「えっと、ほとんどのクラスですね」

「その通りだぁ!!」

 

 ヤラカシ達が現れると、飛鳥が困惑していた。

 

飛鳥「まあ、そう言う訳なので皆さんはファンの為にこれからもバンド活動を精進なさってください」

香澄「どうしてダメなの!?」

「えっ、ダメなのって…」

「香澄ちゃんに声をかけられた…♡」

 

 香澄の言葉にヤラカシ達が困惑したり、声をかけられたことを悦んでいた。

 

香澄「あ、そうだ! 皆で…」

有咲「あのな。それやっても一丈字と話す時間ほとんどないぞ?」

 

 有咲がガードをした。

 

「そんな事ないよ~」

「あ、そうだ。じゃあせめて有咲ちゃん1人でオレ達の相手して?」

有咲「なんでそうなるんだよ!!」

「今回は香澄ちゃん達4人は譲ってやるからさ」

有咲「アタシも譲れ!!/////」

 

 有咲の発言に空気が止まった。

 

有咲「お前~~~~~~~!!!!!///////」

沙綾「有咲落ち着いて!」

たえ「どんどん可愛くなってるよ!」

有咲「可愛い禁止!!////」

 

 とまあ、有咲が大暴れしたが沙綾とたえに取り押さえられていた。そんな状況を見て檻主は自分のぼっちさを嘆いていた。

 

****

 

 そして臨海学校がやってきたのだが…。

 

飛鳥「ごめんなさい。コンテストのインタビューと臨海学校がかぶっちゃって…」

 

 という事で飛鳥は不参加になった。

 

「よっしゃあ!」

「一丈字がいない今がチャンスだ!!」

 

 と、ヤラカシ達は張り切っていて、檻主もこの臨海学校なら何かあると期待をしていた。

 

 ところがどっこい…

 

「えー。最近男子が女子に対するセクハラが酷いので、レクリエーションや男女別々にします!」

「え~~~~~~~~~~~~!!!!?」

 

 と、行事を男女別々に分けられてしまい、1日目は男子は山登り、女子は海水浴という状況になってしまった。まあ、これが現実である。

 

 

檻主(オレにもハーレムをぉおおおおおおおおおおおおお!!!!)

 

 

 檻主はついに自白した。

 

 

 その頃飛鳥は、雑誌の記者とインタビューをしていたが、行事が男女別々になる事を事前に知っていたため、今頃どうなっているか心配だったという。

 

 

 

おしまい

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。