全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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 それはある日の事だった。

飛鳥「……」

 飛鳥はひまり、巴、彩、花音のバイト先の近くまで通りかかったが、相変わらず人が多かった。

飛鳥「儲かって店は万々歳なんだろうけどなぁ…」

 普段の学校の男子生徒たちの様子を見るあたり、きっと苦労はしているんだと飛鳥は感じていた。超能力で中の様子を探っていたが…。

「彩ちゃんだせ!!」
「ですから、うちはそういう商売をしていなくて…」

 迷惑客が彩を出せとレジの店員にイチャモンをつけていた。

飛鳥(ありゃあちょっとまずいぞ…)

 止めた方が良いと考えた飛鳥は超能力を使って、誰にも気づかれないように店の中に潜伏した。

「とにかく彩ちゃん来るまで動かねーからな!」
「おい! 邪魔なんだよ! 注文しねーならさっさとどけや!」
「うるせぇ! どうせお前も彩ちゃん目当てのくせに偉そうな口きいてんじゃねーよ!!」
「なに~!!?」

 と、客同士が喧嘩を始めたその時、飛鳥が超能力を使って喧嘩をしていた男性客を外へ誘導した。

「つ、次のお客様…?」

 店員は何が起きたか理解できていない状態だったが、後ろがつっかえているので、後の客の接客をすることにした。

飛鳥「はー…。あのハンバーガーショップだけファンが滅茶苦茶多いなぁ…」

 飛鳥は頭をかきながら、河川敷で夕陽を見つめていた。

飛鳥「これじゃ広島に帰れるのは当分先だな…」

 という訳で、今回は『もしも飛鳥がこんな状態のハンバーガーショップで働いている4人に好意を持たれたら』をお送りします。

飛鳥「え、今回そういう始まり方!?」

**************************


第320話「飛鳥と何かがあったハンバーガーショップ組」

 

 

 そんなこんなである日の事だった。

 

飛鳥(事情知ってるから気まずくて仕方ない…)

 

 飛鳥はとにかく彩、巴、ひまり、花音を避けることにした。理由は簡単だ。とにかく事情を知っているからである。

 

 今は昼休憩で飛鳥は本当に人気のない場所で食事をしていた。

 

飛鳥(少なくとも丸山先輩はアイドルだしなぁ…。でもまあ、少なくとも仕事はちゃんとするだろう)

 

 そんなこんなで飛鳥が教室に帰ってくると…。

 

「あ、一丈字くん…」

飛鳥「何でしょう」

「2組の宇田川さんと上原さんが探してたよ」

「こっちは松原先輩」

「パスパレの彩ちゃんも…」

飛鳥「そ、そうですか…」

 

 飛鳥は困惑していた。これが何か落とし物をしたとかだったらものすごくいいのだが、クラスメイト達の顔を見る限り、どう考えてもそんな感じではなかった。

 

飛鳥(ちょっと様子を見るか…)

 

**************:

 

 放課後、飛鳥が帰ろうとすると…。

 

「よっ! 一丈字!」

「いたー!!」

 

 巴とひまりがやってきた。

 

飛鳥「あ、こんにちは。すみませんね、昼休憩いなくて」

巴「いや、いいんだ。急に押しかけてきたアタシたちが悪いんだし」

ひまり「でもまだ教室に残っててよかったー」

飛鳥「…それで、何か御用でしょうか」

巴「いや、そういえば一丈字ってうちの店に来てくれたことあったっけ?」

飛鳥「通りかかるだけで、あんまりないですね」

ひまり「あ、やっぱりそうだよね」

 

 ひまりの言葉に飛鳥が困惑した。

 

ひまり「…どうしたの?」

飛鳥「あ、ごめんなさい。それでご用件を教えていただけないでしょうか」

巴「まあ、なんつーか、折角だから一度店に来てほしいかなーなんて…」

飛鳥「そ、そうですか…」

 

 巴の言葉に飛鳥がまた困惑した。

 

ひまり「…どうしたの?」

巴「ハンバーガー嫌いなのか?」

飛鳥「そうじゃなくて、多分私は店に行かない方がいいと思うんですよ」

ひまり「どうして…って、あっ」

 

 飛鳥の言葉にひまりは理由を聞こうとしたが、巴と共にすぐに理由が分かった。

 

巴「あー…もしかしてアレだろ。彩さんや花音さんのファンに絡まれるから?」

飛鳥「あなた方のファンにも絡まれるからです」

ひまり「まあ、少なくとも彩さんのファンはちょっと気を付けないといけないね…」

 

 飛鳥の言葉にひまりが苦笑いした。

 

飛鳥「それに、宇田川さんや上原さんがバイトしてる日って人が多いじゃないですか…」

巴「まー…そうだな」

ひまり「お店は儲かってるし、時給も増えてるから有難いんだけどね…」

飛鳥「まあ、お気持ちだけ受け取っておきます」

巴「あ、店がダメだったらさ、今度の休み時間取れないか?」

飛鳥「休み?」

 

 その時だった。

 

「何をやっているんだぁ~~~~~~~~~~~~~~!!!!」

 

 男子生徒軍団がエンカウントしてきた。

 

飛鳥「ちょっと廊下に出ますね」

 

 クラスメイト達に迷惑をかけない為、廊下に出た飛鳥は男子生徒軍団が向き合った。

 

飛鳥「何か御用でしょうか」

「貴様! 巴ちゃんとひまりちゃんと遊ぶ用事を立てようとしてるな!?」

飛鳥「休み時間取れないかって言われただけなんですけどね」

「こういう時は遊ぶって相場は決まってるんだよォ!」

「ゆるせーん!! オレだって遊びたいのにぃ!!」

 

 とまあ、騒ぎ立てる男子生徒たちに飛鳥はかつて見た客同士のけんかを重ね合わせた。

 

飛鳥(椿の言葉を借りるなら…本当に男って愚かやねぇ)

 

 旧友・林椿の言葉を思い出して飛鳥は遠い顔をした。

 

飛鳥「ところで宇田川さん達には誘ったんですか?」

「誘ったけど断られた!」

巴「いや、今みたいに下心丸出しで来られても…」

ひまり「ねー」

 

 巴とひまりが嫌そうな顔をすると、一部の男子生徒が興奮した。

 

「と、とにかく! 遊ぶなんて許さないし、3人で休み何かするならオレ達も誘えぇ!!」

「そうだそうだ!!」

 

 とまあ、発狂するが飛鳥達としては、たいして仲良くもない人たちと遊んで一体何が楽しいんだと思った。ましてやここで巴とひまりが抜けるとなったらこの話はなしになるだろう。

 

「どうしたの?」

 

 彩と花音がやってきた。

 

飛鳥「ああ、丸山先輩。松原先輩」

彩「どうしてこんなことになってるの?」

飛鳥「それが…」

 

 飛鳥が事情を説明すると、彩と花音がジト目で巴とひまりを見た。巴とひまりは視線をそらしていたが、男子生徒たちは彩と花音のジト目にもだえ苦しんでいた。

 

彩「巴ちゃん、ひまりちゃん。どういう事…?」

花音「2人だけ誘うなんて…」

巴「い、いやー…。彩さんはアイドルだし、一人だけ仲間外れにしても可哀そうだなーと思いまして…」

ひまり「そ、そうですよ!」

 

 巴とひまりが必死に弁解した。

 

「ま、まさかこの流れは花音ちゃんと彩ちゃんも遊びに行く流れでは…!」

「少なくとも彩ちゃんはダメだぁ~!!」

「パスパレを壊さないでくれぇ~!!!」

 

 と、そこそこ正論を言い放った。彩はアイドルであるため、異性と一緒に行動するのは宜しくないのだが、この男子生徒軍団の場合、ただ単に自分以外の男と一緒に歩いてほしくないどころか、アイドルと休みに遊びに行くというおいしい展開を持って行ってほしくないだけだった。

 

彩「う…」

巴「こうなったら一丈字に決めてもらおうぜ!」

飛鳥「お気持ちだけ受け取っておきます」

ひまり「いや、ハッキリしすぎ!!」

 

 飛鳥がきっぱりと決断したので、ひまりが突っ込んだ。

 

「そうだそうだ!」

「お前なんかが一緒に遊んでいい相手じゃないんだよ!」

「ひっこめ!!」

 

 断った飛鳥を罵倒する男子生徒たち。

 

飛鳥「そういう訳ですので失礼します」

巴「逃げるのか?」

飛鳥「ええ。逃げます!」

 

 飛鳥がきっぱりと言い放った。これを言ってしまえば周りの人間の信頼を失うことになるが、飛鳥は本来の目的を果たさなけれならないので、距離を置くことを選んだ。

 

ひまり「そ、そんな堂々と言わなくても…」

彩「あ、やっぱり私に気を遣ってる?」

飛鳥「丸山先輩だけでなく、ここにいる全員です」

「!」

 

飛鳥「それでは失礼します」

 

 そう言って飛鳥は去っていくと、皆が唖然としていた。

 

**********************

 

 河川敷

 

飛鳥「……」

 

 飛鳥は一人見つめて考え事をしていた。

 

飛鳥(…そりゃあ事情を知っているからなぁ)

 

 巴、ひまり、花音、彩の4人があからさまに自分に好意を寄せている。というシチュエーションを直で体験している為、何とも言えない飛鳥であった。

 

飛鳥「何が正解なんだろ…」

 

 飛鳥がそう呟いたが、そのつぶやきに誰も答えることはなかったという。

 

 

おしまい

 

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