全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第89話「男はつらいよ」

 

 

まりな「バンドリ学園! 質疑応答のコーナー!」

 

 とある特設スタジオ。ステージには飛鳥とまりな。観客席にはバンドガールズと、モブたちがいた。飛鳥はなんか嫌な予感がしていた。

 

まりな「今回のゲストは、この物語の主人公にして座長、一丈字飛鳥くんでーす!」

飛鳥「どーもー。チャンネル変えてくださーい」

 

 飛鳥がにこやかにネガティブな発言をした。

 

まりな「ちょっと後ろ向きすぎるわよ?」

飛鳥「すみません。何でか分かりませんけど、嫌な予感がしまして」

まりな「そんな事ないわよー。それじゃ早速行くわね。今回、飛鳥くんに質問するテーマはこちら!」

 

 パネルにある事が表示された。

 

『バンドガールズとラッキースケベになった時、許してくれそうなのは?』

 

飛鳥「え、何ですかこれ。公開セクハラですか?」

 

 飛鳥がツッコミを入れた。

まりな「いや、飛鳥くんのイメージで許してくれそうな子を答えて頂戴」

飛鳥「男子生徒のみなさーん。ビッグチャンス到来ですよー」

 

 まりなの言葉に飛鳥が皮肉気味に突っ込むと、男子生徒達が大歓声を上げた。

 

「お前の天下もここで終わりだ!!」

「ざまーみろ一丈字!!」

「いや、待て。落ち着くんだ。落ち着かないとどんでん返し来るぞ」

「ああ…」

 

 と、良い感じに盛り上げていたが、バンドガールズは何も言わなかった。

 

香澄「天下って何の事?」

こころ「それはそうと、ラッキースケベってなにかしら?」

美咲「ちょ、こころ!!」

 

まりな「ラッキースケベっていうのは、わざとじゃないんだけど女の子の胸を触ってしまったり、パンツを見てしまったりする事よ」

こころ「そうなの。でもしようと思ってしたんじゃないわよね?」

 こころが喋ると、美咲が止めた。だが、男子生徒達はロックオンしていた。

 

美咲(馬鹿ね。こころは怒らないけど、黒服達に消されるわよ)

 と、美咲は男子生徒達に対して冷ややかな視線を送っていた。

 

飛鳥「言葉を選ばないといけませんねー。本人達もいますし」

 飛鳥が腕を組んだ。

 

まりな「それじゃシンキングタイム! まずは、ポピパから行きましょうか!」

 

【戸山香澄】

 

飛鳥「戸山さんはあまり怒るイメージがないんですよね」

香澄「うんうん。もしそうなったら「飛鳥くんのエッチ~」とかってやるよ!」

飛鳥「ご本人が答えてくれました。あと、戸山さんすっごい良い子ですね」

まりな「そ、そうね…」

 

 飛鳥の目が死んでいた。

 

【花園たえ】

 

飛鳥「花園さんか…」

たえ「どんなイメージがあるの?」

飛鳥「いや、実際そうなったらどうします?」

 

 飛鳥がたえと話をした。

 

たえ「飛鳥くんが話してくれたら話す」

飛鳥「何ていうかその…。え、なに? って感じで済ませそう」

たえ「そんな事ないよ。流石に恥ずかしいし」

飛鳥「あ、そうなんですか…」

たえ「ただ一言だけ「エッチ」っていうよ」

 

 空気が止まり、一部のメンバーがこんな想像した。

 

たえ「…エッチ///」

 

 ちょっとムスッとして、頬を赤らめて言い放つたえの姿を見て、ちょっとときめくのだった。

 

「イイ!!」

「程よい恥じらい!!」

「おたえちゃんらしい!!」

 

 と、男子生徒達も興奮していたが、たえは男子生徒達に対して露骨に冷たい視線を向けていた。

 

「その視線もたまんない!!!//////」

 

【牛込りみ】

 

飛鳥「牛込さんか…」

りみ「……」

 

 飛鳥が気まずそうにしていたが、りみも困った顔をしていた。

 

飛鳥「泣いてそうですね」

りみ「う、うぅ…」

飛鳥「で、戸山さん達に怒られるってパターン」

まりな「あー…」

 

 飛鳥の言葉にまりなが突っ込んだ。

 

飛鳥「そういや時々思うんですけど」

「?」

飛鳥「どうして女子の制服ってスカートなんでしょうね。ズボンでも良い気がするんですよ」

まりな「ズボン派なの?」

飛鳥「いえ、ラッキースケベに関する心配が減るので…」

 飛鳥が正面を向いた。

 

飛鳥「時々生きる事に対して息苦しさを感じるんですよ。なんででしょう」

まりな「おーい。落ち着いてー」

 

 飛鳥がどんよりし始めたので、まりながフォローした。

 

香澄「あ、飛鳥くん…?」

たえ「何かとっても辛そう…」

 有咲と美咲は何となく察した。確かに男の立場からしてみたらそうだろうな…と。

 

【山吹沙綾】

 

飛鳥「ちゃんと謝れば1回目は許してくれそうですね」

沙綾「あら」

飛鳥「…あくまでもイメージですけどね」

 飛鳥が視線を逸らした。

飛鳥「もうそうならない事をただひたすら願うしかないですよ…」ズーン

まりな「飛鳥くん…。昔、何かあったの?」

飛鳥「価値観合わなくて同級生と喧嘩ばかりしてましたから、もうひっそりと暮らしたいんですよ」

 飛鳥の発言で段々気まずい空気になっていた。

 

飛鳥「まあ、イメージで語ってますけど、実際は怒らない人なんていませんよ。月島さんは如何ですか」

まりな「そ、そうね…。確かに恥ずかしいって気持ちはあるし、む、胸とか触られたら…そりゃあちょっとは…////」

 まりなの言葉に飛鳥が目を閉じた。

 

飛鳥「それでいいんですよ。怒っていいんです」

まりな「!」

飛鳥「素直に気持ちをぶつければいいんですよ。ただ、やり過ぎるのが良くないだけですので」

 と、飛鳥は苦笑いした。

飛鳥「次行きましょう」

 

 飛鳥の言葉に対して、バンドガールズは困った顔をしていた。

 

美咲「相当苦労してたんだね。一丈字くん…」

有咲「……」

 

【市ヶ谷有咲】

 

飛鳥「間違いなくぶん殴られますね」

有咲「一丈字ぃ?」

 

 飛鳥がきっぱり答えたので、有咲が皮肉気味に突っ込んだ。

 

飛鳥「いや、殴られるっていうか、ビンタされますね」

有咲「一丈字くん。私のイメージどうなってるのかなー?」

飛鳥「え、実際どうなんですか?」

有咲「そりゃ殴るけど」

飛鳥「そうなんじゃないですかー。今にもこんな発言をした事で殴りそうじゃないですか」

有咲「確かにそうだけど!!」

飛鳥「それでいいんですよ、気が済むなら」

有咲「……!」

 

 飛鳥の言葉に有咲が反応した。

 

飛鳥「まあ、度が過ぎれば警察沙汰ですが」

有咲「よーし分かった一丈字。殴らないから、後でちょっとだけ話させてくれ」

飛鳥「はい」

 

まりな「おっと。お時間が来てしまったようですね」

飛鳥「結局何だったんですかこの時間…」

まりな「大丈夫よ。香澄ちゃん達を信じなさい」

飛鳥「は、はい…」

 

 そしてどうなったかっていうと…。

 

沙綾「あの、確かに下着とか見られるのは恥ずかしいけど、そういう理不尽な事はしないから安心してね?」

りみ「あ、で、でも見た事は忘れてください…////」

飛鳥「何か…すみませんね。気を遣って頂いて」

有咲「気を使わせたのはお前だろ!」

飛鳥「そうですね。出来ればお手柔らかにお願いしたいです」

有咲「…ハァ。分かったよ」

 

 と、ポピパから同情された。

 

香澄「飛鳥くん。有咲の今日の下着の色教えてあげよっか?」

有咲「お前はぶん殴る」

香澄「ちょ、やめて有咲!! ぎゃー!!!!」

 

 冗談を言った香澄に対して、有咲がアイアンクローを仕掛けた。

 

たえ「まあ、元気出してよ」

飛鳥「はい」

 

 

おしまい

 


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