『一人の男を取り合うPastel*Palletes』
ある日の事、飛鳥は帰ろうとしていた。
飛鳥「さて、帰るか…」
飛鳥が帰ろうとすると、日菜が現れた。
日菜「やっほー! 飛鳥くん今日暇!?」
飛鳥「ごめんなさい。予定があります」
日菜「えー!! 今日も!!?」
飛鳥「今週いっぱいはちょっと…」
日菜「じゃあ! 来週は!?」
飛鳥「来週なら時間取れると思います。多分…」
日菜が飛鳥を遊びに誘おうとしたが、予定が入っていた為断っていた。
日菜「思ったんだけど、飛鳥くん何か予定があるの? 女の子とデート?」
飛鳥「…だとしたらどうします?」
飛鳥がそう聞くと、日菜がむすっとした。
日菜「かわいい女の子ならここにいるんだけどなー」
飛鳥「あなた、アイドルでしょう…」
アイドルとしてあるまじき発言をする日菜に飛鳥だけでなく、クラスメイト達も困惑していた。前から日菜はマイペースで周りを困惑させることはあったが、今回はとびきり困惑させていた。
飛鳥「そういうわけですので、失礼します」
そう言って飛鳥が教室を去っていった。
そして飛鳥が自宅のマンションに帰ってきて、郵便受けを見ると、一枚の大きな封筒が届いていた。
飛鳥「あっ、これは…」
飛鳥が家に帰って確認すると、合格証書が届いていた。
飛鳥「よっしゃ!」
先日、飛鳥は技術系の試験を受験しており、かなり難しい試験だったが、最低ラインよりも少し余裕を持たせて合格した。
飛鳥「この調子でコンテストも優勝だ!」
そう、飛鳥は今度テクノロジーコンテストに出場する予定だったのだ。その為の練習もあり、人と遊ぶ時間もなかったのだ。また、このことを誰にも教えてなかったのだ。
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その結果…。
「一丈字くん。テクノロジーコンテスト優勝、おめでとう!」
飛鳥「ありがとうございます」
飛鳥はコンテストに優勝して、全校集会で全校生徒の前で表彰された。これには全校生徒全員が驚いた。
飛鳥(学校に報告しなきゃいけないの、すっかり忘れてたな…。まあいいや)
さて、ここからが本題である。
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日菜「飛鳥くん。優勝おめでとう」
飛鳥「ありがとうございます…」
全校集会終了後、飛鳥は日菜に呼び出された。日菜が怒っていたので、飛鳥が困惑していた。日菜だけでなく麻弥、千聖も集まっており、彩やイヴも何事かと3人に合流し、パスパレに絡まれるという、ファンにとってはうらやましい状態になっていた。
麻弥「あのテクノロジーコンテストって、上級者向けの大会っすよね!? 一丈字さん、機械に強かったんですか!?」
飛鳥「いや、音楽関係はあまり…。バリバリの工業系です」
麻弥「そ、そうなんすか…」
千聖「確かおじいさまが船を造る会社の…」
飛鳥「その関係もございますね」
飛鳥が苦笑いした。
日菜「それはそうとさ! 今日は絶対空いてるよね!?」
飛鳥「何も起こらなければ…」
日菜「それだったら今日ちょっとたくさん話しよ! めちゃくちゃるんってしてるから!」
飛鳥「事務所的は大丈夫なんですか?」
千聖「大丈夫よ。あなたのことはある程度話してあるから」
飛鳥「えっ…」
千聖の発言に飛鳥が困惑した。
「パ、パスパレにあんなに…!!」
「何の特徴もない陰キャだと思ってたのに…」
「あそこまでの実力があるならある程度認めるしか…」
「でもパスパレはアイドルだぞ!! それ以上の関係になるわけが…」
パスパレの積極的ぶりにファンの男子生徒たちは動揺して、飛鳥はさらに困り果てた。
千聖「ほっときなさい。大した努力もしないでやっかんでたのが悪いのよ」
飛鳥「えぇぇぇ…」
千聖は本当にシビアだったため、飛鳥は何も言えずにいた。
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そして放課後、飛鳥はワゴン車に乗せられた。
飛鳥「なんか思ってたのと違うのですが」
飛鳥は最後列に座らされ、麻弥と日菜の間に挟まれていた。隣に座れなかったイヴ・彩・千聖は不満そうにしていた。
日菜「まあ、それよりもそのコンテストのことについて聞きたいな!」
麻弥「それから試験のことも!」
飛鳥「あ、はい…。実は…」
飛鳥がコンテストに出場する経緯と、試験を受験した経緯について説明した。
麻弥「す、凄いですね…」
飛鳥「やらないと腕も鈍りますしね」
日菜「おねーちゃんみたい…」
飛鳥「そうですか…」
と、ある程度話が終わった。
千聖「それはそうとあなた、いろいろ大変じゃない? 男子たちにウザ絡みもされるし…」
飛鳥「もう慣れましたよ」
千聖の言葉に飛鳥は苦笑いした。
千聖「だけど心配だわ。あなたの事観察してたけど、本当に無理をするし…」
飛鳥「人生そんなもんですよ」
千聖「…あなた、年いくつ?」
日菜「おじさんみたーい」
飛鳥「否定はしませんよ」
日菜の言葉に飛鳥は苦笑いした。
飛鳥「それはそうと、あなた方程ではございません。いつも芸能活動お疲れ様です」
麻弥「いやいや! 一丈字さんこそ…」
その時だった。
日菜「えーいっ!」
日菜が飛鳥を抱き寄せた。
麻弥「ひ、日菜さんっ!!?/////」
千聖「ちょ、ちょっと何やってるの!!?/////」
飛鳥「私を消そうとしてますね…」
日菜「違うよー。疲れてるから、ご褒美を上げようと思って!」
飛鳥「あげる相手間違ってませんか?」
日菜の言葉に飛鳥は困惑していた。
彩「日菜ちゃん!!/////」
イヴ「ダ、ダイタンです!!/////」
日菜「どう飛鳥くん。気持ちいい?」
飛鳥「気持ちいいって何がですか…?」
日菜「なにってあたしの…おっ・ぱい♡」
飛鳥「ごめんなさい。何やらなんか背筋が凍ってきました…」
日菜「なんで!!?」
飛鳥の言葉に日菜が驚いた。
飛鳥「なんか怨念みたいなのが…」
イヴ「オ、オンネン!!?」
飛鳥「日菜先輩のファンから…」
麻弥「…日菜さん。離してあげてください」
パスパレとの談笑はまだまだ続くのだった。
飛鳥「…で、このバスはいったいどこに向かってるんですか? 事務所ですか?」
千聖「いえ? 私たちこれから仕事があるんだけど、あなたも来て頂戴」
飛鳥「なんですかそのホラー映画みたいな展開」
千聖「どうせ暇でしょ?」
飛鳥「暇ですけど」
千聖「で、それが終わったらあなたの合格祝いをしようと考えてるの」
飛鳥「いや、そこまでしていただかなくても…」
千聖「安心して。お金は事務所が出すから」
飛鳥「…なんか嬉しそうですね」
千聖「ええ、そうね。思いっきり使ってやるわ」
飛鳥「…いやあ、本当にお疲れ様です」
と、そのままバスは次の現場へと駆け抜けていきましたとさ。めでたしめでたし。
おしまい