全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第116話「うさぎの村のおたえちゃん(中編)」

 

 前回までのあらすじ

 

 弦巻家が開発した機械で、たえの夢を見ている一同。

 

 夢の中の内容はハロハピ一味が、遊び半分で作った機械のせいでふもとに住んでたバンドリ村の住人たちがうさぎに変えられるというもので、通りかかった桃太郎一味が止めに行くというストーリーである。

 

夢たえ「はい、ワンツーワンツー!!」

夢彩「ぴょん! ぴょーん!!」

 

 夢たえが住人たちに鬼のような指導をしていた。ちなみに住人たちはAfterglow、日菜以外のパスパレ、紗夜以外のRoseliaの計13名だった。

 

夢リサ「ぴょーん!」

リサ「……!!!//////」

 

夢燐子「ぴょ、ぴょん…/////」

夢たえ「声が小さい!!」

夢燐子「ぴょん!!」

 

あこ「…りんりんやっぱりおっきいね」

燐子「い、言わないでー!!/////」

(夢よりも声が出てる…)

 

 燐子のある部分を見てあこがそういうと、燐子本人が顔を真っ赤にして叫んだ。

 

夢まりな「そんなこんなで、桃太郎一味は恐らく原因となっているであろう『ハロハピの塔』へ向かいました」

 

はぐみ「えー! はぐみ達が悪役なのー!?」

花音「し、仕方ないよ…此間はハロハピとRoseliaがしたんだから…」

 

 そして桃太郎(飛鳥)達が扉を開けると…。

 

「フフフ…。待っていたよ。子猫ちゃん達」

 

 最初に立ちはだかったのは薫だった。

 

夢香澄「え!? 薫先輩!?」

夢有咲「いや、世界観を守れって」

 

 夢香澄が本名を言った為、夢有咲に突っ込まれた。

 

夢薫「子猫ちゃん達には悪いが…ここを通すわけにはいかない。引き取りたまえ」

 と、夢薫は敵らしく追い返そうとしていた。すると夢飛鳥が前に出た。

 

夢薫「やる気かい? だけど血を流すのは私の性分ではないな」

夢飛鳥「いえ、そうではなくて、ちょっとあなたに見ていただきたいものがございまして」

 

 夢飛鳥は夢薫に近づいて、1枚の写真を見せた。すると夢薫は顔を真っ赤にした。

 

「!!?!」

「何見せたの!!?」

 

 そして夢飛鳥はスーッと逃げたが、夢薫はかなり焦っていた。

 

夢薫「その写真…どこで…!!//////」

夢飛鳥「あ、ここに来る途中に千聖さんっていう方から頂きました」

夢薫「千聖から!!?/////」

 

千聖「あ、あー…」

 千聖が反応すると、現実世界の薫もあせったような顔をして千聖を見た。

 

夢薫「も、もしかしてそれを楯にするつもりかい…?」

夢飛鳥「いえ、千聖さんから伝言を預かってまして、ここを通さないと、皆にあなたの事を「かおちゃん」って呼ばせると仰ってました」

夢薫「どうぞお通りください」

「弱っ!!」

「そんなに呼ばれるの嫌か!!!」

 

 夢薫の変わり身の早さに皆が突っ込んだ。

 

りみ・ひまり「……」

薫(終わった…)

 

 夢の中とはいえ、自身のファンに醜態をさらした事で薫は人生の終わりを感じた。

 

りみ「薫さん…」

ひまり「薫先輩…」

 

りみ・ひまり「こういう役もできるんだ!!!」

飛鳥・千聖・薫「」

 

 ポジティブな反応に飛鳥、千聖、薫の3人が困惑した。薫としては助かったのだが、不本意過ぎて素直に喜べなかった。

 

夢飛鳥「え、いいの?」

夢薫「いいんだ。よくよく考えたら子猫ちゃん達にそんな危害を加えるわけにはいかないからね」

夢飛鳥「あ、どうも」

夢薫「ちなみにその写真はこっちに渡してもらえないかな?」

夢飛鳥「あ、はい。どうぞ」

 夢飛鳥が夢薫に写真を渡した。

 

夢薫「ちなみに…」

「?」

 夢薫が夢飛鳥を見つめた。

 

夢薫「他にはもう写真渡されてないよね?」

夢飛鳥「渡されてませんよ」

夢薫「絶対渡されてるだろう!!?」

夢飛鳥「写真の他にもお話を聞きました」

夢薫「どんだけ喋ってんの!!!」

 

 夢薫がついにキャラを捨てて、素で突っ込んだ。

 

薫「……/////」

千聖「……」

 薫が千聖を睨みつけるが、千聖はわざと視線を逸らした。

 

夢薫「…と、とにかく。通っていいよ」

 と、夢薫は素で喋った。

夢飛鳥「そうですか。通らせて貰いますね」

夢有咲「何だ? さっきと随分キャラが変わったな…」

夢薫「う、うるさいなぁ!! 早く行ってよ!!」

 夢薫が叫んだ。

 

夢薫「…どうせ私なんて、いつまでも気の弱い「かおちゃん」なんだよ」

 

薫「こ、これは悪い夢のようだ。子猫ちゃん達を夢から解放させて上げないと」

千聖「落ち着きなさいよ」

薫「離してぇ!!」

 

 薫が止めようとしたが、千聖が薫を拘束した。

 

夢飛鳥「…かおちゃん?」

夢薫「小さいころは千聖からそう言われてたの。親同士が仲良かったから…。小さい頃の私は気が弱くて臆病だったんだ。だからそんな自分を変えたくて、キャラを変えてたんだ…」

 夢薫がそのまま座り込んだ。

 

夢薫「でももうそれも今日で終わり。どこへでも行ってよ。どうせあなたも私の事バカにしてるんでしょ!!」

夢飛鳥「バカにしてないよ」

夢薫「嘘だ!!」

夢飛鳥「してないよ」

 

 夢薫が振り向いて夢飛鳥を見つめたが、飛鳥の表情は真剣だった。

 

夢飛鳥「してないよ。オレも、千聖さんも」

「……!!」

 

夢飛鳥「それに、さっきのキャラが悪いとも思ってないしね」

夢薫「…嘘だ」

夢飛鳥「まあ、千聖さんに関しては、元のあなたの良い所を知っているから、無理にキャラを変える必要なんてないって言ってたけどね」

夢薫「……」

 夢薫はまた背を向けた。

 

夢薫「…それなら、あなたはどうなの?」

「!?」

 

夢飛鳥「オレ?」

夢薫「…あなたは千聖と違って、今出会ったばっかりだし。それなら、どうしてバカにしてないって言えるの?」

 

 夢薫の言葉に夢飛鳥は口をへの字にした。

 

夢飛鳥「そりゃあ確かに君とは出会ったばかりだけど、君がどういう人かは、今の君の態度や言葉で分かったよ。自分が弱い人間だって分かってる事も、自分の弱さを受け入れて、そんな自分を変えようと一生懸命もがいてる。そんな人間をバカにしたりしないよ。オレだけじゃない。ここにいる皆もそうさ」

 

 夢飛鳥の言葉に夢薫が目を開けた。

 

夢香澄「そ、そうだよ! とっても素敵な事じゃない!」

夢りみ「う、うん! さっきの薫さんはカッコいいけど、桃太郎の話を聞いてもっとカッコいいって思いました!」

夢沙綾「そうだね。とってもいい事だと思う」

夢有咲「そ、そうだな…」

 と、夢香澄たちも夢飛鳥に賛同した。

 

夢飛鳥「勿論、キャラを作ってるのが悪いとは言ってないよ」

夢薫「!」

夢飛鳥「さっき見てましたけど、気配りも出来てたし、無暗に人を傷つけようとはしなかった。そして何よりも気高い。それが、君が求めてる強さなんだろうね」

 夢飛鳥は目を閉じた。

 

夢飛鳥「要はね。あなたが人として尊敬できる人間だって言う事を、この短時間でしっかり理解できたから。これが答えだ」

夢薫「!!」

 夢飛鳥の言葉に夢薫は涙をぽろぽろ流した。

 

夢飛鳥「まあ、付け加えるなら…」

「?」

夢飛鳥「君みたいな人、オレは好きだよ」

 

 空気が止まった。

 

飛鳥「大胆だなー。夢の中のオレ…」

 飛鳥が困惑した。

 

夢薫「…ありがと/////」

 夢薫がぷいっと横を向いた。

 

夢飛鳥「結構長居したな。それじゃもう行くね。行こう」

夢香澄「うん!」

 そう言って夢飛鳥達は上の階に上っていった。

 

夢薫「……//////」

 夢薫の耳が真っ赤になっていた。

 

 そしてそれを見ていたバンドガールズの大半も真っ赤になっていた。

 

香澄「飛鳥くん…」

飛鳥「まあ、夢の中の話だからね。瀬田先輩もあまり相手にしないで…」

薫「ふふ。君も結構やるねぇ」

 と、薫がいつものよう振舞っていた。

飛鳥「……」

薫「この借りは必ず返さないといけないようだねぇ?」

千聖「気取ってないで素直に恥ずかしがったら? かおちゃん」

薫「はははは!! 全く昔のあだ名で呼ばないでくれたまえ?」

飛鳥(あ、壊れたな…)

 

 ちなみにこの後、トイレでめちゃくちゃ悶えたらしい。

 

 

つづく

 

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