全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第90話「オリ主オーディション!」

 

 

 

 ある日のバンドリ学園。体育館であるイベントが行われていた…。

 

「はい、次の方どうぞー」

 

 と、大和麻弥が呼びかけた。そして彼女の横にはバンドガールズがずらりと並んでいて、彼女たちの前に一人の男子生徒が立たされていた。

 

「エ、エントリーNo.25、ま、〇〇です!!」

麻弥「〇〇さんですねー。よろしくお願いします」

「よ、よろしくお願いします!!」

 

 男子生徒の様子を見て、千聖が厳しい表情を浮かべてこう言い放つ。

 

千聖「どうしてあなたはこのオーディションを受けようと思ったの?」

 

 そう、彼女たちは今オーディションをしていたのだ。

 

「は、はい! それは一丈字飛鳥さんに憧れて…」

千聖「けどおかしいわね。あなた、此間他の男子生徒といっしょになって、一丈字くんにいちゃもんをつけたわよね?」

「め、めっそうもな…」

千聖「私、見てたのよ?」

 

 千聖の演技力に圧倒してしまったのか、男は黙り込んでいた。

 

千聖「オーディションに受かるために多少うそをつくことも大事だけど、もうちょっと上手くやらないと、すぐに見抜かれるわよ」

「は、はい…」

千聖「というわけで今回は不採用。またの機会にして頂戴」

 

 うなだれる男子生徒を、ほかの男子生徒達が見ていた。

 

「やっぱり厳しいな…千聖ちゃん」

「けど、千聖ちゃんの演技が生で見れるんだぞ」

「たまんねぇ…あの厳しい視線」

「けど、どうして急にオーディションをやろうって思ったんだろう?」

 

 一人の男子生徒の言葉に男子生徒達が驚いた。

 

「そんなの決まってるだろ! 一丈字のやつ、ついに愛想つかされたんだ!」

「読者にもいちゃこらばっかりしてて飽きたって言われたしなぁ!! いい気味だ!!」

 

 男子生徒達は飛鳥がバンドガールズに嫌われると思って、有頂天になっていた。

 

「このチャンスを逃さない手はねぇ!」

「絶対につかみ取るぞ!!」

 

麻弥「あのー。他の人もオーディション中なので、お静かにお願いします…」

「あ、はーい!」

千聖「失格でいいんじゃないかしら」

「いやいやいやいやいや!!!!」

 

 千聖の言葉に男子生徒達が慌てだした。飛鳥が失脚してチャンスだと言い放った矢先に失格になろうものなら、完全にギャグマンガである。男子生徒達はそうなりたくなかった為、必死に食い下がった。

 

 そんなこんなでオーディションは続き…。

 

「エントリーNO.28。〇〇です」

 

 と、イケメンの男子生徒がやってきて、そうではない男子生徒達が憤慨した。

 

「なんでイケメンがオーディション受けてんだよ…!!」

「その辺の女狙えよな…!!」

「空気読めよ…!!」

 

 ここまで言われると完全に言いがかりである。だが、イケメン風の男は全く気にせず、オーディションを続けようとした。

 

千聖「このオーディションを受けようとした理由を教えてください」

「そんなの決まってる。君たちと釣り合うのは僕だ」

千聖「不採用。話にならないわ」

「なっ!!」

 

 千聖があっさり通知を言い渡した事で、不細工軍団のテンションが高くなった。

 

「誰が不細工軍団だ!!」

「でもあのイケメンざまあ!!」

「イエーイ!!!」

 

 一部は自覚があったのか、構わず喜んでいた。だが、イケメンは全く腑に落ちず、千聖たちに食い下がろうとしていた。

 

「な、なぜだ!?」

千聖「あなたみたいな人、結構苦手なの。もうちょっと謙虚さを持ってほしいわね」

日菜「そーだね。なんか偉そうでるんってしない」

「ひ、日菜ちゃんまで…」

 

 実はこのイケメン。日菜の大ファンであり、タペストリーなどを購入しては…ここでいうのはやめましょう。

 

 で、そんなこんなで合格者は出ませんでした。

 

 

**********************:

 

 

友希那「はあ…時間の無駄だったわ」

 オーディションが終わって、香澄たちが後片付けをしだした。

 

沙綾「それにしても飛鳥くんも思い切ったことするわね。男子たちにもチャンスを与えようなんてさ」

有咲「もし合格者を出したらどうするつもりだったのかな…」

こころ「その時は主人公交代するって言ってたわ?」

「!!?」

 

 こころの言葉に皆が驚いた。

 

花音「ふぇえええええ!!?」

はぐみ「そーなの!!?」

こころ「まあ、そんな事させないわ」

 

 こころがいつになく真剣な表情で言い放った。

 

たえ「そのココロは? こころだけに」

こころ「そんなの決まってるわ」

 

 こころが皆を見た。

 

こころ「飛鳥はあたし達のために今まで頑張ったり、戦ってくれたもの。そんな良い子に優しくしない訳にはいかないわ」

 こころの言葉に皆が驚いた。

 

有咲「…そうだな。あいつ、なんだかんだ言って私たちの為に色々やってくれたもんな」

イヴ「撮影が終わった時も、お菓子とか差し入れしてくれてましたし」

たえ「そういや、舞台になってる学校の教室とかも掃除してたよね」

「え、それは初耳なんだけど」

 

 皆がたえを見た。

 

千聖「結果的にあれよ。日頃から努力して人を思いやれる人間と、何の努力もしなくて人を馬鹿にする人間の扱いが同じなわけないじゃない」

麻弥「手厳しいっすね…。確かにそうだけど…」

 

 千聖の言葉に麻弥が苦笑いした。

 

香澄「そういや思ったんだけど、今日飛鳥くん何やってるの?」

「さあ…」

「用事があるとしか…」

 

 そのころの飛鳥。

 

「く、くそー!!!!」

「拘束させてもらう。大人しくしときなよ」

 

 たった一人で犯罪グループを退治していた。これは本業である超能力者としての仕事であり、飛鳥は無線で上司に報告した。

 

飛鳥「こちら一丈字。ターゲットを全員拘束しました。直ちに帰還します」

 

 

おしまい

 


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