『ラブコメ的な飛鳥 × ポピパ』
それはある朝のことだった。
「おっはよー!! 飛鳥くん!!」
「……」
一丈字飛鳥がマンションから出てくると、大人気ガールズバンド「Poppin’party」のメンバー5人が待っていた。
飛鳥「あ、おはようございます…」
飛鳥は少し困惑したように挨拶をした。
飛鳥「一体どうされたんですか?」
香澄「早く飛鳥くんに会いたくなって!」
飛鳥「今午前6時なんですけどね…」
そう、今は午前6時であり、学校なんて空いてるわけがなかった。
有咲「いや、お前もお前でなんでこんな朝早く学校に登校するんだよ!」
飛鳥「なんとなく」
有咲の疑問に対し、飛鳥はあっけらかんと言い放つと、ほかのメンバーは困惑していた。
りみ「あ、ご、ごめんなさい。いきなり押しかけて…迷惑だったよね…」
飛鳥「次からはアポ取ってください」
飛鳥はきっぱりと言い放つと、りみがうつむく。
香澄「次からは気を付けるからさ…」
沙綾「全くもう…」
飛鳥「いや、山吹さん。全くもうって言ってますけど、他人事だと思わないでください」
沙綾「はい、反省してます…」
飛鳥がそういうと、沙綾もうつむいた。
飛鳥「それはそうと、こんな朝早くで歩いて大丈夫なんですか?」
たえ「大丈夫だよ。あさっぱから練習することなんてよくあるし」
飛鳥「そうなんですか…」
たえの言葉に飛鳥は苦笑いした。
香澄「それじゃ学校いこっか!!」
飛鳥の家から学校まで徒歩で5分だが、つかの間の登校を楽しんだ。
香澄「ところで飛鳥くん。一人暮らしなんだよね?」
飛鳥「ええ、まあ…」
有咲「掃除とかちゃんしてるのか?」
飛鳥「してますよ。いざっていうときはハウスクリーニングの方が掃除をしてくださいます」
飛鳥の言葉に5人が驚いた。
香澄「ハ、ハウスクリーニング…?」
飛鳥「ええ。掃除代行サービスですよ。ご存じないですか?」
有咲「い、一丈字…。お前んち、金持ちなのか?」
飛鳥「ああ。あのマンションのサービスみたいなものですよ」
たえ「いや、あのマンションも結構高いよね…」
りみ「うん…」
飛鳥「そうですかね…」
実際はというと、飛鳥の家はちょっとだけお金持ちである。母親は警察官、父親は一般会社員だが、父方の祖父が中小企業の社長で、母方の親族は警察関係が多い。
そして本人も昔から賞金の出るコンテストなどに参加しては、賞金をゲットしたりしている。
ちなみにこのマンションは飛鳥の友人の祖父が経営をしているグループが所有するマンションであり、友人ということで特別に貸してもらっている。いろいろあるのだ。
たえ「ハウスクリーニングってことは、やっぱりエッチな本とかおいてないの?」
有咲「お、おたえ!!/////」
たえの発言に皆が驚いた。
飛鳥「デリカシーって言葉を知ってます?」
たえ「まあ、そうなんだけどね…。あ、大丈夫だよ。飛鳥くんなら」
飛鳥「そ、それはどうも…」
たえの言葉に飛鳥は困惑していた。たえはつかみどころのない性格で、メンバーですら彼女の真意に気づくのに結構手間がかかっている。
香澄「え、男の子ってエッチな本を隠したりとかしないの?」
飛鳥「人によりますよ」
有咲「そんなこと言ってオマエ、隠し持ってたりしないだろうな?」
飛鳥「仮にそうだったとしても、女子の前でそういう事話すと思いますか?」
たえ「ふつうはしないね」
飛鳥「そうでしょう?」
たえ「でも、飛鳥くんならいいよ」
たえの言葉に飛鳥はさらに困惑した。
飛鳥「…もしかして、私に気が合ったりします?」
たえ「そうだよ」
衝撃の事実に飛鳥が困惑した。
有咲「お、お前なあ!! しかもおたえも何言いだしてるんだ!//////」
たえの衝撃の告白にほかの4人が困惑した。
たえ「本気だよ」
飛鳥「そ、そうですか…。ですが」
たえ「わかってるよ。いろんな人から聞いたもの。彼女を作る気はないって」
たえがそう言い放った。
たえ「でも今は諦めないから」
飛鳥「そ、そうですか…」
飛鳥の言葉に香澄が慌てた。
香澄「わ、私だって飛鳥くんのことが好きなんだから!!/////」
有咲「か、香澄!!/////」
香澄も飛鳥に告白すると、有咲が慌てた。
たえ「ハウスクリーニングなんかに頼らなくても、私が掃除しに行くのに」
飛鳥「光栄な限りですが…」
香澄「そういや、どうして誰も家に入れてくれないの?」
飛鳥「私生活とかあまり見られたくないんですよ。マンションの中にある食堂やゲストルームならいいですけど…」
「……」
飛鳥の発言に皆が驚いた。
たえ「…やっぱりお金持ちなんだね」
飛鳥「そうでしょうか」
たえ「あ、言っとくけどお金があるから好きになったんじゃないよ。一目ぼれ」
飛鳥「お、おお…」
たえが思ったほか積極的で飛鳥は驚きを隠せなかった。
香澄「わ、私はその…最初は友達だと思ってたんだけど、ずっと一緒にいてライブとかしてるうちに…/////」
飛鳥「あのー。お気持ちはうれしいのですが、道の真ん中でそういう話をするのはちょっと、マナー違反ではないでしょうか」
「!?」
6人が見渡すと、そこには朝練をしていた生徒たちが嫉妬のまなざしで飛鳥を睨みつけたり、早朝の散歩をしていたおばさんがニヤニヤしてたり、ジョギングしていた兄ちゃんが何事かと見つめていた。
有咲「な、なにしてくれてんだお前ら!! さっさと行くぞ!!」
そう言って有咲は飛鳥の手を引っ張って校舎の中に入っていった。
香澄「有咲―!!」
たえ「好きって言えばいいのに…」
****************
そんなこんなで…。
「おい、一丈字てめぇ…」
「……
飛鳥はファンの男子生徒たちに絡まれていた。
「オレたちはお前の踏み台じゃねーんだよ!!」
「いいよなお前ばっかり、可愛い女の子たちに囲まれてよ!!」
「いい加減にしろよおらぁ!!」
男子生徒たちは騒いで、飛鳥は何とも言えない顔で見つめていた。
「お前あれか…」
飛鳥「?」
「お前、ひょっとして香澄ちゃんたちとエッチしたのかぁ!!」
飛鳥「してませんし、そういう所ですよ」
「あんだとコラァ!!」
「上からモノを言いやがって!!」
とにかく暴走が止まらない男子生徒たちに飛鳥は静観した。
「オレだって香澄ちゃんをペットにして、可愛がりてぇよ! 全裸のままあの屈託のない笑みでオレに笑いかけてほしい」
「オレは有咲ちゃんを従順な女にして、あの大きな乳を好き放題したい!」
「僕はりみちゃんを脅迫して怖がらせて、言うことを聞かせて、あの華奢な体で「ワンワン」って言ってほしい!」
「オレはおたえちゃんをとにかくめちゃくちゃにしたい!! ていうかお前みたいにぐいぐいせめてきてぇ~!!!」
「オレはさーやちゃんにお姉ちゃんお姉ちゃんって甘えさせてほしい! ああ!! おねーちゃん!! おねーちゃん!!」
飛鳥(性癖が独特すぎるし、最低なこと言ってるし、わざと嫌われてるようにしか思えないんですが)
とにかく男子生徒たちが気持ち悪すぎて、飛鳥は真っ白になった。
飛鳥「もうやめさせてもらうわ!!!」
おしまい