あの世
「あなたは死ん…」
「死んだって事はアレだろ!? 転生できるんだろ!!? だったらオレを「BanG Dream!」の世界に連れてってくれ!!」
一人のある男が死んだが、とてもがめつく、男の目の前に現れた女神は呆れていた。
女神「あの、まだ何も言って…」
男「オレをイケメンにしろ! 女子にとってもモテるくらいの! それから最強にしろ! 誰にも負けないくらい! それから金持ちにしろ!!」
と、どこまで欲張りなのだろうこの男は。昨今のライトノベルは転生チートものが多く、死ねば最強になって女にモテて、バラ色の人生を過ごせると信じてやまなかったこの男は、わざわざ自分から命を絶ったのだ。こんなの絶対にありえないので、皆は命を絶つ事はしないように。
女神「欲張りですねぇ」
男「早くしろ!! そのためにオレは死んだんだぞ!!」
女神「言っておきますが、自ら命を絶った人にそんな権限は…」
男「ふざけるなぁ!! だったら元の世界に戻せぇ!!」
そう叫んで、男はみっともなく暴れ出したが、女神はある事を想いついた。
女神「あ、でも一つだけ方法がありますよ」
男「な、なんだ!!? 何でも言え!! 教えろぉ!!」
女神が微笑んだ。
女神「あなたをバンドリの世界に連れていく方法はあります」
男「だったら早くしろぉ!!」
女神「だけど条件が…」
男「さっさと言え!!」
女神「無理やり押し込むので少々不具合が発生する場合がございます」
男「いいから早くしろ!!」
女神「はいはーい」
と、女神は男を「バンドリ」の世界に送り込んだ。
女神「…あー気色悪。ついに自殺者まで出たよ。どんだけ楽して女にモテたいんだか」
女神は苦虫を噛むような顔で頭をかいた。
女神「まあ、羅城丸様の所に送り込んだから大丈夫よね。楽して女にモテようとするなんて甘い甘い!」
と、女神はどこかに去っていった。
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ここはバンドリ学園。花咲川女子高校と羽丘女子高校が統合し、男女共学になった学校である。
(これが女神の言っていた不具合か…。まあ、この方が香澄たちを攻略しやすい)
と、男はぶっさいくな笑みを浮かべていた。彼は檻主次郎として転生した。成績優秀、スポーツ万能、おまけに金持ちで女子にモテモテというリクエスト通りの生活を送って、完全に有頂天になっていた。
(完璧だ…!! 中学まではまさに完璧だ!! この調子で高校もハーレムを作るぞ!!)
ちなみに小学校や中学まではハーレムを作っていたが、完全にやりたい放題で少女たちに点数をつけたりしたり、付き合っては振るという、傍若無人の振る舞いをしていた。まあ、この天下ももうすぐで終わるわけだが…。
そしてバンドリ学園に転入し、1組に入った。そこにはPoppin’party、Pastel*Palettesの若宮イヴ、ハロー、ハッピーワールドの弦巻こころ、北沢はぐみ、奥沢美咲の3人がいた。
次郎(うっひょお!! 美少女だらけじゃねぇか!! でも男はいらねぇな…。排除しとくんだったぜ。ま、付き合ってる奴がいたら寝取ってやるけどな!!)
この男としては、女子は完全に自分の所有物だと思っているらしく、自分以外の男が彼女を作ることなど許さないという、まさに屑中の屑だった。
そして次郎はにこやかに挨拶した。今の自分はイケメンで女性が弱いとされている笑顔、通称ニコポ。これで堕ちない女はいないと思われたが、反応はいたって普通だった。
次郎(な、ななな…!!)
次郎にとっては何が起きているか分からなかった。彼のビジョンでは、ここで自己紹介をした後、女子達からキャーキャー言われるものだと思っていた(ちなみに男子は絶望するか、羨望するかである)。
だが、現実はどちらもない。女子達は普通によろしくーというだけであり、男子に至っても普通である。これは次郎にとってはありえない事だった。
次郎(そ、そんな馬鹿な!! これも不具合だと言うのか!! だとしたら全然話が違うじゃないか!!!)
次郎は動揺の色を隠せなかった。
「お前の席はあそこだ。さっさと座れ」
「!」
と、通された席は女子とは遠い席である。あからさまに女子から遠ざけようとしているのが見え見えだ。だが、ここで駄々をこねれば、好感度を下げてしまう可能性がある為、次郎は甘んじる事にした。
次郎(どうなってんだ…何がどうなってんだよ!!)
と、次郎が心の中で憤慨していた。
こうして、次郎の学校生活は始まったわけだが、結果は散々だった。
成績優秀、スポーツ万能はそのままだったが、女子にモテなくなったのだ。だが、自分から女子に声をかける事はプライドが許さなかった為、話しかける事もしなかった。
その結果…。
「飛鳥さん。昨日はありがとうございました」
「いえいえ」
「助かったよ」
別のクラスの男子生徒である一丈字飛鳥が、バンドガールズと仲良くなっていたのだ。今はハロー、ハッピーワールドの松原花音と瀬田薫の二人と話をしていた。
次郎(な、何であいつ花音や薫と仲良くなってんだよ!! ここはオレのハーレムだろうが!!)
と、次郎が陰から憤慨し、表情を歪ませていた。
一丈字飛鳥、次郎の跡に転校してきた少年で、3組に転校してきた。次郎はまったく気にかけなかったが、普段から清く正しく生きていて、日頃から努力していた為、香澄たちが気にかけるようになった(というよりかは、香澄やこころに一方的に目をつけられて、それがバンドガールズ中に広まったのだった)。
薫「本当に君は…なんて儚いんだ…」
飛鳥「…かおちゃん先輩」
薫「やめて。本当にそれだけはやめて/////」
しかも先輩相手に冗談も言える中になっていた。薫は特に怒る事もなく顔を真っ赤にして、花音は楽しそうに笑っていた。
「あー! 飛鳥くんだぁ!」
と、Pastel*Palettesの氷川日菜を中心に上級生組がやってきた。
飛鳥「あ、皆さんお揃いで…」
日菜「何話してたのー?」
薫「こ、この二人と儚い話を…」
千聖「かおちゃんのお話ならもっとあるわよ」
薫「ち、ちーちゃん!!/////」
そのまま2年生全員が飛鳥を囲んでいた。
次郎(何でだよおおおおおおおおおお!!! 何でオレじゃなくてあいつがハーレム作ってんだよぉ!! そこはオレの場所だぞぉ!!)
さて、何が起きているのでしょう?
女神「ああ。女にモテるっていう機能はつけなかったのよ。イケメンと頭脳体力はチートにしてあげたけど、今までのままだと女に確実に嫌われるようにしたの。最近の男は根性ないわよね。顔が良ければいいって訳じゃないのにサ」
ちなみに女神の旦那は不細工というよりデブだが、明るくて頼れるため、逆プロポーズしたという。
女神「まあ、精々女というものを知りなさい♪」
おしまい