飛鳥が超能力者だと知っているのはこころだけです。
ここはバンドリ学園。この学校は5つのバンドが有名だったが、全員彼氏持ちだった。
「まあ、あの顔で彼氏いない方がおかしいよね…」
「畜生!! オレ狙ってたのに!!」
「ていうかパスパレは普通に問題じゃね…?」
「アイドルなんてそんなもんよ」
そしてこの物語は彼氏持ちな彼女たちと、一丈字飛鳥の物語である。
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いつも通り、こころの依頼通りマナーの悪いファンの排除を行っていた飛鳥。ちなみにこころの彼氏も飛鳥の事が能力者だとは知らないものの、「業者」だと思っている。
飛鳥もまた香澄たちが彼氏持ちだという事を知っている為、特に会話する事もなく仕事に全うした。
飛鳥(ていうか彼氏がいるなら、オレがこっちに来る必要ない気がするんだよな…)
依頼理由も彼とこころの共通の友人である林日向と材椿の話を聞いて、一時的にこっちに来て貰うというものだったが、さすがに彼氏がいるという事もあり、特に踏み入れる事も無かった。
だが、彼氏がいてもなお、香澄たちは大人気だった。特に長く活動しているAfterglowや、演奏技術が高いRoselia、芸能人であるPastel*Palettesは特にそうである。Poppin’partyやハロー、ハッピーワールド!も我が道を進んでいて、それがお客さんに受け入れられた。
だって美少女だからである。
飛鳥(下手すりゃこっちもストーカーって勘違いされそうだなぁ…)
飛鳥は自分の立場と彼女たちの立場を考えて行動した。だが、色々あって彼女たちと話す機会が増えたが、当然彼氏が良い顔をする筈が無い為、飛鳥は避けていた。
香澄「飛鳥くん。何で避けるの?」
飛鳥「いや、彼氏さんがいるでしょうに…」
香澄「大丈夫だよ。彼氏くんだって飛鳥くんの演奏凄かったって!」
飛鳥「そりゃああなたの前ならそう言いますよ…」
と、香澄たちと話す機会もあったが、当然彼氏たちは自分の彼女が他の男と話すなんて事はいい気持ちがしない。それは飛鳥自身も同じだった為、出来るだけ避けようとしたが、それでも彼女たちはグイグイ来る。
飛鳥(オレのせいで破局になったなんて言われても困るしなぁ…)
飛鳥は本当に悩んでいた。
そんなある日の事だった。
「あれ!? あれパスパレの丸山彩じゃね!?」
「しかも氷川日菜もいる!」
「千聖ちゃん!?」
「大和麻弥だ!」
「イヴちゃん!!」
「男とデートしてる!!!」
何という事だろう。パスパレが全員彼氏と集団デートをしていて、飛鳥もそれを見かけていた。
飛鳥(芸能人…だよね?)
「彩ちゃんその男誰?」
「彼氏?」
「アイドルが彼氏持ちなんて…」
「沢山貢いだのに!!」
「許せねぇ!!」
と、ファン達が激怒して、彩たちに襲い掛かろうとする。彼氏達は前に立って彩たちを助けようとした。
彩彼氏「彼女たちは悪くない!!」
日菜彼氏「そうだ!! 悪いのはオレ達だ!!」
千聖彼氏「オレ達が声をかけたんだ!!」
麻弥彼氏「今のうちににげて!!」
イヴ彼氏「そうそう!!」
と、彼氏達は身を張って彩たちを逃がそうとした。彩たちは驚いていた。
「うるせえ!! アイドルと付き合っておいて何偉そうなこと言ってんだ!!」
と、ファンの1人が彩の彼氏を殴った。
彩彼氏「彼氏くん!!」
すると飛鳥は存在感を消して、ファンの男達を超能力で痛めつけた。
「ぐ、ぐわあぁああああああああああああ!!!」
「は、腹が…」
「ち…ちきしょう…」
「カ、カメラはばっちり抑えてる…。ただで済むと思うなよ!!!」
と、ファン達は退散していった。
彩「大丈夫!!?」
彩彼氏「へ、平気さ…」
飛鳥が目を閉じて笑みを浮かべると、その場を去っていった。
日菜「皆カッコよかったよ!」
千聖「ありがとう…」
そしてその後も、飛鳥はヤラカシを討伐していったが、彼氏達は特に逃げ出す事もなく、香澄たちを守っていた。
そして時間が過ぎて…。
飛鳥「ヤラカシの数は完全に減ったね」
こころ「本当にありがとう。あなたのお陰よ」
こころの家で飛鳥とこころが話をしていた。
飛鳥「さて、予定通り、今月末に広島に帰る事にするよ」
こころ「寂しくなるわね」
飛鳥「ありがとう。でも、彼氏さんがいるから寂しくないでしょ」
こころ「も、もう/////」
任務が終わり、飛鳥は今月末に広島に帰る事になった。こころは送別会を開こうと考えていたが、超能力者であることがバレる事、彼氏達がいい顔をしない事を納得するように説得して、こころとこころの彼氏の3人だけで送別会をする事になった。
こころ彼氏「本当にありがとう。一丈字さん」
飛鳥「いえ、こちらこそありがとうございました」
飛鳥とこころの彼氏が握手すると、こころが微笑んだ。
だが、転校の数日前、香澄たちに知られてしまった。
香澄「飛鳥くん!! 転校するって本当なの!!?」
飛鳥「ええ。親の仕事の都合で、地元に帰らないといけなくなったんですよ」
香澄「それだったらどうして言ってくれなかったの!?」
飛鳥「戸山さん達が優しいから、気を遣わせてしまうと思いまして」
飛鳥が苦笑いした。
有咲「で、いつ転校するんだよ…」
飛鳥「今週の金曜日が最後ですね」
香澄「えっ…」
香澄たちが驚いた。
飛鳥「もしかして彼氏さんとデートですか?」
香澄「そ、そうだけど…」
飛鳥「それならそっちを優先してください。彼氏でもない男と必要以上に喋るのは感心しませんよ」
モカ「……」
モカは険しい表情をしたが、飛鳥は全く気にしなかった。例えモカに嫌われても、彼氏でもなければ、もういなくなる為、どうもしなかった。
香澄「でも!!」
飛鳥「戸山さん」
飛鳥が香澄たちを見た。
飛鳥「…私に気を遣ってくれてありがとうございます。ですが、前を向いてください。もう二度と会えないわけではございません。生きてる限り、またどこかで会えます」
モカ「飛鳥くん」
飛鳥「何です?」
モカ「…それで、皆納得すると思ってるの?」
飛鳥「思いません」
飛鳥がモカを見つめる。
飛鳥「私の事を一生許さなくても構いません。ですが、本当にバンドとして頂点を目指すのであれば、このまま前に進んでください」
モカ「……!」
飛鳥「それにあなた方には、支えてくれるパートナーがいる筈です」
飛鳥の言葉に香澄たちが反応した。
飛鳥「まあ、要するにこれからも頑張ってくださいって事です」
こうして、飛鳥は広島に帰っていった。香澄たちには本当に惜しまれつつ、帰っていった。
香澄たちの彼氏は全員把握していたわけではなかったが、飛鳥が知っている限り悪い人物ではなかった為、何も心配する事はなかった。
「…まあ、娘がお嫁にいく感じだったね」
「何それ」
広島にある猪狩学園。そこで飛鳥は同級生の日向や椿と話していた。飛鳥の言葉に椿が突っ込んだ。
飛鳥「彼氏さん達もいい人たちだったから、心配いらないよ」
日向「そ、そうなんだ…」
飛鳥「にしても…」
飛鳥が困惑して、バンドリ学園の広報を見ていた。香澄たちのバンドの事も書いてあったが、その中の特集で飛鳥の事が書かれていて、苦笑いした。
飛鳥(頑張れ。彼氏さん達)
おしまい
イメージエンディングテーマ
「バトンタッチ」
歌:JULEPS