第4話「一丈字飛鳥 VS 悪徳オリ主 リターンズ」
チート無双とハーレム。通称「チーレム」を手に入れる為に、「BanG!Dream」の世界に転生してきたオリ主こと檻主太郎。
神様に顔をイケメンにして貰う事、チートできる事、ハーレムをつけて貰う事をせがんで、意気揚々と「BanG!Dream」の世界にやって来た。
だが、神様は嫌がらせとしてハーレムだけは与えなかった。
その結果、オリ主はとてつもない屈辱を感じていた。
というのも…。
「一丈字くん。此間はありがとう」
「あ、はい…」
「とっても助かりました~」
一丈字飛鳥がPastel*Palettesの丸山彩とハロー、ハッピーワールド!の松原花音からお礼を言われていた。
檻主はそれが面白くなかったのだ。なぜこうなるんだ。ああやって可愛い女子からチヤホヤされるのはあいつじゃなくて、自分の筈だ。こんなの間違っている。間違っているなら正さなければならない。
飛鳥「お二人ともご無事で何よりです」
飛鳥が苦笑いしながら花音と彩に話した。
彩「いや、もう本当に一丈字くんがいて助かったよ!」
花音「とても怖くて…」
飛鳥の言葉に彩と花音が涙ながらに語っていた。というのも、彩と花音はファーストフード店でアルバイトをしていたのだが、その帰りに4人組の男に襲われそうになった所を、偶然に通りかかった飛鳥が救出したのだ。飛鳥としては花音たちがいるファーストフード店はトラブルが多いと聞いていた為、花音と彩を見たときに状況をすぐに理解した。
ちなみに檻主にはこういうヒロイン達とのトラブルは一切なく、あったとしても男やブスばかりである。美少女と美人以外は基本的に無視するため、檻主は学校中から嫌われている。ちなみに虐めを使用をしようものなら、これでもかという程叩き潰そうとするが、たまに飛鳥を巻き込んで、懲らしめられている。
何故退学にならないかというと、これもまた神様からの嫌がらせで、『自分が手に入れる筈だったハーレムは別の人間が手に入れる事になり、負け犬の人生を一生送り続ける』という制裁を受けていたのだ。
それだけ彼は神に嫌われ、傲慢で性欲があったのだ。
そして彩と花音にチヤホヤされている飛鳥に対して憎悪の念を抱き、ついに我慢できなくなった。
「おい一丈字!!!」
「!!?」
檻主が鼻息を荒くして飛鳥に近づくと、飛鳥が彩に合図を送って花音を避難させるように指示を出した。
飛鳥「何か御用でしょうか」
「ちょっとこっち来い!!」
と、檻主が飛鳥を連れていこうとしたが、飛鳥は一歩も動かなかった。
「おい! 歩けや!!」
飛鳥「あ、丸山先輩。松原先輩を連れて早く逃げてください」
彩「でも!!」
飛鳥「早く!!」
すると彩が花音の手を引っ張って逃げていった。
「てめぇ!! まるでオレが暴漢みたいじゃねーか!!!」
飛鳥「すみませんね。ちょっと彼女たちピリピリしてるんですよ。そっとして貰えませんかね」
「オレに指図するなぁ!!」
と、檻主が飛鳥に攻撃を仕掛けようとしたが、飛鳥が攻撃を受け止めた。
「!!」
飛鳥「お前の攻撃は見切った。感情任せの拳は効かないよ」
「うるせぇうるせぇ!! てめぇのようなザコが気安く喋るな!!!」
檻主は逆上した。そう、檻主はオリ主主義で自分はこの世界の主人公であり、周りにいる学校の生徒も彩たちも自分達の言う事を聞く奴隷でしかないのだ。だが、この一丈字飛鳥というイレギュラーが原因で、自分の野望が悉くうまくいかない。神様につけて貰った自慢のチートも飛鳥の前では何故か全く通用しない。檻主のいら立ちが募るだけだった。
「こらー!! 何やってるんだ!!」
と、男性教諭がやって来た。
檻主「先生!! 一丈字が暴れてたんですよ!! そして僕が止めようとしたんです!!」
すると周りの生徒達が騒いだ。
「嘘つけー!!!」
「よくそんな嘘が言えたわね!!」
「恥ずかしくないのかー!!」
と、叫んだ。
先生「お前が一丈字に突っかかってる所を見たぞ!」
檻主「だから誤解なんですってば!!」
先生「五回も六回もあるか!! さっさと来い!!」
檻主「チッ!! どいつもこいつもどうしてオレを信じない!!」
先生「その口の利き方は何だ!!」
檻主「うるせぇええ!!!」
と、檻主が先生を突きとばそうとすると、飛鳥が受け止めた。
「!!」
そして飛鳥が背負い投げをして、身柄を取り押さえた。
檻主「は、離せぇ!!!」
飛鳥「大人しくしててもらうよ」
檻主(何でこいつにはオレのチート能力が効かないんだ!!? もしかしてこいつも…!!)
そして飛鳥は何とか檻主を先生達に引き渡す事が出来たが、ぐったりしていた。
飛鳥(疲れた…)
飛鳥は檻主のヒステリックぶりに困惑していた。
飛鳥(噂にゃ聞いてたけど、ありゃあ本物だぜ…)
飛鳥が一息ついていると、
「おーい!! 飛鳥くーん!!」
飛鳥「?」
飛鳥が振り向くと、Roseliaの今井リサがやって来た。
飛鳥「今井先輩」
リサ「そういや聞いたけど、彩と花音を今日も助けたんだって?」
飛鳥「違いますよ。丸山先輩が松原先輩を助けたんですよ」
リサ「でも彩が飛鳥くんが逃がしてくれたって…」
飛鳥「私は逃がしただけですよ」
飛鳥が腕を組んで言い放つと、
リサ「いや、それを助けたって言うんだよ…」
飛鳥「ダメか…」
飛鳥はぼそっと呟いた。
飛鳥「もしかして丸山先輩と松原先輩、何かありました?」
リサ「ううん。でね、今度改めてお礼がしたいって」
飛鳥「あ、それでしたらお願いしたい事があるので、丸山先輩たちにお願いしに行きます」リサ「何? お金貸してほしいとかは無しよ?」
飛鳥「いや、貸すとは言わずくれって言いますよ。そこは」
飛鳥の言葉にリサが困惑した。
リサ「あのね。そうやっても好感度は下がらないわよ」
飛鳥「それでは質問します。今井先輩が私の立場だったらどうしますか? お礼を受け取りますか?」
リサ「…受け取れないかな」
リサが視線をそらして苦笑いした。
飛鳥「そういう事ですよ。お礼しますって言って、あっさり承諾したら…」
リサ「ちょっと厚かましいかもね…」
飛鳥「そういう事です」
リサ「じゃあ今度セッティングするから話し合おうよ」
飛鳥「セッティング?」
リサ「明日の昼空いてる?」
飛鳥「特にありませんけど…」
リサ「それじゃ彩と花音呼ぶから」
飛鳥「あ、はい。分かりました…」
断っても多分逃がしてはくれないだろうと悟った飛鳥は、ちゃんと話し合いをして解決しようと考えた。
次の日
彩「今度お礼にハンバーガーご馳走してあげるね!!」
花音「そ、それで良いですか…?」
飛鳥「あ、いえ、お気遣いなく…」
と、食堂で飛鳥が彩たちと談笑していて、それを檻主が陰から羨ましがっていた。
おしまい