全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第66話「千聖とデート?」

 

 

『もしも千聖からデートに誘われたら』

 

 ある日のことだった。飛鳥が教室の自席でぼーっとしていると…。

 

「一丈字くん」

 

 Pastel*Palettesのベース担当である白鷺千聖がやって来た。千聖の登場にクラスメイト達は勿論、廊下にいた男子生徒達は驚いていた。

 

飛鳥「あれ? 白鷺先輩…」

 飛鳥も千聖の姿を見て驚き、席から立ち上がった。

 

飛鳥「どうされました?」

千聖「今日の放課後暇?」

飛鳥「あ、ごめんなさい。学校終わったらすぐに郵便局に行かないと行けなくて…」

千聖「それってすぐに終わる用事?」

飛鳥「一時間はかかりますね」

千聖「郵便局で一体何するつもりなのかしら?」

飛鳥「親に荷物送るんですけど、ちょっと手続きが必要でして…」

 

 飛鳥が苦笑いした。

 

千聖「それなら仕方ないわね」

飛鳥「申し訳ありません…」

千聖「それなら明日はどうかしら?」

飛鳥「空いてますけど…どうされたんですか?」

千聖「ちょっと買い物に付き合って欲しいんだけど」

 千聖の言葉に皆が驚いた。

 

飛鳥「私ですか?」

千聖「あなた以外に誰がいるのよ」

飛鳥「Pastel*Palettesの皆さん」

千聖「そうね…。だけど、ちょっと男性の意見も聞きたいのよ」

飛鳥「それでしたら私以外にも適任者が沢山いる筈では…」

「そうだよ!! 僕達がいるじゃないか!!」

 

 と、ファン軍団が現れた。

 

飛鳥「何かご不満でも?」

千聖「最初は彼らでも良いかと考えたんだけど、やっぱりあなたにお願いしたいの。この際、一時間待ってもいいわよ?」

飛鳥「そんなにですか?」

 

 千聖の言葉に飛鳥が反応すると、ファンの男子たちが騒いだが、聞きつけた先生達に取り押さえられていた。

 

 で、結局千聖に一時間待って貰って、飛鳥は郵便の手続きを行う事にした。

 

飛鳥「お待たせしました」

千聖「…ええ」

 

 飛鳥の様子を見て千聖は困惑していた。飛鳥が郵便局員と手続きをしているのを遠くから見ていたが、高校生であそこまで出来るか? と疑問に思っていた。

 

千聖(…やっぱり、この子普通じゃないわ。高校生にしては)

飛鳥(…やっぱり気づきかけてるな。白鷺先輩も芸能人だから、ある意味似たような環境に置かれると、やっぱり影響大きいんだろうなー。何とか誤魔化そ)

 

 千聖の表情を見て、飛鳥は自分の正体がバレかけている事に気づいた飛鳥。まあ、バレたところでどうもこうもしない為、様子を見る事にした。

 

 そんなこんなで千聖の用事に付き合う事になった飛鳥。タクシーで移動していた。

 

飛鳥「タクシー何て豪勢ですね」

千聖「仕方ないわよ。この時間帯、電車やバスなんかに乗ったら混乱するわよ」

飛鳥「ですよね」

 千聖は飛鳥を見た。

 

千聖(…私が芸能人でも慣れたようにしてるわね)

飛鳥(芸能人が相手ってどのように接するのが正解なのかな…)

 

 こういう場合、2パターンに分かれる。1つ目は普通に芸能人だのアイドルなど、特別な目で見るか、2つ目は漫画の主人公みたいに馴れ馴れしくするか。だが、飛鳥の場合は芸能人だと特別な目で見ていても、実際は普通の先輩や同級生のように接する。

 

千聖(不思議な子。今までこんな男の子なんかいなかったわ)

 

 千聖が飛鳥をじっと見つめていた。千聖の周りには自分と同じ男の子役や、俳優もいたが、飛鳥のような人間はいなかった。

 

 そして目的地に到着して、飛鳥と千聖はタクシーから降りて、そこからちょっと歩いた。

 

飛鳥「どちらへ行かれるんですか?」

千聖「あそこのカフェよ?」

 飛鳥と千聖がカフェの方に向かって歩いていたが、カップルがいっぱいいた。

 

飛鳥「…見事にカップルが多いですね」

千里「ええ、そうね」

 

 飛鳥が苦笑いすると、千聖はいつも通りだった。

 

飛鳥「時間大丈夫ですか?」

千聖「私は大丈夫よ。あなたは?」

飛鳥「私は大丈夫ですけど…。週刊誌とかが大丈夫じゃないですね」

千聖「気にしなくて大丈夫よ。うちの事務所、割と自由だから」

飛鳥「そういう問題じゃないでしょ」

 

 千聖の言葉に飛鳥がまた苦笑いした。

 

千聖「何かあったら、私を守ってくれるんでしょ?」

飛鳥「ええ、それはそうですけど」

 飛鳥はごく自然にそう言うと、千聖がちょっと照れた。

 

千聖「そ、そう…//」

飛鳥「何照れてるんですか」

千聖「て、照れてないわよ! とにかく行くわよ!」

飛鳥「あ、はい」

 飛鳥と千聖が一緒に並ぶことになったが、飛鳥はいたって平然としていて、千聖がちょっと複雑そうにしていた。

 

千聖「ねえ、一丈字くん」

飛鳥「何ですか?」

 飛鳥が千聖を見た。

 

千聖「…あまり自分で言いたくはないのだけど、私、女優よ?」

飛鳥「ええ、存じておりますが」

千聖「もう少し緊張とかしないのかしら?」

飛鳥「そりゃあ緊張してますよ」

千聖「全くそのようには見えないんだけど…」

飛鳥「いやあ、緊張しすぎてもう周りにいる人たちが、急に襲い掛かって来るんじゃないかって」

 飛鳥が周りを見渡すと、千聖はあっけにとられて、クスッと笑った。

 

飛鳥「何か面白い事言いました?」

千聖「いや、あなたって本当に面白いわね」

飛鳥「何故か言われるんですよねー。なんででしょう」

 

 千聖の言葉に飛鳥が不思議そうにしていた。

 

 暫くして、店内に入る事が出来た飛鳥と千聖。

 

飛鳥「やっと入る事が出来ましたね」

千聖「ええ。そうね」

 千聖が神妙な顔をした。

 

飛鳥「どうされたんです?」

千聖「ごめんなさい。実はあなたにお話があって、ここに連れてきたの」

飛鳥「話?」

 千聖が飛鳥を見つめた。

 

千聖「こころちゃんから聞いたのよ。貴方の事」

飛鳥「何をです?」

 飛鳥があっけらかんとした。

 

千聖「いい加減教えて貰えるかしら? あなたの本当の事を」

 

 と、千聖が飛鳥をじっと見つめると、飛鳥が反応した。

 

飛鳥「あー…遂にバレましたか」

 飛鳥が目を閉じた。

飛鳥「ええ。実はあなたに隠していた事があるんですよ。弦巻さんから聞いたんですね」

千聖「ええ…」

飛鳥「すみません。『ママはロボット』っていうドラマのDVDを彼女から借りてました」

千聖「…は?」

 飛鳥が頭を下げて謝ったが、自分が予想していた内容と全く違っていた為、千聖は唖然としたし、よりにもよって、自身が黒歴史としているドラマのDVDを借りていた事が分かり、唖然としていた。

 

飛鳥「白鷺先輩が黒歴史とされていたとの事ですが、どうしても気になってしまい、弦巻さんからお借りしました」

千聖「そ、そう。出来ればもう見ないで欲しいんだけど…」

飛鳥「あ、はい」

 

 千聖は冷静さを取り戻した。

 

千聖「まあいいわ。こうなったら…」

 その時だった。

 

「あー!! 千聖ちゃんだー!!!」

 と、日菜と彩がやって来た。

 

千聖「ちょ、ちょっと日菜ちゃん!!」

飛鳥「……」

 

 Pastel*Palettesのメンバーが3人いる事が分かり、店内がパニックになってしまった。

飛鳥と千聖は早々と去っていった。

 

 ちなみにどさくさに紛れて飛鳥が超能力を使って、千聖の記憶を消したため、バレる事はなかった…。

 

 

飛鳥(ありがとう。氷川先輩…)

 

 

おしまい

 

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