全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第433話「飛鳥のお仕事 ~スタントマン編~」

 

 

 一丈字飛鳥です。今日私はスタントマンのバイトをしています。

 

 まあ、バイトとはいっても『WONDER BOY』の仕事で、以前のお客さんからのリピーターなんですね。今回単発ドラマを作る事になったらしいんだけど、スタントマンが急用で来れなくなって、代役を探してたんだけど、ちょっとやそっとのレベルじゃダメらしくて、私に声がかかったんですね。

 

 一応高校生OKだし、暇だったので承諾しました。

 

 承諾したのは良いんですけど…。

 

「Pastel*Palettes入りまーす」

「宜しくお願いしまーす」

 

 …パスパレの人たちと一緒になっちゃったんですね。さて、ここからがスタートです。

 

***************************

 

 とあるスタジオ。今回は時代劇をベースとしたドラマの撮影をする事となったのだ。

 

イヴ「はぁ…あっちの衣装が良かったです」

千聖「イヴちゃん。文句言わないの」

 

 イヴが珍しく不満を漏らしていたのには理由があった。パスパレメンバーは姫役としてとっても高価な着物を着ていたのだが、共演者の男性たちは武士の着物を着ていたのだった。

 

彩「あはは…。イヴちゃんそういうの好きだからねー」

千聖「彩ちゃんもあまり気を抜きすぎないようにね」

彩「はーい」

 

 そして陰では飛鳥が隠れていた。

 

飛鳥(パスパレがいるのはちょっとまずいな…。千聖さんは良いとしても、日菜先輩が結構鋭いからな…)

 

 ちなみに上司の古堂和哉としては別に正体がバレても問題はなく、寧ろ隠している飛鳥に対して生温いと思っている。

 

 そして撮影が始まった。飛鳥はスタントマンとして陰からパスパレや他の役者の演技を見ていた。

 

飛鳥(こうしてみると本当に千聖さん達芸能人なんだなぁ…)

 

 普段は学校でしか見ない彼女達だが、仕事をしている姿は別人のように感じていた。

 

飛鳥(千聖さんも役者の仕事をずっと続けたいって言ってたし、とってもいい事だな)

 

 そう言って飛鳥がふっと笑った次の瞬間、主人公格の若い男性俳優がパスパレメンバーに近づいて、イヴの尻を触ろうしていたのだ。

 

飛鳥「!?」

 

 イヴのリアクションを見て演技でないと確信した飛鳥は困惑していた。

 

飛鳥(前にもこんな事あったな…)

 

 千聖にバレるきっかけになった京都の事件を思い出した。

 

飛鳥(まあ、パスパレもビッグになってきたし、仕方ないと言えば仕方ないのか…?)

 

 いったん撮影が終わると、千聖がその男性俳優に突っかかった。

 

千聖「すみません」

「あ? なんだよ」

千聖「その…。さっき台本通りにやってなかったと思うんですけど」

「あー。アレだよアレ。アドリブ」

千聖「は?」

「なんか緊張してるみたいだったから、ほぐしてやったの」

 

 と、男性俳優は悪びれた様子もなく、アドリブだと言って正当性を主張したのだ。勿論飛鳥も千聖も嘘だと見抜いていた。

 

千聖「そ、そうなんですか」

「そーそー。だからあんまり肩に力を入れないでやってくれたらいいよー」

千聖「お気遣いありがとうございます。ただ、吃驚するので今度からはもうちょっと別のやり方をお願いできませんか?」

「分かった分かった」

 

 そう言って男性俳優は鬱陶しそうに返事すると、その場を去っていったが、勿論理解していないし、またやる気だと飛鳥と千聖は確信した。

 

飛鳥(面倒な事になってきやがったな…)

 

 飛鳥は面倒な事にならないうちに男性俳優に対してパスパレにセクハラしないように暗示をかけた。

 

飛鳥(さて、後は自分の仕事に専念しましょう)

 

 ちなみに触られたイヴは少し驚いているようだったが、持ち前の明るさで何とか取り持った。

 

日菜「あの俳優さん。絶対チカンする気だったよね」

麻弥「ジブンも分かりました…」

彩「こ、今度やったらちゃんと言おうね!」

日菜「そうだ。ちゃんと証拠取っといたほうがいいんじゃない? マネージャーに頼んでみようよ」

 

 そう言って日菜たちはマネージャーに頼んで、承諾してもらったが、マネージャーはどこか様子がおかしかった。

 

千聖「……?」

飛鳥(…なんか手回しされてるんだな。仕方ない。こんな事もあろうかと持ってきたスパイロボを仕込むか)

 

 ちなみに依頼主である監督には許可を取っている。

 

 そして撮影はどんどんと進んでいき、パスパレの撮影は終わった。

 

『パスパレ上がられまーす』

「お疲れさまでしたー」

 

 パスパレは次の仕事があるので、その場を後にすると、飛鳥もようやく表に立つことが出来た。

 

飛鳥「よし。ここからはオレの出番だな…」

 

 そして飛鳥はスタントマンの仕事を果たした。2階から落ちるシーンや飛び乗るシーンなどがあったが、どれも1回でOKを出したのでスタッフから酷く驚かれた。

 

「な…!」

 

 この活躍ぶりは主役俳優も見ていて、驚きが隠せなかった。

 

飛鳥(もう丸山先輩達も無事だし、暗示を外そうか…いや、やめておこう)

 

「君、凄いね…」

「スタントマンの経験あるの?」

 

 スタッフたちは飛鳥の身体能力に辟易していたが、飛鳥はあっけらかんとしていた。

 

男性俳優(あ、あのやろ~!! あんなに活躍されたらオレの影が薄くなるだろうが! でもまあいい。こっちはあのパスパレと共演したからな~…って、あれ? よく考えたらパスパレとどういう演技したっけ? 確か普通に芝居してて…)

 

 と、男性俳優はパスパレ達にセクハラするのを忘れて内心ショックを受けていた。

 

男性俳優(オレとしたことが、イヴちゃんの尻を軽くたたくだけになっちゃった~!!!)

 

 激しいショックを受けるが、飛鳥としては一安心していた。

 

飛鳥(よし、この調子でやるぞ!)

 

 こうして、撮影は無事に終了して、ドラマは来月放送されることとなった。

 

*****************

 

 来月

 

彩「すごーい! いつ見ても凄いね!」

日菜「そうだねー。にしてもこの俳優さん最悪だったね」

千聖「ええ。しかもつい最近若い女の子に暴力振って逮捕されたみたいね」

イヴ「うううう…」

麻弥「いやー…。イヴさんが無事で本当に良かったっすよ」

 

 と、パスパレはバンドリ学園のカフェテリアで撮影した内容を見ていた。

 

日菜「でもあの後襲ってこなかったね」

千聖「それが妙なのよね…」

 

 千聖はこの時、飛鳥が来ていたのではないかと思い始めた。その時だった。

 

麻弥「こ、この人とてもすごいっすよ!」

千聖「え?」

 

 そこにはモブの戦闘シーンが映されていたが、一人だけあからさまに浮いているスタンドマンがいたのだ。

 

千聖(こ、これってもしかして…)

 

 顔は全部写されてないものの、見覚えのある後ろ姿に千聖はプルプル震えた。

 

 

おしまい

 

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