文化祭当日…。学園は出し物なのでにぎわっていた。ちなみに香澄たちはバンドをするのかというと、大勢の客が来てトラブルが起きる可能性が非常に高いと判断され、今回はなしという事になった(友希那や蘭は非常に不満げだった)。
1年3組・教室
飛鳥「本日は遠路はるばるお越しいただき、ありがとうございます…」
と、飛鳥が腰を低くしていた。飛鳥の目の前にはいかつい格好をした大人の女性たちが沢山いた。
「いえ、頭の命令となれば」
飛鳥と喋っているこの女性は、和哉の学生時代の舎弟が社長をしている製造会社の社員であり、社員全体が和哉に絶対服従となっているのだ。ちなみに何を作っているかというと、虹島の地元の名産品やグッズである。ちなみに元々はヤンキーや受刑者といったゴロツキ達を和哉や社長が拾って面倒を見ているという訳だ。ちなみにこの女性は中卒だが、大卒以上の仕事をきっちりこなして、今はとあるチームのリーダーをしている。
ちなみに「頭」とは和哉の事であるが、詳細についてはまた次の機会に…。
「それもそうじゃけど、一日お休み貰えるけぇ~」
「こら!」
と、小柄の女性が茶目っ気に言うと、長身の女性が諫めた。彼女たちも製造会社の社員であり、元ヤンである。和哉より年上も結構多い。
「まあ、ホストクラブって…兄さんたちまだ高校生でしょ」
飛鳥「ええ…。無理があるのでコンセプトは「高校生がやるホストクラブ」っていう事で、グレードダウンしてるんですよ」
「んー。こんなこと言うのあれだけど、確かにホスト向きじゃないね~」
「だからそういう事言わんの!!」
「……」
キャラ紹介
梅子 … リーダー格の女性。
蓮子 … 緩やかな喋り方をする小柄の女性。
萩子 … 長身の女性。
薺子 … 無口。
「あの…」
飛鳥「あ、何でしょうか。薺子(なずなこ)さん」
薺子「…クラスの子。どうなったの?」
薺子の言葉に飛鳥が困惑した。
飛鳥「ホストクラブに出る私たち以外、特別教室で1日中授業ですね…。先生は教育委員会から事情聴取を受けてます」
その頃のクラスメイト達。
「どーしてオレたちまで!!」
「そうよ!!」
「うるさい。内申点ゼロにされたくなかったら黙ってろ」
と、鬼の形相をした教師が生徒達を睨みつけると、生徒達は黙った。そしてまた先生は教育委員会と校長からの追及に涙目になっていた。
「僕は悪くないんです!! 悪いのは生徒達で…」
「やかましい!!」
「この期に及んでまだ生徒のせいにするとか、頭大丈夫か!?」
「言っとくが、他の生徒達からも苦情が来てるんだ。ただですむと思うなよ…」
「ひ、ひぎィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
飛鳥は頭を押さえた。
飛鳥「やりすぎるなって言ったのに…」
「しょうがないよ。それが頭だ」
飛鳥「……」
そんなこんなで、文化祭が始まった。香澄たちバンドガールズの当番はそれぞれ違っていたが…。
「ふぇえええ…」
「これは凄いね」
ハロー、ハッピーワールドの瀬田薫と松原花音が1年3組の教室に来ていたが、すでに梅子達が並んでいた。
「おい、あのお姉さんたち綺麗じゃね?」
「ああ…」
「おっぱいもでかいし…」
「でも3組って確か…」
と、周りにいた男子生徒達がひそひそ話をしていた。
花音「ど、どうしてあんな人たちが…」
薫「きっと、彼の知り合いなのだろう」
「何?」
花音と薫が話していると、梅子が話しかけた。
花音「ふぇええ!!?」
薫「すみません。つかぬ事をお伺いしたいのですが、一丈字飛鳥くんのお知合いですか?」
梅子「そうだけど何? 彼女?」
薫「残念ながら違いますね」
と、薫がいつもの様子で苦笑いすると、
「んー…」
蓮子が薫を見つめた。
薫「どうされました? 私の顔に何か…」
蓮子「あなた、瀬田薫さん?」
薫「ええ。そうですよ。覚えてくださって光栄です」
蓮子「あー…。かおちゃんってあなたの事だったんだねー」
薫「…もしかして、彼から聞きました?/////」
蓮子「聞いとるよー。照れたら超可愛いってのも聞いとるけど、本当に可愛い♥」
薫「あ、ありがとうございます…////」
と、いつものように振舞ったが、顔が真っ赤だった。そして他の女性社員たちもキュンとしていた。
花音(かわいい)
薫「そ、それでしたら、彼女の事もご存じですか?」
蓮子「聞いてるよー。松原花音ちゃんでしょ。海月姫」
花音「く、海月姫!?」
薫「何故彼が知ってるんだ…?」
花音は実際にクラスメイト達から『海月姫』という愛称がついていたのだ。
蓮子「あー。林グループっていう大きな会社の社員さんが教えてくれたのー」
薫「林グループ…?」
蓮子「うちの会社、林グループと提携しとるんよー。だから知っとんの」
花音「そ、そうなんですか…」
その時だった。
飛鳥「大変長らくお待たせしましたー…あ、瀬田先輩。松原先輩。こんにちは」
花音「こ、こんにちは…」
薫「こんにちは。一つ聞いてもいいかな?」
飛鳥「あ、もしかして昔のあだ名の事ですか? 私ではございませんよ」
蓮子「ああそうそう。林グループの人から聞いたよー。そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫大丈夫―」
萩子「そうじゃないよ。昔のあだ名を呼ばれる事自体恥ずかしいけん、この人も困っとったんよ」
薫(あ、わかってくれた人いた…)
と、薫は萩子に対して感謝していた。
蓮子「でも恥ずかしがってるの、めっちゃ可愛えよね?」
萩子「まあ、それはそうじゃけど…」
薫「///////」
飛鳥「あの、彼女困ってるのでその辺にしてあげてください」
蓮子「はーい」
と、このままホストクラブが行われる事になった。飛鳥はいつものごとく、他の陰キャたちも最初はたどたどしかったが、蓮子たちがアドバイスをしたおかげか、少しずつ上達していった。ちなみに1回終わったらまた並ぶという行為をしていたが、売り上げを出すことが目的なので、特に何も言われる事はなかった。
ちなみにホスト役は3人で、他の2人が誘導係をしていた。ちなみに飛鳥はずっとホスト係をやらされている。
「いや、だって一丈字くんの方が顔利くし…」
という理由である。
飛鳥「ちなみにホストクラブって行ったことあります?」
梅子「ないよ。男共の相手は仕事だけで十分だ!」
飛鳥「ですよね…」
飛鳥が梅子に対して申し訳なく思った。
時間がたつにつれ、お客さんが多くなっていった。
「ねえ、あそこのホストクラブ行った?」
「喋りが凄く上手い子がいるんだって!」
「それもそうだけど、他の子も何か可愛くて面倒見がいがあるんだって!」
と、口コミから長蛇の列になった。高校生がやるホストと言う事で、元々期待はされない。だがらこそ、変にプレッシャーになる事はなく、飛鳥達ものびのびやる事が出来た。
飛鳥(まあ、膿も取り除けたしね)
つづく