全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第48話「一丈字飛鳥の長い夜(後編)」

 

 

 映画鑑賞が終わった後…。

 

まりな「お疲れ様。どうだった?」

蘭「まりなさんを殴りたいです」

まりな「落ち着いて。本当に落ち着いて」

 

 蘭の目のハイライトが無くなっていて、今にも殴り掛かりそうだったため、まりなが困惑した。

 

こころ「とっても面白かったわ!」

日菜「るんってした!」

美咲「ごめんなさい。この二人を精神病院に連れていってください」

まりな「美咲ちゃん。いったん落ち着きましょう」

 

 まりなが咳払いした。

 

まりな「実は肝試しはまだこれで終わりじゃないのよ」

巴「何でですか」

 蘭と巴がもう半ギレだった。

 

まりな「ルールを簡単に説明するわね」

 

・ 一人一部屋入って貰い、制限時間までずっとその部屋にいて貰う。ちなみにトイレは存在するが、電気はつかない。

・ ギブアップする場合は部屋に設置してあるブザーを押す。

・ 他の人の部屋に行ったら失格。

・ 一番多く残ったチームが優勝。

 

香澄「優勝したら何があるんですか?」

まりな「優勝したチームは演奏できる権利が与えられるわ!」

 と、まりなが宣言したが皆乗り気じゃなかった。

 

モカ「今は演奏よりパンがいい~。もしくはひーちゃんをもう一度あの映画を見せるか…」

ひまり「本当にごめんってば~!!!」

 

リサ「当分演奏はいいや…。頭痛い…」

友希那「そうね…。万全の状態じゃないわ…」

 と、乗り気じゃなかった。

 

蘭「それよりもまりなさんを一晩あの部屋に閉じ込めてあの映画を…」

まりな「さー!! あともうちょっとだからがんばろー!!!」

 

 渋々部屋に入れられる事になったが、参加予定がなかった飛鳥は…。

 

まりな「ちなみに飛鳥くんは最初から脱落部屋にいて頂戴」

「えっ!!?」

まりな「あなたもうやるだけ無駄だから」

飛鳥「あ、はい」

香澄「ちなみに脱落部屋って何があるんですか!?」

まりな「地下室よ」

「!!?」

 皆がとっても冷たい地下室を連想した。

 

巴「ひ、ひぃいいいいい!!!」

薫「……」

 薫が青ざめた。

 

まりな「という訳で、開始!!」

 と、まりなの号令で肝試しが始まった。この時、午後9時であり、終了が翌日の午前6時である。

 

 地下室

 

 と、飛鳥はエレベーターに載せられて地下室に向かうと、そこは薄暗い牢屋だった。

 

飛鳥「けどいろんなのがありますね。コーヒーマシンとか…」

平三「ここで一丈字様には脱落してしまった方たちのケアをお願いします」

飛鳥「あ、はい」

 

 と、飛鳥は寝ずの番をやる事になった。

 

飛鳥「来る人いるのかな…」

 

 5分後

 

飛鳥「モカ…」

モカ「……」

 

 モカがやってきた。

 

飛鳥「どうしたの? 幽霊とか耐性あった筈なのに…」

モカ「だってつまんないんだもーん」

 モカが悪態をついた。

モカ「それよりも、飛鳥くんに愚痴を聞いてほしくてさー」

飛鳥「…上原さんに首を絞められたことですか?」

モカ「それだけじゃないよー。蘭も巴も暴れるし、つぐはつぐだし、こういう時のモカちゃんの労働半端じゃないんだよー。慰めてー。千聖さんや薫さんみたいにー」

飛鳥「……」

 

 モカの言葉に飛鳥が困惑しながらも、お茶を飲みながらモカの愚痴を聞いた。

 

 30分後…

 

飛鳥「松原先輩…」

花音「ふぇええええええええええ…ごめんなさい~」

 

 花音が恐怖に耐えられず、ギブアップしてしまったのだ。半泣きである。

 

モカ「仕方ないですよ~。あれ、怖いって言うよりグロかったですから~」

花音「ふぇええ…だから一人じゃ怖くて…」

飛鳥「…心中お察しします」

 

 花音の涙声に飛鳥は困惑していた。

 

 そして時間が経つにつれて続々とやって来た…。

 

 1時間後

 

千聖「寝つきが悪かったから来ただけよ。決して怖いとかでは…」

飛鳥「あの映像を見て寝れたらなかなかのものですよ」

モカ「いらっしゃ~い」

 

 と、飛鳥とモカは特に冷やかしたりはせず、千聖を出迎えた。あの映画鑑賞で十分元は取れているからである。

 

モカ(まあ、元以上だけどね♪)

飛鳥(今思えばどっちも凄く甘えて来たなぁ)

千聖「二人とも。何か変な事考えてない?」

飛鳥・モカ「いいえ全く」

 

 1時間半(22:30)

 

薫「おや、君達も来ていたのかい?」

 と、薫がいつもの感じで来ていた。

 

千聖「そういうかおちゃんこそ、何しにきたの?」

薫「わ、私はここにいる子猫ちゃん達が心配で来たんだよ…」

 と、薫がいつものように気取るが、声が震えていた。

千聖「今丁度あなたの昔話をしていた所よ」

薫「む、昔の事!!?//////」

 薫が頬を染めた。

 

薫「な、何喋ったのちーちゃん!!/////」

千聖「そりゃあもう色々よ」

飛鳥・花音「……」

 飛鳥と花音が視線をそらすと、

モカ「いや~。ご馳走様」

薫「ちーちゃああああああああああああああああああああん!!!!!///////」

 

 という薫の悲鳴が響き渡った…。

 

 現在のメンバー

 

飛鳥・モカ・千聖・薫・花音

 

 23:00

 

モカ「……」

ひまり「一週間パンをご馳走するので許してください」

 ひまりはモカに土下座していて、他のメンバーは苦笑いしていた。

 

 

 23:30

 

麻弥「いやー…なんかもう寝つきが悪いので…千聖さんごめんっす」

千聖「いいのよ。こちらにいらっしゃいな」

 と、すっかりくつろいでいた。冷たい牢屋がコンセプトなのにいつの間にか布団も敷かれていて、モカやひまりや花音はババ抜きしていた。

 

0:00

 

こころ「とっても寂しいわ!!」

はぐみ「はぐみ達も仲間に入れてー!!!」

 

 こころとはぐみがやってきた。

 

飛鳥「まあ、そろそろ寝なきゃいけませんね」

ひまり「うう…寝れるかしら…」

 と、皆が不安そうにしていた。

 

飛鳥「皆さんが一緒ですから、大丈夫だと思いますよ」

「!!?」

飛鳥「まあ、布団に入ってみてください」

 飛鳥がそう言うと、皆が寝ようとした。ちなみに飛鳥は別々の所で寝る事になる。

 

はぐみ「飛鳥くんは寝ないの?」

飛鳥「ええ。私は寝ずの番ですので。このまま朝まで皆さんが来るのをお待ちしてます」

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

 

飛鳥「…どうされました?」

千聖「やっぱり私も起きてるわ」

薫「そうだね。君には借りがあるからね」

飛鳥「かおちゃん先輩…」

薫「やめて//////」

飛鳥「あ、そうでしたね。そう呼んでいいのは白鷺先輩だけ…」

薫「違う/////」

千聖「あなた結構薫弄るの好きよね」

飛鳥「そういう白鷺先輩こそ」

薫「いや、あの、そこは否定するところだと思うのだけど…」

 と、薫が困惑していた。

 

はぐみ「それだったらはぐみも起きる~!!」

こころ「皆一緒の方が楽しいものね!!」

 と、皆起きる気満々だった。

 

モカ「モカはもう眠いからおやすみなさ~い」

飛鳥「あ、おやすみなさい」

モカ「…やっぱり起きてる」

飛鳥「えっ」

 

 と、朝までこのメンバーでワイワイ楽しんだそうです。

 

 

 で、どうなったかというと…。

 

香澄「もー!!! 朝5時にダイジェスト流されたけど、すっごい楽しそうだったよ!!? いいな~!!!!」

 

 翌朝、全員が合流したが香澄が憤慨していた。りみ、沙綾、たえ、有咲が苦笑いしていた。

 

蘭・巴「……」

ひまり「ごめんて」

モカ「蘭もトモちんもつまらない意地張らなきゃよかったのにー」

 蘭と巴が恨めしそうにひまりとモカを見つめ、つぐみが苦笑いしていた。

 

日菜「えー!! みんなで遊んでたの!!? あたしすぐに寝ちゃった!! いいなぁ~!!」

彩「しかも一丈字くんも一緒に遊んでたんだ…」

イヴ「とっても羨ましいです…」

 

麻弥「あはははは…」

千聖「……」

 麻弥と千聖は朝まで遊んでいたせいかげっそりしていた。

 

リサ「いやー…。もうアタシはこういう企画結構かな…」

友希那・紗夜「……」

あこ「えー!! 皆でゲームしてたのー!!? いいなぁ~!!!」

燐子「…いいなぁ」

 

 と、メンバー同士で話し合っていたが、一番悲惨だったのがハロハピだった。

 

美咲「……」

 一人だけ戦ってた美咲は隅っこでいじけて、他の4人が平謝りしていた。

 

こころ「ごめん美咲」

薫「済まない事をしたね…」

はぐみ「ごめんなさーい!!」

花音「ふぇえええ…」

 

 

まりな「えーと。優勝はポピパとロゼリアね」

香澄「私も飛鳥くん達と夜遊びしたーい!!」

紗夜「戸山さん!!」

飛鳥「また次回お会いしましょう。さようなら…」

 

 

おしまい

 


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