オレの名は檻主。漫画やアニメが趣味の陰キャだ。オレには悩みがある…。
「一丈字さん。ここはこうなんですよ…」
「すみません。ありがとうございます」
「とっても、ブシドーです!!」
「いや、武士道とは関係ない気が…」
悩みが…ある…。
飛鳥「それにしてもすみません大和先輩。お忙しい中、ご教授頂いて」
麻弥「いえいえ! ジブン達こそ、一丈字さん達に助けられてますから!」
イヴ「そうですよ!」
悩みが…。
イヴ「あ、そうです! 今度パスパレの皆でお出かけするんですけど、アスカさんもどうですか!?」
飛鳥「ファンの人たちに怒られるので、お気持ちだけ受け取っておきます」
麻弥「お気持ちは分かりますが、そこまで気を遣わなくても大丈夫っすよ? ましてジブンは…」
飛鳥「いや、そんな事ないので自信持ってくださいよ」
麻弥「…あ、ありがとうございます…/////」
……。
飛鳥「若宮さんもそう思いますよね?」
イヴ「そうですよ! あ、ち、ちなみに私は…/////」
飛鳥「若宮さんも同じです。自信持ってください」
イヴ「は、はい!!」
うわああああああああああああああああああああ!!! 何でだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! ここはオレの所に美少女が寄って来るだろうがぁ!! 何で他の奴がハーレム作ってんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
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…悪徳オリ主の語りはここまでにして、状況を説明しよう。悪徳オリ主は色々汚い真似をして「BanG Dream!」の世界に転生したわけだが、女にだけはモテず、一番やりたかったハーレムは別の男に取られていたのだ。
そしてハーレムを作っている男の名前は一丈字飛鳥。檻主のような悪徳オリ主を懲らしめる為に派遣されていたのだが、彼はまだ生きている為ずっとその世界にいる訳にはいかず、神様の手によってコピーが作られたのだ…。
で、そんな飛鳥は何をしていたかというと、調べものをしており、どうしても分からなかった為、その手に詳しい麻弥に相談したのだった。麻弥と一緒にいたイヴも興味津々でついていき、今に至る。
オリ主に関しては転生チートを与えられている為、人に聞く必要なんてない。ましてや自分は完璧だと思い込んでいる為、人に聞くなんてありえない事だと思っている。おまけに女を完全に下に見ている為、女に聞くなど彼にとってはありえない事なのだ。
以前、香澄たちに分からない事があったら教えてやると上から目線で言い放ったことがあったが、その態度が癇に障ったのか、相手にされる事はなかった。それに対して飛鳥は相手の努力の有無によって態度は変えるものの、面倒を見てくれる為、彼の方が人気だった。
おまけに彼自身が分からない事があると、会話も弾むのも理由の一つだ。
要は人が寄るかは教える人間の『人柄』なのだ。どんなに仕事が出来る人間でも、貶したり、卑下にする人間は相手にされないのだ。
だが、今のオリ主にとってはそんな事はどうでもよく、女に囲まれて、女に上からモノを教えて、女にちやほやされて、優越感に浸りたいのだ。完全に下心丸出しで、女に嫌われる典型的なパターンである。
…まあ、もう差は歴然なのだが。
「……!!」
麻弥とイヴに囲まれて勉強をしている飛鳥がとにかく面白くない檻主。いちゃもんをつけようとしたその時だった。
「あー! 飛鳥くんだぁ!」
日菜、彩、千聖がやってきて、Pastel*Palletes全員が揃った。周りにいる生徒達も驚いている。
飛鳥「氷川先輩」
日菜「日菜!」
飛鳥「…日菜先輩」
日菜が憤慨すると、飛鳥が困惑した。
彩「こんな所でなにやってるの?」
飛鳥「実は…」
飛鳥が事情を説明した。
飛鳥「…という訳で、大和先輩にご教授頂いてた所です」
日菜「へー…」
彩「い、一丈字くんって結構真面目なんだね…」
飛鳥「いえいえ」
飛鳥が苦笑いした。
千聖「それはいい事だけど、女子に勉強を教えて貰うのって抵抗とかないの?」
麻弥「ち、千聖さん!」
飛鳥「ありませんよ」
「!!?」
皆が飛鳥を見た。
飛鳥「人に教えてもらうのに性別も年齢も関係ありませんから。そんな事言ったら私も、先輩方に教える事もございますし」
飛鳥の言葉に千聖が目を閉じて笑みを浮かべた。
千聖「流石ね。それでこそ私が見込んだだけあるわ」
飛鳥「見込んだって…」
千聖の言葉に飛鳥が困惑した。
千聖「で、分かりそうなの?」
飛鳥「あ、はい。大和先輩が丁寧に教えてくださったのでバッチリです」
麻弥「も、もー。褒め過ぎっすよ/////」
飛鳥の言葉に麻弥が照れると、彩たちがヤキモチを焼いた。
日菜「あ、あたしだって飛鳥くんに勉強教えられるよ!?」
飛鳥「そうなんですか?」
日菜「他に分からない所とかある?」
と、日菜がずいっと飛鳥に近づいた。
飛鳥「今はございませんので、またの機会にお願いします」
日菜「ホント?」
日菜がジト目で見つめた。
千聖「それならちょっとお願いがあるんだけど」
飛鳥「何でしょうか?」
千聖「今度パスパレで勉強会やるんだけど、あなたも来なさい」
千聖の言葉に皆が驚いた。
檻主(パ、パスパレと勉強会だとぉおおおおおおおおおお!!!?)
これは檻主だけではなく、ファンの男子生徒達も衝撃を受けた。
飛鳥「他に誰が来られるんですか?」
千聖「あなたと私達だけよ。他に誰がいるの?」
飛鳥「いや、クラスの皆さんとかにお願いされないんですか?」
千聖「興味ないわ」
飛鳥「興味ないって…」
千聖の言葉に飛鳥が口元を引きつらせた。
檻主「ふ、ふざけるなぁあああああああああああああああああ!!!」
と、檻主が吠えて立ち上がった。その怒鳴り声にイヴが怯えて飛鳥の後ろに隠れた。
飛鳥「檻主さん」
千聖「またあなたなの?」
檻主の登場に千聖と日菜が機嫌を悪くした。彩と麻弥は困った顔をしている。
檻主「一丈字! どんな汚い手を使ってパスパレを洗脳したんだ!!」
飛鳥「洗脳って…」
千聖「洗脳? 随分失礼な事を言うのね」
「!!」
千聖「まあ、仮に洗脳されてたとしても、あなたの相手をするよりかはずっとマシだわ」
檻主「なっ!!」
千聖の言葉に檻主が反応した。
日菜「あたし達には関わらないでって前にも言ったよね? 相変わらずるんってしないし…。寧ろイラっとするよ」
檻主「な、何でだ!! 何でだああああああああああああああ!!!」
と、檻主が暴れたが、
千聖「行きましょ。あんなの相手にしてたらキリがないわ」
飛鳥「えっ…」
檻主「ま、待て!!」
千聖が飛鳥を連れていこうとすると、檻主が追いかけてきたので、飛鳥がやむを得ず、金縛りを使った。本当なら手刀を使って気絶させることも出来たが、それだと目立ってしまうので、行わなかった。
檻主「ま、待てぇ!! 待てや卑怯者ぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」
と、檻主が叫んだが飛鳥とパスパレはそのまま去ってしまい、騒ぎを聞きつけた教師たちによって、取り押さえられた。
飛鳥(…やっぱり下心持ってると碌な事が無いな)
おしまい