オレの名前はタカシ。どこにでもいる陰キャだ。だが、オレには5人の美人で美少女な幼馴染がいる。
そんなオレと幼馴染は今日林間学校がある。
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1年生たちが正門の前に集まって、バスに乗り込もうとした。
タカシ「楽しみだな。林間学校」
と、タカシが馴れ馴れしく蘭たちに話しかけるが、いずれも嫌そうにして、モカが飛鳥に話しかけた。
モカ「飛鳥く~ん。楽しみだね~」
飛鳥「え? あ、はい…」
モカが飛鳥に話しかけていたのでタカシが苛立っていた。
タカシ「モカ? 人が話してるのにその態度は無いんじゃないかなぁ?」
モカ「だってあなたとお話ししたくないんだも~ん」
「!!?」
すると、他の4人も飛鳥の方に移動した。ちなみにつぐみは蘭に引っ張られた。
タカシ「なっ…!!」
蘭「もう幼馴染だったって事は忘れて。お願いだから」
巴「そうそう」
ひまり「そろそろそういう所直した方が良いよ…」
そう言うと、2組の女子も冷ややかな目でタカシを見た。
タカシ「な、何でだよ!! オレは幼馴染として話しかけてるだけなのに!!」
蘭「今まで自分がやった事考えてよ!」
タカシが地団駄を踏むと蘭が叫び、険悪なムードになった。
「そこ! 何をしてるんだ! さっさと並べ!」
と、先生の言葉でクラスごとに並んだが、蘭たちはうんざりしていた。飛鳥は何も言わず自分のクラスに戻った。
そしてクラスごとにバスに乗り込んだが、タカシとAfterglowがいる2組のバスはギスギスしていて、会話が全くなかった。
「くそっ、めんどくさい事しやがって…」
「皆あんたのせいだからね」
と、タカシはクラスメイト達から責められた。
タカシ(くそっ!! 何でオレが責められるんだよ…!!)
その頃3組はというと…。
飛鳥「あ、こちらが頼まれていたアップルパイです」
「おおーっ!!」
と、飛鳥がクラスメイトにアップルパイを振る舞っていた。そして男子生徒がアップルパイを食べる。
飛鳥「どうですか?」
すると男子生徒が涙を流した。
「これだ…。死んだ母ちゃんがよく作ってくれた味…」
飛鳥「やっぱりシナモンを入れてなかったんですね」
事の顛末はこうである。クラスメイトの1人・富山(とみやま)が死んだ母が作ってくれたアップルパイが食べたくなり、レシピを参考にして、アップルパイを作ってみたが、どうしても同じ味にならずに悩んでいた。そんな中飛鳥が相談されて、どんな味だったかを聞くと、甘さ控えめだったという言葉を聞き、シナモンを入れていないアップルパイを作ったのだった。
富山「だけどどうして分かったの?」
飛鳥「中学の時に住んでた家のお隣さんがパン屋さんで、その店長からアップルパイはシナモンを入れるお店と入れないお店があるっていうのを聞いたことがあって、おそらく富山さんのお母様は、入れてなかったんじゃないかなって」
富山「そ、そうなんだ…」
飛鳥「まあ、元々シナモンが入ってるのが主流だそうなので、料理のレシピやお店は主流に乗っ取ったんだと思います。それに、元々アメリカのデザートとして食べられてましたし」
富山「そっか…。ありがとう一丈字くん」
飛鳥「いえいえ。解決できて良かったですね」
と、飛鳥が苦笑いした。
「何かいい匂い…」
「何やってんの?」
男子生徒達が寄ってきた。
飛鳥「あ、ごめんなさい。朝ごはんです」
「アップルパイ!!?」
「いや、富山食ってんじゃん!!」
「オレにもくれよ!!」
飛鳥「あ、一切れだけ…一切れだけ残してください!」
「うん、残すよ」
「流石に申し訳ないわ」
と、一切れだけを残して男子生徒達が食べた。
「うっま!!」
「これマジで一丈字が作ったのか!!?」
飛鳥「残念ながら」
「いや、自信持って!!」
男子生徒達が興奮していると、前で座っていた女子生徒達も反応した。
「え!? なに!? どうしたの!?」
「すっごくいい匂いだったけど…」
「アップルパイって言ってたよね!?」
と、アップルパイで盛り上がった。
暫くして、モカから電話が来た。
飛鳥「あ、すみません。失礼します」
飛鳥が電話に出た。
飛鳥「もしもし…」
「あ、もしもし飛鳥く~ん。モカだよ~」
飛鳥「…どうされました?」
出発する前の殺伐とした空気を感じていた飛鳥は、何故モカが電話をかけていたのか察した。
モカ「もうね~。2組のバスが殺伐としてるの~」
飛鳥「でしょうね…。ちなみにスピーカーモードとかにしてませんよね?」
モカ「してる~」
飛鳥「ちょ、何してくれてるんですか!!」
飛鳥が突っ込んだ。
飛鳥「殺伐としていて、よく通話できましたね!! 切っていいですか!!?」
モカ「ダメ~。モカとお話しようよ~」
飛鳥「…美竹さん達とお話すればいいじゃないですか。もしかして席別々なんですか?」
モカ「ううん。一番後ろの5人席取ってる~」
飛鳥「ますます通話してくる意味が分かりません…」
飛鳥が額を押さえた。
モカ「それはそうとそっちはどんな感じ~? 何か騒がしいけど~」
飛鳥「いやー。皆さんそれぞれ青春しています」
蘭「いや、それこそ意味わかんないよ…」
と、蘭が突っ込んできた。
モカ「さては絶対面白い事あったでしょ~」
飛鳥「いやー。そんな事は…」
「一丈字がアップルパイ作ってくれた!」
「とっても美味かった!!」
飛鳥「大崎さん、牛田さん。そういう事言わなくて良いですから」
と、男子2人に言われて飛鳥が困惑した。
モカ「アップルパイ!!?」
モカが反応した。モカは無類のパン好きであるが、正直アップルパイはパンに入るのか入らないのか微妙な感じである。
飛鳥「パイ生地で作ったものが洋生菓子、パン生地で作ったものはパンに入るって聞いた事はありますけどね…」
と、飛鳥が突っ込むと。
モカ「え~!! 何で作ったの!?」
飛鳥「それがですね…」
飛鳥が事情を説明した。
モカ「えー。いいないいなー。今度モカちゃんにも作って~」
飛鳥「え、私ので宜しいんですか?」
その時だった。
タカシ「アップルパイだったらオレが作るからお前は何もしなくて良」
モカ「お願いね~。必要なら材料費払うから~」
タカシ「おーい!!! 無視するなー!!!」
ちなみにタカシはトラブルを起こしたので先生の横に座らされている。本当は蘭たちと割と近い席だったのだが…。
ひまり「うう…私も食べたいけど体重が…」
巴「運動しろよ」
ひまり「ねえ一丈字くん。ダイエットに効くパンってないかな…?」
飛鳥「えーと…よく噛んでください」
と、ひまりの回答に困る飛鳥だった。
そしてバスはこのまま目的地へと向かう…。
つづく