それはある日の事だった。
飛鳥「うわー…。やまぶきベーカリーが今日も大盛況だわ」
飛鳥が商店街を歩いていると、やまぶきベーカリーが長蛇の列になってなっていた。
「うぅ…。チョココロネぇ…」
飛鳥の横には牛込りみがいたが、チョココロネが買えなくなり、涙目になっていた。
飛鳥「…牛込さん」
りみ「あっ、一丈字くん。こんにちは」
飛鳥「こんにちは。大盛況ですね。やまぶきベーカリー…」
りみ「うん…。でもチョココロネが買えなくなっちゃって…」
飛鳥「ああ…」
こんだけ客が来るなら、そうなってもおかしくはないと飛鳥は困惑した。
りみ「学校に行くときはさーやちゃんが持ってきてくれるんだけど…」
飛鳥「まあ、他にも食べたい人がいると思いますし、欲しいなら並ぶしかありませんけどね…」
だが、どう考えてもチョココロネが残ってるわけがなかったが、
「おい、チョココロネだけは残しとけよ!」
「分かってる!」
その時だった。
「あ、りみちゃん!!」
しらないおっさんが話しかけてくると、飛鳥とりみは警戒した。
りみ「え、えっと…」
「ライブ見てたよ! これ、差し入れ!」
りみ「あ、ありがとうございます…」
「ああああああああああああああああああああああ!!!」
おっさんからチョココロネを貰ったが、素直に喜べないりみだった。そして並んでた男たちが発狂していた。
飛鳥(今回も大変な一日になりそうだな…)
飛鳥が静かに首を横に振った。
「ところで…君は誰?」
おっさんが飛鳥に話しかけた。
飛鳥「私は偶然出会った同級生ですよ」
「そうか…。くれぐれもりみちゃんに変な事するなよ」
飛鳥(初対面なのに失礼だなー)
おっさんの横柄な態度に飛鳥は呆れながらも、何とか笑って過ごすことにした。
飛鳥「まあ、私はこれで失礼しますよ」
りみ「あ、待って一丈字くん」
飛鳥「?」
りみが声をかけてきたので、飛鳥が困惑した。
りみ「せ、せっかくだからもう少しお話しませんか!?」
りみの言葉に飛鳥も男たちも驚いた。
飛鳥「そうですね。場所を変えてお話ししましょうか」
りみ「は、はい!」
そう言ってこっそり超能力を使って、男たちを興奮させないようにその場から離れたが、この時沙綾が店の中から飛鳥とりみを見ていたのは言うまでもなく、目を大きく見開いていた。
純「ねーちゃん! 手が止まってる!!」
沙綾「あ、ゴ、ゴメン!!」
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りみ「ご、ごめんね一丈字くん…」
飛鳥「牛込さんが謝る必要はございませんよ。謝ってほしいのはあのおっさんです」
飛鳥が思った他容赦なかったので、りみは困惑した。
飛鳥「羽沢珈琲店にでも行きます?」
りみ「えっと…」
羽沢珈琲店には恋敵の一人でもある羽沢つぐみがいるので、極力行きたくなかったりみだったが…。
羽沢珈琲店も長蛇の列が並んでいた。
飛鳥「看板娘の影響って大きいですね」
りみ「…SNSでも取り上げられてたからね」
飛鳥「他行きましょうか」
そう言って飛鳥とりみが背を向けて離れようとしたその時、店からつぐみとイヴが出てきた。すると2人の後姿を見て目を大きく見開いていた。
イヴ「あ、あれはアスカさんとリミさん…!!?」
つぐみ「うそ…」
完全に付き合ってると勘違いした2人は真っ白になっていた。
「うおおおおお!! イヴちゃんだ!!」
「本当にここでバイトしてたのか!!」
「つぐみちゃんもいるぞぉ!!?」
ファンたちが騒ぎ立てたが、その喧噪すらも聞こえていなかった。
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北沢精肉店にも来てみたが、案の定長蛇の列になっており、はぐみとその父親が接客に追われていた。飛鳥とりみが変な気を遣わせないようにその場を去ろうとしたが、はぐみが2人に気づいて叫んだが、飛鳥とりみは完全に逃亡していた。
はぐみ「飛鳥くんとりみりん、付き合ってたんだ…。そんなぁ…」
有咲の家の近くまで通ったが、そこにもファンがいて…。
「やっぱり有咲ちゃんは可愛い!!」
「有咲ちんマジ可愛い!!」
「可愛い!! 有咲可愛い!!」
「KAWAII!!」
有咲「可愛いって言うなぁ~!!!!!///////」
有咲の叫びが聞こえた飛鳥とりみはそのまま何も言わずに通り過ぎた。
有咲「クソ―!! 覚えてろー!!!」
モカとリサのバイト先であるコンビニでも大量の男性客が押しかけてきた。むさぐるしい。
リサ「ひぃいいいい――!!!!」
モカ「…あっ、飛鳥くんとりみりん」
リサ「えっ!!?」
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そして極めつけは彩・花音・巴・ひまりのバイト先のファーストフード店まで来ていたが、4人が同じ日に重なり…。考えられないほどの行列が出来ていた。
花音「ふぇええええ~~~~~!!!!!」
花音が客を誘導していたが、あまりの客の多さに絶望していた。
飛鳥・りみ「……」
飛鳥とりみはその光景を見て絶句していた。
巴「花音先輩! お客様はあとどれくらい…うおおおおおおお!!!」
ひまり「なんでこんなに多いのおおおおおおおおおおお!!?」
巴、ひまり、彩が様子を見に来たが、自分たちの予想を軽く超えていて、発狂していた。
彩「と、とにかく頑張ろう…って、あれ?」
花音「どうしたの?」
彩「…あそこにいるの、一丈字くんとりみちゃんじゃない?」
「!!?」
4人が飛鳥とりみに気づくと、飛鳥とりみも4人に気づいて、そそくさと去っていった。
巴「い、一丈字とりみ…」
ひまり「もしかしてあの2人付き合ってたの…?」
彩「そ、そんな…」
花音「ふぇええ…」
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飛鳥「はー…。なんか大盛況ですね」
りみ「そ、そうだね…」
結局近くの公園で話をしていた。
飛鳥「皆さんのバンドがそれぞれ有名になった証拠ですね」
りみ「それは嬉しいけど…」
りみは別の心配をしていた。
りみ(どうしよう…。学校行くのがとっても怖い…)
半ば抜け駆けみたいになってしまった上に、とても忙しい状況の中完全に見せつける形となってしまい、それぞれの勤務先が今どんな状況なのか、考えたくなかったりみであった。
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で、後日こうなりました。
りみ「あ、あの…おはようございま…」
りみが1組の教室にやってくると、
沙綾「おはようりみ。チョココロネあるよ?」
有咲「おはよう」
沙綾と有咲が挨拶してきたが、やたらニコニコしていてりみは青ざめた。
はぐみ「りみりん! 飛鳥くんと付き合ってるの!?」
りみ「う、ううん!!? 全然付き合ってないよ!? 偶然一緒になっただけで…」
沙綾「大丈夫だよりみ。私たちはちゃんと分かってるから。でもね…」
沙綾が黒い笑みを浮かべた。
沙綾「死に物狂いで働いてる中、あの光景を見るのはきつかったなぁ」
有咲「まあ、全部一丈字が悪いんだけどな」
飛鳥の好感度が下がって、男子生徒たちは『ビッグチャーンス!!!』と心の中で思っていた。
イヴ「本当にお付き合いしてないんですね!?」
りみ「そ、そうだよぉ…」
有咲「さて、それが分かった所で、この騒動を引き起こした張本人を…」
「有咲ちゃん! 僕も手伝うよ!」
「オレも!!」
「わしも!!」
「あちきも!!」
飛鳥を失脚できるチャンスが出来て、男子生徒たちは躍起になっていたが、有咲たちは冷めた目で見ていた。
ちなみに飛鳥はというと…。
飛鳥「そんなに言うなら分かりました」
蘭以外のAfterglowに問い詰められていたが、飛鳥はいたって冷静だった。
飛鳥「今後はもう牛込さんとだけ遊ぶようにします」
つぐみ「えっ…」
巴「いや、アタシ達は別に怒ってるわけじゃ…」
ひまり「ごめん。言い方が悪かった。他の女の子と遊ぶなとは言わないから」
思った他毅然な態度を取って、逆につぐみ達を困らせていた。
飛鳥「美竹さんも心配しますし」
モカ「じゃあ、今度あたしとデートして?」
「!?」
飛鳥「デートって恋人同士がやるものでしょう」
モカ「じゃあ一緒に出掛けて? モカちゃんは寛容だから~」
ちなみにこの話のモカも飛鳥が能力者だという事を知っている。
巴「ちょ、ずるいぞモカ!!」
ひまり「私達を出汁にしないで!!」
つぐみ「み、皆でいこ?」
とまあ、こんな感じであしらったというが、りみは頬を膨らませていた。
男子生徒(けどこれで一丈字の好感度は下がった!! ザマーミロ!!)
と、男子生徒たちは思っていたが、数日後一夫多妻制になって余計にややこしい事になったという。
おしまい