『飛鳥と何かがあったAfterglow』
私達は幼稚園の頃からの幼馴染。そう、5人はいつも一緒だった。
そう、これからもずっと…。
「…しばかれる時まで5人一緒って、やめてくださいよ」
ここはバンドリ学園の中庭。飛鳥の目の前には、5人纏めてつるされているAfterglowがいた。彼女たちは中学の時からバンドをやっていて、王道ガールズバンドとして、結構人気も高い。
だが、どういう訳か今はこんな有様。王道ガールズバンドとしての凛々しい姿は微塵もなかった。
飛鳥(原作ファンと女性読者からのバッシングすごそうだなぁ)
と、飛鳥は嘆いていた。
「あの、一丈字くん」
上原ひまりが飛鳥を見て言った。
飛鳥「何でしょう」
ひまり「私達が問題起こしといていうのもアレだけど…。もうちょっと女の子に優しくできない?」
モカ「そうだそうだー」
飛鳥「これでも凄い優しい方ですよ。本来なら即刻警察に行って貰わないといけないです。最も…」
「?」
飛鳥「親御さんを呼び出さないだけまだマシ」
「すいません。仰る通りです」
ましてや蘭に至っては、父親がバンドをやっている事を良しとしない為、知られたら即刻辞めさせられるだろう。そうなればAfterglowもおしまいである。
飛鳥「それにしても、何で人んちの前で暴れたりしたんですか」
蘭「だってひまりが…」
モカ「ひーちゃんが…」
巴「ひまりが…」
つぐみ「…ひ、ひまりちゃんが」
ひまり「ちょっと何で皆私のせいにしようとしてんのよ!! 私止めた方よ!!?」
4人がひまりのせいにしようとしていたので、ひまりが突っ込んだ。
モカ「それはそうと、どうしておうちに入れてくれないの~?」
飛鳥「昔から、こういうトラブルがよくあったんですよ。本当に残念です」
飛鳥が俯くと、Afterglowが気まずそうにした。
巴「その…何だ。迷惑かけた事に関しては済まないと思ってる」
飛鳥「妹さんいるんですから、あなたは特にしっかりしてくださいよ」
あこ「そーだよ。おねーちゃんカッコ悪い」
飛鳥「…どうしてあこさんはここにいるんですか?」
あこ「いや、おねーちゃんがつるされてるって聞いたから」
あこにも呆れられて、巴はばつが悪そうにしていた。飛鳥は苦笑いしていた。
蘭「その、一丈字…」
飛鳥「お父さんの事ですよね。それについては黙っててあげます」
「!!」
飛鳥「そんな理由でAfterglowが解散されると、こちらも都合が悪いので…」
飛鳥が視線を逸らした。
ひまり「一丈字くん…!」
モカ「分かる子だと思ったよー」
と、ひまりとモカが反応するが、
あこ「じゃないでしょ! 反省して!!」
あこが突っ込むと、Afterglowは落ち込んだ。
飛鳥「というかそもそも吊るす必要ありました?」
こころ「小説を面白くする為よ!」
飛鳥「メタ発言やめて」
飛鳥がこころを見ると、こころがにこやかに話をした。
あこ「それにしてもこころがこんな事をするなんて意外ね…」
こころ「本当にその人を考えてるなら、悪い事は悪い事だって叱ってあげないといけないわ! 飛鳥がそう教えてくれたのよ!」
こころが険しい表情をした。いつもは笑顔を絶やさなくて天真爛漫な彼女だったが、今日はいつになく真剣だった。
飛鳥「ありがとうございます。ですが、ここまでしなくても…」
こころ「そうはいかないわ!」
飛鳥「まさかとは思いますけど、このまま樹海に連れていくとか…」
「じゅ、樹海!!?」
飛鳥の言葉に蘭、巴が青ざめた。
こころ「樹海って山の中よね?」
飛鳥「そこでいわくつきの所に…」
つぐみ「いや~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」
ひまり「ごめんなさい!! 本当にごめんなさい!!!」
飛鳥の物騒な冗談にひまりとつぐみが涙目で叫んだ。
飛鳥「という事はありませんけど」
モカ「あったら大問題だよ~」
こころ「だけど、ちゃんと反省するのよ!」
アフグロ「はい…」
と、そんなこんなでAfterglowは解放されたが…。
飛鳥(オレ、完全に悪役だろうなぁー)
と、飛鳥は目を閉じて頷いた。
だが、問題はここからだった。
飛鳥「……」
飛鳥はカフェテリアでこころやあこと談笑していたが、モカ以外のAfterglowがずーっと見ていた事を。
蘭「…こころだけずるい」
ひまり「ホントだよね…」
巴「やっぱりちゃんと正々堂々と誘えばよかったんだ」
つぐみ「そ、そうだよね…。迷惑かけちゃったし…」
ちなみにモカはバイトで不在だった。
こころ「どうしたの?」
飛鳥「いえ…」
あこ「もしかしておねーちゃん達がいるの!?」
飛鳥「そうですね…」
飛鳥がある方向を見ると、こころとあこも同じ方向を見た。
あこ「もー! そういう事するからあんな事になるんでしょ!!」
こころ「もう怒ってないから、出て来なさい! 反省してくれたらいいのよ?」
と、こころはいつもの感じで話しかけて、蘭たちが近づいてきて、そのまま談笑した。
ここまでは良かったのだが…。
その夜。飛鳥は自室にいたが、モカから電話が来た。
飛鳥「もしもし…」
モカ「あ、もしもし飛鳥くん~? 昨日はごめんね~」
飛鳥「あ、うん。もういいけど…何か企んでない?」
モカ「まさか~」
モカが首を横に振った。
モカ「…ただ、一言だけ飛鳥くんに言いたい事があって」
飛鳥「なに?」
するとモカはこう言った。
モカ「モカちゃん。本気だから」
いつになく真剣な声で飛鳥にそう言って、電話を切った。
飛鳥「……」
飛鳥は窓から月を見た。
飛鳥「生きて広島に帰れるだろうか」
後日
モカ「飛鳥くーん」
飛鳥が家の前にいると、モカがいた。すると飛鳥が困惑した顔をした。
モカ「そんな顔しないでよ~。ちゃんと大人しく待ってたんだから~」
飛鳥「…そう」
モカ「じゃ、学校に行こー」
と、モカと飛鳥が学校を歩いていったが、その後ろから車が通ってきた。
「飛鳥!!」
飛鳥「こころ」
モカ「こころちゃん」
こころ「おはよう! あれ! モカも一緒だったの!?」
モカ「ああ。ちゃんと大人しく待ってたよ~」
飛鳥「コンシェルジュの人が証人になってたよ」
こころ「そうなの。あ、ここで降りるわ!」
と、こころが車から降りてきた。
飛鳥「!」
こころ「折角だから一緒に登校しましょ!」
飛鳥「あ、うん…」
モカ「おっほー。こころちゃんも意外に大胆だね~」
こころ「あたしは飛鳥が笑顔でいてくれたらそれでいいのよ?」
こころがモカを普通に見ていた。
こころ「さ! いきましょ!」
飛鳥「ちょ、こころ!」
モカ「待ってよー」
と、3人で仲良く登校したが…。
蘭「…モカの奴」
ひまり「やっぱりせこいよね…」
巴「ああ…」
つぐみ「ずるい…」
他の4人が陰から飛鳥達を見ていたのは言うまでもなかった。
おしまい