ある日のバンドリ学園。
「女の子同士が抱き合って泣くのって、良いよな」
と、ファンの男子生徒Aが喋った。男子Bと男子Cが困惑する。
B「え、何だよいきなり」
A「萌え。あ、ちなみに可愛い女子に限る」
C「だ、だろうな…」
A「出来ればあと、その女子達が喧嘩をしてて、びしっと解決出来たらカッコよくね?」
B「ま、まあな…」
と、そういう話をしているのを飛鳥、モカ、こころの3人が聞いていた。
飛鳥「……」
モカ「いかにも女をモノとして扱ってるのがよく分かるね~」
こころ「でもけんかを止めれる事はいい事だと思うわ!」
モカ「いやいや。あの人たちの場合、可愛い女の子しか止めないよ~。これで普通に男子同士の喧嘩も止めれたら考えるんだけどな~」
飛鳥(…あ、耳がダンボになった)
モカの発言に男子たちの耳がダンボのようにでかくなった。
ちなみに現在放課後であり、飛鳥はモカ、こころと共に下校しようとしていた。
そして弦巻家の車に乗せられた…。
モカ「やっぱりこころちゃんちってお金持ちだね~」
こころ「これくらい普通よ?」
飛鳥「いや、普通ではない」
と、相変わらず内装が豪華な弦巻家の車を見て飛鳥は困惑した。
モカ「…さて、本題に入ろうか~」
飛鳥、こころ、モカの3人が向き合った。
モカ「改めて、飛鳥くんの正体を知っている子で集まっては見たけど、特に話す事ないね~」
飛鳥「そうだね。絶対に巻き込んだりはしないから」
飛鳥が笑顔でそう言った。
こころ「でも何かあったらすぐに相談して欲しいわ!」
飛鳥「うん。人命救助が先だから弦巻家の方々の協力があると有難いね。というか寧ろ、弦巻家の力で事足りると思う」
モカ「それもそうだね~」
と、そのまま談笑した。
飛鳥「そういやさっきの話じゃないけど、モカとこころってグループ内で喧嘩とかすんの?」
モカ「そりゃあするよ~。蘭やトモちんなんかしょっちゅう喧嘩してるよー。此間なんかモカちゃん、とばっちり喰らってまいったよー」
モカが困った顔をした。
モカ「ほら、トモちんってまがった事が嫌いで男みたいでしょ? で、蘭は不器用で捻くれてる所あるからー」
飛鳥「あー。確かにぶつかる要素あるね」
こころ「でも二人ともいい個性だと思うわ!」
飛鳥「まあ、それで喧嘩になっちゃ元も子もないけど…」
モカ「でもまあ、喧嘩した後で二人とも冷静になって仲直り~」
モカの言葉に飛鳥が苦笑いした。
飛鳥「ハッピーワールドは?」
こころ「あたし達は特に喧嘩はしないわ!」
モカ「でもたまに美咲ちん怒らせてるよねー」
こころ「そ、そうね…」
こころが困った顔をした。
モカ「いやー。比較的平和だねー」
飛鳥「…他のグループは?」
モカ「あー…。Roseliaはしょっちゅう喧嘩するかなー。プロ意識高いからー」
モカが困惑した。
モカ「此間白金さんが「皆が他の人の音を聞かない」って言って切れてたしねー」
こころ「意外だわ」
飛鳥「何となく想像できる…」
飛鳥が困惑した。
飛鳥「まあ、そりゃあ喧嘩もするよね。一緒にいたら」
モカ「うちなんか蘭が意地っ張りだからねー」
こころ「仲良くできるのが一番いいわ!」
モカ「そうなんだけどねー」
と、そのままお茶を続けた。
飛鳥「…で、このままお茶を続けても大丈夫なのかな?」
モカ「いいんじゃなーい。今回は事情を知っている人間同士で、ゆっくりしようよー」
飛鳥「そ、そう…」
モカ「そういやもう52回目だねー」
飛鳥「お陰様で」
モカ「沢山女の子たちを侍らせてきた感想はどう?」
飛鳥「それよりも、この現状をどう思う? 当事者として」
飛鳥の言葉にモカは考えた。
モカ「まあ、そりゃあいつもと違う蘭たちを見れて楽しいけど、自分がその立場になるとやっぱり色々複雑だよねー」
飛鳥「そうだよね」
こころ「皆も恋をするとあんな感じになるのかしら」
モカ「こころちゃんもだよ」
モカがこころに話しかけた。
モカ「まあ、やっぱりこれからもトラブルは起きるんだよね」
飛鳥「うーん…まあね…」
こころ「平和なのに越したことはないわ!」
飛鳥「そりゃそうだ。今みたいにのんびりしたまま終わって欲しいかな」
と、車はずっと走っていた。
飛鳥「ところでバンドやってるけど、部活やバイトもしてるんだよね。忙しくない?」
モカ「忙しいけどね~」
こころ「一生懸命働いたり、部活動に参加する事はいい事だと思うわよ!」
モカ「飛鳥くんは部活入らないの~?」
飛鳥「入らないね。いつまでもここにいる訳じゃないから…」
と、しんみりとした。
モカ「でもこの学校から出ていったら、このシリーズ終わっちゃうし、エンドレスだから部活やバイトをする機会あるかもよ~」
飛鳥「そりゃああるでしょうね」
モカ「でも普段はどうしてるの?」
飛鳥「賞レースに出て、体が鈍らないようにしてますね」
こころ「此間は飛行機のレースに出場したのよね!」
こころの言葉にモカが驚いた。
モカ「改めて飛鳥くんが異世界の人間だという事が分かった」
飛鳥「そ、そう…。でも君達も似たようなものだと思うよ」
モカ「どういう意味?」
飛鳥「そりゃあ言うまでもない。Afterglowはバンドリ学園で有名だし、学校の外にも知られている。十分異世界の人間だと思いませんか?」
飛鳥がモカを見つめる。
モカ「そうだね」
飛鳥「いや、認めるんかい」
と、飛鳥が困惑するとモカとこころが笑った。
モカ「飛鳥くんおもしろ~い」
こころ「こうやってお話しすると楽しいわね!!」
と、ずっと車の中でお喋りをしていたという。
飛鳥(本当に平和な回だった…)
こころ「またお話ししましょうね!」
飛鳥「うん」
おしまい