10月30日。この日はハロウィン前日であるが、飛鳥は家でその事を思い出していた。
飛鳥(この日は戸山さん達大忙しだろうな…)
というのも、ハロウィンに向けてライブをすると聞いていた為である。飛鳥は邪魔しないように、気にかけていたのだが…。
飛鳥(まあ、オレ未だに出入り禁止食らってるから入れないんだけどね)
…そう。嫌がらせで学内のライブに出入りできないのだ。バンドガールズに手を出した人間には即刻そういう禁止令が出される為、飛鳥も例外ではないのだ。この事に関して、最初バンドガールズも納得がいてなかったが、千聖の機転で飛鳥のみのライブをやるように提案したのだ。かといって1回も実現はされていないが…。
飛鳥(実際にやったら大問題だよ)
ましてやアイドルであるPastel*Palettesが1人の男性の為にそんな事をしようなどご法度だ。飛鳥は好意のみ受け取る事にした。
飛鳥(ま、遠くから成功する事を願ってるよ。頑張って)
そう言って飛鳥は家を出た。
学校につくと、そこにはいつも通りの光景があった。
「今日の合同ライブ楽しみだな!」
「ああ! 香澄ちゃん達が仮装するんだろ!?」
「エロい恰好かな? エロい恰好かな?」
「バカ! キュ~トなのもいいだろう!!?」
と、男子生徒達も興奮気味で、飛鳥は存在感を消していた。
「けどな…」
飛鳥「?」
「問題はあの一丈字だ」
「そうだ! あいつが結局美味しい所を持っていくんだ」
「オレ達にも分けろっつーんだよ」
「ああいうのは皆で楽しまないと!」
飛鳥(だったら出入り禁止解禁してくれ)
そう思いながら、飛鳥は去っていった。
その後、飛鳥は普通に教室で過ごした。
飛鳥(学校が終わったら即刻帰るか…)
そんでもって放課後。ライブの時が来た。
飛鳥(帰るか…)
飛鳥が存在感を消して…そのまま帰っていった。
飛鳥(こういう時都合よく事件が起きるけど、何も起こらないのが一番いいよ)
と、飛鳥は学校の平和を願っていた。
そして飛鳥が商店街を歩いていた。
飛鳥(…とは言ったものの、それはそれでこの後の展開どうするんだって話しだよな。戸山さん達はいないし)
商店街を歩きながら、オリ主の弱みを痛感していた。原作組がいないのであれば、読者が楽しめないのだ。というかもう、バンドリじゃなくても良いわけだ。
飛鳥がふと横に貼ってあったポスターを見ていた。そこには仮装をしている香澄、蘭、彩、友希那、こころが写っていた。
飛鳥(まあ、読者の皆が見たいのはオレじゃなくて、戸山さん達だもんな…。素人のこんなの見せられたって)
と、飛鳥はとぼとぼと歩いていった。だからといって事件が起ころうものなら、確かに出番はあるものの、香澄たちのライブが台無しになってしまうからだった。
その頃、香澄たちは順調にライブを行っていたが…。
「トリック・オア・トリート! お菓子くれないと悪戯しちゃうぞー!!?」
「お菓子持ってないから悪戯してくれぇええええええええええええええええ」
…男性客の大半がドM思考であり、一部のバンドガールと女性客はドン引きだった。もしもここに飛鳥がいたら…。
飛鳥「あー。多分一緒にされるだろうから、行かない方が良いねこれね」
と、投げやりな態度を取っていた。
蘭「…キモッ」
ひまり「最近の男子って皆こうなのかな…」
モカ「まー。モカちゃん達みたいな美少女に何かされたいっていう気持ちは分かるよ~」
舞台袖で見ていたバンドガールズは思い思いの感想を述べた。現在Poppin’partyがライブをしている為、香澄達は不在である。
彩「それにしても一丈字くんまだ出入り禁止解けてなかったの?」
千聖「どこまでも考える事は姑息ね…」
こころ「……」
飛鳥に対する仕打ちに彩と千聖が不満そうにしていたが、こころはある事を考えていた。
はぐみ「こころん…」
こころ「飛鳥なら心配いらないわ」
「!?」
こころの言葉に皆が驚いた。
彩「ど、どういう事?」
こころ「その分あたし達が優しくしてあげればいいし、いつか皆で一緒にライブが見れるように、飛鳥も頑張ってるから」
ひまり「頑張る?」
巴「一丈字何もしてねぇだろ」
こころ「…あたしも最初はそう言ったわ。けど飛鳥は、みんなに気を遣ってライブに来ないのよ。何も結果を出してない自分が、あたし達と一緒にいるのが気に食わないんだって」
あこ「そ、そんな…」
こころが正面を向いた。
こころ「でもね。飛鳥なら絶対に出来るって信じてるわ」
モカ「……」
モカが笑みを浮かべた。
モカ「そうだね~。飛鳥くんなら出来そうな気がしてきた~」
蘭「モ、モカまで…」
こころ「だから皆も飛鳥を信じましょう!!」
と、こころがそう言うと、バンドガールズは気持ちを新たにライブに挑むのだった。
その頃の飛鳥…。
飛鳥「はぁ…」
河川敷で黄昏ていた。
おしまい