全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第21話「飛鳥と何かがあった日菜」

 

 ある日の事だった。

 

「ねー飛鳥くーん! いいでしょー!」

 

 バンドリ学園の食堂で、Pastel*Palettesの氷川日菜と、超能力が使えること以外はごく普通の高校生の一丈字飛鳥がいたが、日菜が飛鳥に縋りついて、駄々をこねていた。飛鳥は困惑した表情を見せていた。まるでガルパピコ第24話で今の飛鳥と同様に日菜に駄々をこねられている紗夜のように…。

 

日菜「おねーちゃんだけずるい~!! あたしともプールに行こうよねえ~!!!」

飛鳥「いや、あなたアイドルでしょう。もう少し自分の立場を考えてくださいよ…」

日菜「おねーちゃんだってアイドルみたいなもんだよ? ていうかあたしより綺麗で可愛いもん! おねーちゃんだけずるいよ~!」

 

 と、ごねられていた。実は先日Roseliaの5人とトコナッツパークに遊びに行ったのだ。あこが飛鳥と仲良くしたいというのを口実に、メンバー全員が飛鳥とお近づきになろうという普通に考えてありえない状況になっていた。

 

 そして日菜も当時から行きたがっていたが、仕事が入っていて、その仕事が全くと言っていい程つまらないものだった。

 

 で、紗夜がプールから帰ってくると口には出さないものの、所々で優越感に浸っていて、こうやってせがんでいた。まるでスネ夫が自慢して羨ましがり、ドラえもんに頼るのび太のように…。

 

 

 ちなみに男子生徒達は「それだったらオレが!」と立候補しようとしたが、日菜本人がるんっってしないからと断っていた。

 

 

 

飛鳥「…そもそも、Pastel*Palettesって5人全員でオフ揃う事ってあるんですか? バイトしてるって聞いてますけど」

日菜「うん。だからあたし一人だけだよ」

飛鳥「わあ」

 

 日菜が当然のように言い放つと、飛鳥が困惑した。

 

飛鳥「いやいや。流石にマズいでしょう」

日菜「大丈夫だよー。うちの事務所そういうの大丈夫だから」

飛鳥「ファンが大丈夫じゃないんですよ。そして私自身も…」

 

 どこまでもマイペースな日菜に飛鳥は困惑した。

 

日菜「とにかく行こーよー」

飛鳥「二人きりじゃなかったら考えますけど…」

日菜「あたしとデートするの、嫌なの?」

飛鳥「デートってカップルじゃないんですから…」

 飛鳥が困惑していると、

 

「どうしたの? こんな所で」

 千聖が現れた。

 

飛鳥「白鷺先輩」

千聖「こんな所で女の子を縋らせるなんて感心しないわね」

飛鳥「どうしてこうなってると思いますか?」

千聖「あなたがつれない事を言ったからでしょう」

日菜「そーなんだよ! あたしがプールに行こうって誘ってるのに飛鳥くんが…」

千聖「それはあなたが悪いわ」

日菜「ええっ!!」

 

 千聖の掌返しに日菜は驚きが隠せなかった。

 

飛鳥「だから言ったでしょう…。一人がスキャンダル起こすと…」

千聖「私を差し置いて何してるのかしら?」

飛鳥「あなたが何言ってるんですか」

 

 千聖の言葉に飛鳥が突っ込んだ。女優として同じPastel*Palettesのメンバーとして止めると思っていたのに、まさかの言葉がかえってきて、失望に近い感情を持っていた。

 

千聖「飛鳥くんとプールに行くのは私よ」

日菜「えーっ!! そんなのダメ!!」

飛鳥「……」

 

 千聖と日菜の言葉に飛鳥は困惑して二人を見つめた。一人の男を巡ってアイドルグループのメンバー同士が仲が悪くなんて最悪過ぎて言葉にできなかった。

 

飛鳥「そういや氷川先輩」

日菜「日菜!」

飛鳥「いつ頃行かれる予定なんですか?」

日菜「土曜日!」

千聖「ちょっと待って。私その日仕事があるのよ」

日菜「頑張って!」

千聖「頑張れじゃないわよ。頑張ろうにも頑張れないわよ。私が汗水流して仕事をしてる間、あなたは飛鳥くんとプールなんて、なんて罰ゲームよ」

日菜「早くプールに行きたいよー」

飛鳥「…そんなにプールに行きたいんですか?」

 飛鳥が困惑した。

 

日菜「うーん…別にプールじゃなくても、飛鳥くんと一緒ならいいんだ」

飛鳥「……」

日菜「でもあたしの水着。見たいでしょ?」

飛鳥「いや、別に見たいとは」

日菜「そこは空気を読むところだよ?」

飛鳥「すみません。ここで滅茶苦茶見たいです! なんて言ったらこの仕事降ろされるんで」

千聖「そうよ。その辺の男子と一緒じゃないの」

 飛鳥の言葉に千聖も便乗した。

日菜「いいもん。飛鳥くんなら」

飛鳥「心を開いてくださって何よりです」

 日菜の言葉に飛鳥は苦笑いした。

 

千聖「とにかく二人きりでプールにいくなんてダメ」

日菜「分かった。じゃあ彩ちゃんか麻弥ちゃんかイヴちゃんを誘うね!」

千聖「私一人だけ仲間外れにする気?」

日菜「じゃあ一人だけ」

千聖「仕方ないわ」

 千聖が一息ついた。

 

千聖「3人で行きましょう。日曜日なら空いてるわ」

飛鳥「あ、行くというのは変わらないんですね」

 飛鳥が困惑すると、

 

千聖「不満かしら?」

飛鳥「いえ、そんなに私とプールに行きたかったんだなーと思いまして」

千聖「……」

飛鳥「何ですか」

千聖「ちょっと自意識過剰ね」

飛鳥「ああ、そうですか…」

 

 千聖の言葉に対し、演技だと分かった飛鳥が困惑した。

 

千聖「あまり調子に乗ってはダメよ?」

飛鳥「ええ。それはもう」

日菜「千聖ちゃん。そんな意地悪ばっかり言ってると、周りの男子たちが自分にもチャンスがあるって思っちゃうよ?」

飛鳥「結構狙ってますね」

 日菜がいつも通りに注意し、飛鳥が見渡しながら喋ると、男子生徒達が獲物を狙うハンターのような目をしていた。

 

千聖「ごめんなさい。私が間違ってたわ」

飛鳥「そんなに嫌ですか…」

 千聖が即座に謝ると、飛鳥は困惑した。

 

日菜「それじゃ決まりだね! 日曜日はプール!!」

飛鳥「……」

 

 飛鳥は知っていた。朝テレビで見た天気予報で、日曜日は雨だと…。

 

 そしてどうなったかというと…。

 

飛鳥「雨だ…」

 飛鳥は家から窓の景色を見ると、天気が悪く雨が降っていた。

 

飛鳥(まあ、これで諦めるだろう…)

 そう思っていると、日菜から電話が来た。

 

飛鳥「はい、もしもし一丈字です」

日菜「あ、もしもし飛鳥くん?」

飛鳥「日菜先輩。雨降ってますけど…」

日菜「うん。だから場所変更! 水着持ってきてね!」

飛鳥「あ、はい…って、え?」

日菜「ちなみに集合場所は予定通りだよ!」

 

 結果的に遊ぶことに変わりはなかった飛鳥。どんな事が待っている事やら…。

 

 

 

つづく?

 

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