全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

211 / 492
第467話「おでん VS コース料理!」

 

 

 一丈字飛鳥です。今日も今日とて林間学校ですが、2日目の野外炊飯が大変な事になっていました。

 

「野外炊飯は2つのコースに分ける事にします!」

 

 野外炊飯は班ごとにやるのではなく、2つのチームに分かれてやる事となった。おでんチームとコース料理チームというものだった。場所もおでんチームは外で、コース料理チームは中でやるというものだった。

 

「どうする?」

「どう考えてもコース料理だろ」

「おでんって…こんな暑い時期に食えるかっつーの!」

 

 と、大抵の生徒がコース料理の方に行った。それは一部のバンドガールも例外ではない。

そんな様子を見守っていると…。

 

「おい」

飛鳥「?」

 

 知らない人が話しかけてきた。恐らくだが1組か2組の誰かだろう。言いたい事は分かる。

 

「お前、おでんコース行け」

飛鳥「最初からそのつもりですけど…」

「どうだか。まあ、同じコースに来ないならいいや」

 

 と、男子生徒は去っていった。ちょっと反応に困るんだけど…まあいいや、さっさと申請するか。

 

こころ「どちらがいいかしら!?」

はぐみ「どっちも美味しそうだけど、はぐみおでんがいいな!」

美咲「あー…。確かに一丈字くんもこっち来そうだし」

イヴ「オデンはニッポンのアジですね!」

 

香澄「こころんたちはおでんかー」

有咲「じゃあ一丈字もおでんだな。アタシあっち行ってくるわ」

香澄「えー。じゃあ私も」

沙綾「じゃあ私も」

たえ「私も」

りみ「わ、私も…」

 

ひまり「どうしよっか。暑いのは嫌だけど…」

蘭「一丈字と一緒にいた方が安全だよ」

モカ「どっち選ぶんだろ~」

巴「ていうか皆おでん選ぼうとしてるぞ」

つぐみ「あはは…」

 

 皆おでんの方に行こうとしていて、慌てた男子生徒達が飛鳥の所にやってきた。

 

「お前やっぱりフルコースにしろ」

飛鳥「えー」

「えーじゃねぇよ。決定事項な」

飛鳥「すっごい見られてますよ」

 

 飛鳥にそう言われてヤラカシ達が後ろを見ると、香澄達がジト目で見ていた。

 

モカ「飛鳥くんが選んだほうにしま~す」

「おい、ちょっと待てよ…」

「どうしてこいつばっかり…」

有咲・美咲「実績があるから」

 

 ヤラカシの文句を有咲と美咲がバッサリ斬った。

 

美咲「ていうかさぁ…。一丈字くんに言いがかりつけないといけない理由でもあるの?」

「あるさ! 一丈字ばっかり君たちと仲良くしているだろう!? でも、これは主人公だから成り立っている事だ!」

「オレ達にもチャンスがあってもいいだろう!」

モカ「でもやってる事完全に悪役なんだよね~」

「うんうん」

 

 女子達の容赦ない一言にヤラカシ達は沈みそうになった。すると教師がやってきた。

 

「おーい! 何やってるんだ!? 早くコースを決めろ!」

飛鳥「あ、はい…」

「畜生! こうなったらオレも同じコースにしてやる!」

「独りだけ良い思いさせてたまるか!」

 

 と、2人の男子生徒が飛鳥と同じコースにしようとしたが、

 

「あっ! ずるい!!」

「オレもオレも!!」

 

 他の男子生徒達も便乗し始めたので、遂に先生はたまらず希望していない生徒のコースを決めてしまった。

 

おでん:飛鳥、こころ、有咲

コース料理:それ以外

 

 ちなみに言いがかりをつけた男子2人もコース料理だった。

 

「真面目に料理して評価を上げる!」

「だから…変な扱い方しないでね?」

(もう…勝手にすればいい…)

 

***

 

 そんなこんなで野外炊飯開始。おでんチームは食材の買い出しに出かけていた。

 

こころ「とっても楽しみね!」

飛鳥「そうですね…」

美咲「こころ。今回はハロハピでやる訳じゃないから皆の言う事聞きな」

こころ「分かったわ!」

飛鳥「…そうですね。人の話をよく聞きましょうか」

 

 買い出しが終わり、いよいよ実習。

 

飛鳥「さて、あまり肩に力を入れる必要はありませんが、包丁や火を取り扱う時はふざけたり、他の事を考えながらやっていると大怪我につながります」

「はーい!」

飛鳥「あと、皆から笑顔が消えます」

「怖い事言わないで!!?」

美咲「あ、これはこころ用だから大丈夫」

こころ「お団子をこねればいいのよね? だから大丈夫よ!」

 

 ちなみにこころはもう火と包丁を扱わせると危ないと判断され、団子をこねる役を任された。

 

美咲「それもそうだし、ウロウロしないように」

こころ「大丈夫よ。さっき飛鳥にも言われたわ!」

 

 学園屈指の自由人であるこころがどこまで言いつけを守れるか不安だったが、調理は始まった。

 

 飛鳥がこころが退屈してウロウロしないように先に団子の原料を作ったが、かなり手際が良くて他の生徒が見ていた。

 

美咲「…一丈字くん。本当に上手よね」

飛鳥「恐縮です」

 

 その頃、コース料理コースはというと…。

 

「フルコースを頂いて貰うために、皆さんには野菜を切って貰います」

 

 と、黙々と野菜を切らされる参加者たち。勿論エプロンとバンダナをして衛生面は大丈夫なようにしている。

 

有咲(アタシの知ってる野外炊飯と違う)

 

 だが、この野菜を切るという単調な作業は多感な生徒達には退屈で、他の生徒に押し付ける者まで現れた。

 

ひまり(どうしてあっちじゃないのぉー!!!?)

蘭(本気で一丈字に勝つ気あんのかよ…!)

 

「コラァ! お前ら人にやらせるな!!」

「このままだとまた一丈字が美味しい思いするぞ!?」

 

 別のヤラカシが真面目にやるように催促したが、下心と見返りが丸見えで、更に呆れさせていた。

 

はぐみ「はぐみだけ仲間外れ…」

イヴ「私もです…」

 

 こころとはぐみがおでんコースに行ったのに、ハロハピだけ仲間外れにされて落ち込むはぐみ。そしてイヴはそんな彼女を励まそうとしていた。

 

******

 

 しばらく時間が経った後、

 

こころ「お団子いっぱいできたわ!」

飛鳥「お疲れ様です。こちらも他の具材の準備が完了しましたので、煮えにくいものから投入していきます」

「はーい」

 

 そう言って飛鳥は材料を次々と投入していく。

 

飛鳥「45分ほどで出来上がりますので、それまでゆっくりしててください」

「ほ、本当にありがとね一丈字くん…」

飛鳥「いえいえ」

「マジで一丈字くんがいてくれて良かった…」

 

 あまりにも感謝されるので飛鳥は困惑していると、美咲が飛鳥に近づいた。

 

美咲「ごめんね…。前にクラスの調理実習でカレーを作ったんだけど、こころが食材を自分の好きなタイミングで鍋に入れて…」

飛鳥「そ、そういう事だったんですか…」

 

 美咲の苦悶した表情を見て相当苦労したんだなと飛鳥は思ったが、こころは頭の上に「?」マークを浮かべていた。

 

***************

 

 そして完成の時。コース料理を選択した生徒たちは食事にありついたのだが…。

 

「ついでにテーブルマナーも覚えて貰います!!」

「一番きついのキター!!!!」

 

 コース料理にはかかせない『テーブルマナー』も覚えさせられる事となった。

 

「美味い…料理は凄く美味いんだけど…」

「テーブルマナーマジで余計」

「近くには香澄ちゃん達もいるのに…」

「何でこういう時の先生が妙に怖い先生なんだよ…」

 

 講師や担当教師が強面だったり、ふてぶてしかったりでどうもバカ騒ぎ出来る雰囲気ではない。

 

「絶対グループとかで仲間外れにされてそう…」

先生「それは偏見というものだよ」

 

 一方香澄達はというと、男子からのセクハラがなくて安心したが、それでもテーブルマナーをしっかり守らないといけなかった為、食べづらかったというのはあった。

 

香澄「飛鳥くん達がどうなってるかは気になるよね」

有咲「それはそうだな…」

 

 香澄と有咲がそう話していると、

 

「あ、おでんチームと通信が取れますので少々お待ちください」

「!?」

 

 そしておでんチームと中継がつながったが、丁度食べようとしていた所だった。

 

飛鳥『さあ、そろそろ頃合いですよ』

 

 飛鳥、こころ、美咲が並んでいたが、外で調理していた関係ですっかり汗だくになっていた。そして飛鳥がふたを開けると、とてもいい香りを漂わせながら、グツグツ煮えたおでんが姿を現した。

 

 そしてそれを全員分につぎわけた。

 

「いただきまーす」

 

 と、皆でそれぞれの具を食べると、飛鳥以外が目を光らせた。

 

「うっま~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!!!!!」

 

 そう叫んで、飛鳥はきょとんとしていた。

 

こころ「とっても美味しいわ!!」

「こんな美味いおでん初めて食った!」

「やっぱり自分で作るのって美味いんだなー…」

「いや、こういう場所で作るから美味いんだよきっと!」

 

 と、皆おでんにご満悦だった。

 

美咲「美味い…」

 

 そんな中、美咲は目に涙を浮かべながら大根をかみしめていた。自由奔放なこころがいる中でこんなに美味いおでんが食べれるなんて思ってもいなかったのだろう。

 

 飛鳥としては少々オーバーすぎると思っていたが、結果的に皆喜んでくれたからいいかと思っていた。実はおでんのだしにちょっと秘密があるのは内緒だ。

 

「飲みだい!!!」

「ダメに決まってんだろ!!」

 

 酒好きの女性教諭が泣きじゃくったが、同僚にダメだと言われた。

 

「…確かに酒に間違いなく合うだろうが」

「ううう…。予想以上に美味いおでんだというのに、お酒が飲めないなんて…」

 

 女性教諭の言葉を飛鳥はわざと聞き流した。

 

こころ「飛鳥! とっても美味しいわ!」

飛鳥「あ、それは何よりです…」

「食材は皆で切ったからアレだけど、やっぱり最後に一丈字くんが出汁を作ってくれたのと、具材を入れるタイミングを知ってたって言うのがでかいよね」

「ホントホント。いつも家でやってるの?」

飛鳥「最近はしてないですね…」

 

 と、和気藹々としていた。

 

「やっぱり一丈字か…!」

「でも、あのおでん美味そう…」

「ていうか何よりも…」

「楽しそう…!」

 

 おでんチームの楽しそうな雰囲気に羨ましくなるヤラカシ達であった。

 

 

 

おしまい

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。