第17話「飛鳥と何かがあったRoselia」
『飛鳥と何かがあったRoselia』
ある日のことだった。友希那、紗夜、リサ、燐子、あこの5人は飛鳥の家に遊びに行こうとしたが…。
「一丈字様は現在外出されております」
エントランスホールでコンシェルジュに門前払いを食らっていた。飛鳥は色々な事情でホテル暮らしをしており、飛鳥に用がある時はこのコンシェルジュを通さないといけないのだが、大体いない事が多い。
飛鳥がいないと分かった友希那達は仕方なしにホテルを出ることにした。
リサ「ホテルで暮らしたことがあるって事は聞いたことがあったけど…林グループのホテルに泊まってたんだね…」
あこ「お金持ちなんだねー…」
燐子「そ、それはそうと…。やっぱりちゃんと連絡を取ってから来たほうがよかったのでは…」
と、燐子は困った顔をして他の4人に言うと、紗夜は確かに…と言わんばかりに目を閉じた。
友希那「朝目が覚めたら私たちが眠っていたというおいしいシチュエーションを自ら捨てるなんて、流石私が見込んだだけの事はあるわ…」
友希那は飛鳥のことを恨めし気に思ったと同時に、ときめいていた。
Roselia。実力派と名高いガールズバンドとして有名だったが、それがいつの間にか一丈字飛鳥という人間に魅かれていた。
あこ「DANDAN心魅かれてくって感じだね」
リサ「ふぃ、FIELD OF VIEW…」
それからというもの、音楽一筋だったボーカルの湊友希那は完全にポンコツになってしまった。これが俗にいう「改悪」である。本当に申し訳ない。
なので、『もしもRoseliaが同じ男を好きになったら』というシチュエーションでお楽しみください。
リサ「ところで飛鳥くんどこ行ったんだろ。まだ午前7時なのに」
友希那「電話するわ」
燐子「いや、メールのほうが…」
燐子の忠告を無視して友希那は飛鳥に電話を掛けた。燐子は青ざめて、更にまずそうな顔をした。
『もしもし一丈字です』
飛鳥と電話が繋がると友希那は不満そうにした。
友希那「もしもし。あなた今どこにいるの?」
飛鳥「メカノスアイランドです」
友希那「メカノスアイランド!?」
メカノスアイランドとは、海辺にある人工島でアウトレットモール等がある。わかりやすく言えば兵庫県のポートアイランドみたいな場所である。
友希那「そこで何してるの?」
飛鳥「あ、今日ちょっとそこで買い物があるんですけど…どうされました?」
飛鳥は友希那の状況を察した。
飛鳥「まさかとは思いますけど、私の家の前に来てます?」
友希那「流石ね。大当たりよ」
飛鳥「いや、こんな時間に何されてるんですか」
確かに…と紗夜、リサ、燐子はそう思った。確かに言われてみればそりゃそうなるだろうなと思ったし、もし自分が飛鳥の立場だったら…普通に迷惑だとも思った。
友希那「それは…言わせるんじゃないわよ//////」
飛鳥「分かりました」
すると紗夜がある事に気づいた。
紗夜「ちょ、ちょっと待ってください!! メカノスアイランドにいるんですか!?」
飛鳥「ええ…。あ、日菜さんですか?」
紗夜「!!」
そう、実は日菜をはじめとする「Pastel*Pallets」がメカノスアイランドでライブをするのだ。
飛鳥「そういやダシマモールでライブやるって言ってましたね」
紗夜「ええ…。もしかしてダシマモールに行かれるのですか!?」
飛鳥「いいえ。ショッピングモールから遠く離れた場所に行くので、多分会うことはないと思います」
紗夜「…あの子の引きの良さは尋常じゃないんですよ」
紗夜の言葉に飛鳥は苦笑いした。
飛鳥「考えすぎだと思いますよ。それにライブは結構早い時間ですし、ゆっくりしゃべる時間もないと思います」
友希那「その買い物はいつ終わるのかしら?」
飛鳥「分かりません」
友希那「出来るだけパスパレに会わないようにして頂戴」
飛鳥「それは何故ですか?」
友希那「な、何故って…女の子に言わせる気?」
飛鳥「言わせるつもりはございませんが、人にお願い事をする時は、それなりの理由が必要ですよ。湊先輩ほどの人でしたら、ご理解頂いていると思いますが」
友希那「友希那」
飛鳥「?」
友希那「私のことは友希那って呼んで頂戴」
飛鳥「まだ早いですね」
飛鳥はやんわりと否定した。
飛鳥「Roseliaファンの方々から全然認めて頂いていないので」
友希那「Roselia本人が認めてるのよ」
飛鳥「そういう訳には…あ、もうそろそろ切りますね」
紗夜「もしかして日菜が近づいてきてるのですか!?」
飛鳥「全員ですね。ロケバスが何故かこっちに来てます」
友希那「早く逃げて!!」
飛鳥「あ、はい。それでは」
友希那「あ、電話は…」
飛鳥が電話を切ると、ゆきな達はシーンとした。
友希那「全くあの子は…!!」
リサ「ま、飛鳥くんらしいけどね」
リサが苦笑いするが、ゆきなが悶絶した。
友希那「そういう所が好きぃいいいいいいいいいいいいいいい」
これを見ている友希那ファンの皆さん。誠に申し訳ございません。
その頃の飛鳥
飛鳥「どうしてここが分かったんだろうな…。あ、そっか。まだ時間あるから見て回ってるんだな」
と、飛鳥は陰に隠れて瞬間移動を行ったが、すぐに千聖から電話がかかった。
千聖「あなた、今どこにいるの?」
飛鳥「あー…メカノスアイランドです」
千聖「そこから一歩も動かないでね?」
飛鳥「お気遣いな」
千聖「動かないでね?」
飛鳥「お断りします」
飛鳥が通話を切った。
千聖「あの子ったら…!!」
千聖はロケバスの中で憤慨していた。ほかのパスパレのメンバーもいた。
日菜「多分おねーちゃんが近づかないように言ったんだな…」
麻弥「それもそうですけど、やっぱりジブン達に気を遣って…」
千聖「くっ…!! 芸能人というのが不利になるなんて…!」
と、千聖が歯ぎしりした。
イヴ「寂しいデス…」
千聖「それだ」
麻弥「いや、やめたほうがいいですよ。一丈字さんそういうの鋭いですから…」
彩「やっぱりここは一番普通な私が…」
千聖「抜け駆けするなんてそれでもアイドルなの?」
彩「メンタル強くないと芸能界は生き残れないよっ!!」
…パスパレもまた、何かがあって飛鳥に心魅かれていて、Roseliaとはすっかりライバルになってしまった。ましてや日菜と紗夜は双子の姉妹なので、なんかもういろいろやばいことになっている。
そんな彼女たちの思いを知ってるのか知らないのか、この男は今日も我が道を行く。
飛鳥「こっちの意見を尊重してくれる人がいいかなぁ…」
おしまい