全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第160話「悪徳オリ主2nd完結」

 

 

「く、くそぉ…!! こんなはずじゃ…こんなはずじゃなかった…!!」

「……」

 

 バンドリ学園。飛鳥の目の前で、一人の男子生徒が崩れ落ちた。飛鳥は冷徹な表情で男子生徒を見つめていた。

 

「オレは完璧なんだ…!! オレが…間違えるわけがない…!!」

 

 この男は異世界からやってきた転生者であるが、顔しか取り柄のなかった。今まで神様からもらったチート能力を貰って、色んな世界で好き勝手やっていたが、あまりのクズっぷりに神様からも見限られて、顔以外のチート能力を取り上げられてしまった。

 

 そして、飛鳥こと一丈字飛鳥は、元々生きている人間であるが、特殊な能力を持っている為、神様から直接この世界に連れられて、この男子生徒のような悪徳転生者を懲らしめるバイトをしていたのだった。

 

飛鳥「お前の負けだ」

「オ、オレは負けてねぇ!!」

飛鳥「…まあいいさ。もう何も出来やしないんだから」

「う、うるせぇ!! うるせぇうるせぇ!!」

 

 と、男子生徒…もとい悪徳転生者は首を横に振って逆切れした。

 

「お前さえいなければ!! お前さえいなければバンドリキャラのハーレムを作れたのに!!」

飛鳥「いやー、それはどうかな…」

 飛鳥は視線を逸らした。悪徳転生者・檻主次郎はバンドリの世界に入って、早速ハーレムを作ろうとしたが、悉くうまくいかなかった。

 

こころ「あなた誰?」

 

 こころには毎回名前を忘れられ。

 

薫「はっはっは!! 随分面白い子犬くんだ。けど私はそういう趣味はなくてねぇ」

 

 薫には冗談だとしか思われず。

 

はぐみ「えー。何か偉そう…」

 

 はぐみには嫌がられ。

 

花音「ふぇええええ…」

 

 花音には危ない奴と避けられ。

 

美咲「あーうん。そうだね…」

 

 美咲には全く相手にされなかった。

 

 今までは何もしなくてもヒロイン達が自分に近づいて、ハーレムを築き上げる事が出来ていた。しかし、これは神様が持っていた特典…すなわちチート能力があったから出来た事であり、現実はまあ…女の子が自分の事を好きになってくれる事なんてよほどの事がない限りありませんよね。

 

 ましてや、檻主が思い描いているハーレム物語なんて、いかにも「なろう系主人公」だったり、「キモヲタが思い描いた理想の自分」だの「いかにもキモヲタが考えそうな物語」だの、散々な言われようである。

 

よほど女性に縁がないのか、前世で嫌われていたのか…。まあ、顔がキモいという理由だったら、それは女性側に完全に非がある訳ではない。男性だってそう。まあ、早い話が男だろうが女だろうが、顔で判断する奴は痛い目に遭うので、そこは心配する必要はなく、それ以外の事で頑張ればいいのだ。

 

ましてや自分の事を「不細工」と言っている本当に不細工な男がいるが、仕事が出来て、思いやりがあればたとえ彼女が出来たり結婚する事が出来なくても、それなりに頼りにされるため、充実した生活を送る事が出来る。

 

ただ、檻主みたいに何の努力もせず、ただ楽して女にモテたい。人の上に立ちたいというのであれば、それは無理な話。この話を読んでいるあなたはどうでしょうか。こんな男の事を好きになりますか? 少なくとも不細工でDV気質のある男なんて、よっぽどのドMでなければお断りの案件です。

 

しかもこの檻主と来たら、自分が辛い目にあっていたら誰かが慰めてくれたり、同情されたりすると思っているだろう。実際今までの異世界での生活は甘えに甘えた生活を送っていた為、それは仕方のない事だがこの世界、そしてこれからの生活は違う。どんなにつらい目にあって、泣きわめいても自分の事は自分で何とかしないといけません。

 

相手だって相手の生活とかもありますし忙しいです。ましてやこんなクズ男の為に割く時間などある訳がございません。っていうか、あっても嫌です。本当に檻主の事を考えてくれる友達なら、やってくれるでしょうが、普通は縁を切ります。だって巻き込まれたくないですもの。

 

そして檻主の悪い所は、そうやって慰めたりしてくれる相手を選んでしまうという事。美少女以外の慰めや同情は突っぱねる。どうしようもない奴です。下心がこれでもかという程丸出し。こんなの相手も疲れますよね。

 

そして今の状況は飛鳥と檻主の2人だけ。檻主を慰めてくれる人は誰もいません。ましてやいたとしても、皆飛鳥に同情するでしょう。理由は簡単。ダメ男だって分かっているダメ男に不要不急の言いがかりをつけられて、お疲れ様としか言いようがないのだから。

 

原作組である香澄達はバンドの他にも部活をしたりアルバイトをしたりで、本来だったら滅茶苦茶忙しく、こんな男の相手をしてる暇などないのだ。学校でならまだあるだろうが、それでもライブの打ち合わせだったり、学生の性分である勉強があったりする。恋をして、恋人を作る事は悪い事ではないが、少なくともこんな奴の為に時間を取ろうとはみじんも思わないだろう。私も嫌です。

 

こんなはずじゃなかったと檻主はわめいているがそりゃそうだ。檻主は元々この世界にはいない筈の存在。無理やりねじ込もうとするというのが無理な話。原作に影響が出るし、その原作はまだまだ続いていて、これからも成長している。本当に彼女たちの事を考えているのであれば、身を引いてほしいものだ。

 

だが、美少女達にちやほやされる事と、ハーレムを築き上げる事しか考えていない上に、プライドがエベレスト並みに高い低能猿にそんな発想はない。ましてや、様々な異世界での生活ですっかり変な自信がついてしまったので猶更だ、成長しないというのではなく、出来ないと言ってあげた方が良いのでしょう。

 

 そんな事も分からなくなってしまった檻主はただ泣きわめくしかなかった。

 

飛鳥「オレはもう行く。残りの人生、今までひどい目に遭わせた人達に懺悔でもしながら生きるがいい」

「ま、待てぇ!! 逃げるな!! オレの日常を返せ!!」

飛鳥「逃げるなはこっちの台詞だよ」

 飛鳥が檻主の方を振り向くと、飛鳥の背後から羅城丸が現れた。

 

羅城丸「お前はもう終わりじゃ。無間地獄(※永遠に自分がモテる事がない人生をループする地獄)を生きるがよい」

 

 羅城丸がそう言うと、そのまま姿を消して飛鳥は背を向けて去っていった。檻主はそこで崩れ落ちてまた泣き喚いた。

 

 そして中庭まで行くと…。

 

「あっ、飛鳥―!!!」

飛鳥「?」

 飛鳥が後ろを振り向くと、そこにはハロハピのメンバーがいた。

 

こころ「お散歩? それだったらあたしもいいかしら!」

はぐみ「はぐみもはぐみもー!!」

 と、こころとはぐみが両隣を歩いた。

 

薫「ああ…こんな所で君と会えるなんて何て儚いんだ…」

飛鳥「相変わらずお元気ですね。かおちゃ」

薫「ゴ、ゴホン!!! あー、アレだ。今日は天気も良い。ティータイムとしゃれこもうではないか」

美咲「午後の授業もありますよ」

花音「ほ、放課後行こう? ね?」

はぐみ「さんせー!!」

 

 そのままハロハピのメンバーと話をしながらその場を後にした。

 

 

羅城丸『一丈字飛鳥の戦いはまだまだ続く』

飛鳥『…もう160話も来たよ』

こころ『飛鳥。そのおじいさんは誰かしら?』

飛鳥・羅城丸「!!!?」

 

 

おしまい

 

 

 

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