ある日の事だった。
「あーあ。一丈字の奴、今回もモテてやがるよ…」
男子生徒たちがうんざりした様子で飛鳥を遠くから見ていたが、周りにはモカ、こころ、千聖がいた。
「オレもあんな風になってみたいもんだな…」
「それかせめて、あいつが女の子達に嫌われねーかなー」
という訳で、今回はお望み通り、飛鳥とバンドガールズが喧嘩するお話です。
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「一丈字くん。どういう事かしら?」
「……」
バンドリ学園のカフェテリアで事件は起きた。そこに飛鳥とRoselia、日菜がいたが、紗夜以外のバンドガールが飛鳥をにらみつけていた。
飛鳥「あなた方が考えているような事は決してございませんよ。そうですよね? 紗夜先輩」
紗夜「そ、その通りです!」
飛鳥と紗夜がそう言うが、友希那達は飛鳥をにらみ続けている。
友希那「一丈字くん。私たちはあなたを許すことは出来ないわ」
飛鳥「そうですか…」
友希那達が怒るのも理解していた飛鳥は、許してもらおうとも思っていなかった。
友希那「とにかく許されざる行為よ」
紗夜「み、湊さん…」
友希那「止めないで紗夜。これはRoseliaにとっても死活問題なのよ」
日菜「そうだよ! 見損なったよ飛鳥くん!」
飛鳥「……」
友希那「一丈字くん…あなたよくも…よくも…!!」
友希那は目を閉じて拳を強く握って、こう言い放った。
友希那「紗夜と二人きりで勉強会したわね!!」
友希那が指をさしながらそう叫ぶ姿に、飛鳥は困惑して紗夜の方を見た。『湊先輩ってこんな感じの人でしたっけ?』と言わんばかりに…。それに対して紗夜は困惑するしかなかった。『こっちが聞きたい』と言わんばかりに。
リサ「飛鳥く~ん…。今度からはアタシにちゃんと断ってほしいな~…☆」
リサは一応大人の対応を取っていたが、正直嫉妬しているのが丸見えだった。
飛鳥「あ、多分もうないと思いますので…」
リサ「それでもだよ~」
飛鳥「あ、はい。わかりました…」
燐子「ずるいです…」
燐子からも思ったほか責められて、飛鳥は頭をかいていた。
あこ「紗夜さん紗夜さん! あこにも勉強を教えてください!!」
「!!?」
あこの言葉に皆が驚いた。普段は自分から勉強しようとしないあこが勉強しようとしていたので、驚きを隠せなかった。ちなみに最近巴はあこが紗夜の話ばかりするので、ちょっといじけている。
紗夜「し、白金さんに教えて貰えば…」
燐子「わ、私も氷川さんに…教えてもらいたいです…」
紗夜「え、でもあなた…」
リサ「それだけ紗夜が頼りになるって事だよ~。アタシも教えてほしいかな☆」
興味が飛鳥から紗夜に向けられたことで、飛鳥は超能力で存在感を消した。
友希那「ちょっと待って頂戴。それだったら私も…」
日菜「あたしもおねーちゃんに勉強教えてほしーい!!」
紗夜「…あなたは必要ないわよね?」
日菜「おねーちゃんに教えてもらう事に意味があるのー!!!」
そう言って皆が一斉に自分を頼りにし始めたので、紗夜は困惑するしかなかったが、飛鳥はスーッと離脱して、その場を離れた。
モカ「こんな事していいの~?」
飛鳥「いいんだよ。支障が出る」
待ち伏せしていたのかどうかは不明だが、モカがいて突っ込まれたが、飛鳥は普通に言い返した。
飛鳥「しかし、いつの間にかモテるようになったんだな…紗夜先輩」
モカ「そうだね~」
そしてまた男子生徒たちは…。
「い、一丈字が確かにぞんさいに扱われていたな…」
「ああ…」
驚きを隠せず、そして目の前の紗夜ハーレムを堪能していた。
「やっぱりバンドリはこうでなきゃ!」
「ひなさよ! ゆきさよ! リサさよ! あこさよ! りんさよ! ごっつあんです!!」
百合百合しい展開を見てご満悦だったが、紗夜はたった一人だけ不満そうにしていた。
紗夜(ど、どうしてこんなことに…)
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またある日の事。紗夜がとあるハンバーガーショップの前にいた。
紗夜「……!」
限定のポテトが販売されていたのだが、これを買うにはカップルで来店しないといけなかったのだ。早い話がおひとり様はお断りだったのだ。
紗夜(こんな商売の仕方じゃ売れないわよ!!!)
そう心の中で悪態をついたが、内心はのどからダルシムの手が出るほど欲しかった。そんな時だった。
「やっぱりいた~」
紗夜「!?」
そこにはガラの悪そうな男子生徒5人がいた。
「君、氷川紗夜ちゃんだよね?」
紗夜「え、ええ…」
「やっぱりポテトが好きだって噂は本当だったんだな~」
ニヤニヤと近づく男たちに紗夜は恐怖していた。
「ねえ、オレ達とポテト食べようよ。店の外でだけど」
紗夜「ど、どうして店の外で…」
「空の下で食べるポテトもいいじゃん…」
「オレのポ…」
「やめろ。オレ達まで食欲失せる」
とまあ、あからさまに下心丸出しの男子生徒達に紗夜は恐怖していた。人間予想外の事態が起きたときには、本当に動けなくなってしまうのだ。
だが、そんな心配もすぐになくなる。
「あなた達…」
「!!?」
友希那の声がしたので、紗夜も男子生徒たちも友希那達の方を向いた。友希那のほかにもRoseliaメンバーや日菜がいたが、怒髪天だった。男子生徒たちは恐怖したし、紗夜も言葉を失っていた。Roseliaは一体これからどうなるのかも不安になるくらいに…。
友希那「誰に断って紗夜に手を出そうとしてるのかしら…?」
リサ「ちょっとやめて貰えないかな~…いや、ホントに」
燐子「…氷川さんに近づかないでください」
あこ「こいつらやっちゃいましょうよ」
日菜「おねーちゃんに手を出したら、社会的に抹殺するから」
少なくとも日菜はアイドルだというのに、一番物騒なことを言い放ってたし、今まで自分が劣等感から散々当たり散らしていた相手とは思えなかった。というか、この日菜に当たり散らしたら間違いなく返り討ちにされそうになり、紗夜は泣きそうになった。
「ひ、ひィィィィィィ!!」
男子生徒たちは萎縮していたが、
「な、何を萎縮しているんだ! Roseliaのメンバーが全員そろっているうえに、あの日菜ちゃんまでいる! もはや天国じゃないか!!」
友希那「いいえ。あなた達が行くのは地獄よ…」
「!!」
その時だった。
「あのー…」
「!!?」
飛鳥が現れた。丁度店で食事をしていたのだが、友希那達が暴力行為に励もうとしたので、止めに入ったのだ。
「お、お前は!!」
友希那「一丈字くん…?」
飛鳥「警察呼んだんで、逃げるならさっさと逃げてください」
飛鳥が男子生徒たちにそう言うと、
「ハッ! そんなのハッタリだ!」
「ていうか事実なら、何してくれてんだよぉ! ぶち殺…」
「事実だし、はったりでもないんだなぁ」
「!!?」
警察官が10数人も現れた。
「ちょっと署まで来てもらおうか!」
「そこの君たちも!!」
そう言って警察官は男たちと紗夜たちを連れて行った。紗夜たちは事情聴取だけで何とか済んだが、男たちは完全に捕まった。
飛鳥「ふー…」
飛鳥は一息ついて、店に戻った。
モカ「お疲れちゃーん」
飛鳥「結局出番はなくならない訳ね…」
千聖「多分明日あたりがフィナーレになるわね」
飛鳥「……」
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翌日
紗夜「あの、一丈字くん…」
飛鳥「あ、はい。なんでしょ…」
飛鳥が廊下を歩いていると紗夜に声をかけられたので、振り向いた。すると紗夜だけではなく友希那、燐子、リサ、日菜がいた。
あこ「あこもテレビ電話で参加してるよ!!」
あこが燐子のスマホから映像で参加していた。
友希那「昨日は紗夜を助けてくれてありがとう。お陰で暴力を振るわずにすんだわ」
飛鳥「それはどうも…」
友希那「けど、紗夜を独り占めは絶対にさせないわ」
飛鳥「そりゃあ勿論です」
あんな友希那達を見て、誰が独占しようと考えるのか飛鳥は困惑した。
飛鳥「ところでご用件は何でしょう」
友希那「紗夜がどうしてもお礼がしたいそうなの。勿論私たちも同伴だけど」
飛鳥「あ、お気持ちだけで結構です」
友希那「あなたに拒否権はないわ。というか…紗夜の頼みが聞けないって言うの?」
友希那がこれでもかという程にらみつけてきた。
リサ「飛鳥くーん。お願いできないかなぁ…」
燐子「お願いできないでしょうか…」
飛鳥(なんか本音が駄々洩れ何ですけど!!)
本当は飛鳥のいう通りお礼なんていいし、紗夜からお礼なんてそんなうらやましい事独り占めさせてたまるものかという、リサと燐子の意志が感知できた飛鳥はどうしたらいいのか分かりませんでした。
紗夜「あ、あの…やはり迷惑でしょうか…」
飛鳥「迷惑ではないですよ。迷惑では」
あこ「じゃあなんでダメなの!?」
飛鳥「湊先輩たちが怖すぎます」
飛鳥がはっきり言うと、聞いていた周りの生徒たちは困惑した。
日菜「飛鳥くーん…。もしかしてあたしたちに喧嘩売ってる?」
飛鳥「そんなに心配しなくても取りませんし、取れませんよ」
「!!」
飛鳥「紗夜先輩はもう今や皆さんのアイドルですから」
飛鳥の言葉に紗夜が顔を真っ赤にした。
飛鳥「私も何かと忙しいので、独り占めなんか出来ませんよ」
紗夜「……//////」
アイドル扱いされた紗夜は飛鳥をキッとにらみつけた。
飛鳥「では、これで失礼します」
紗夜「ま、待ちなさい!!/////」
飛鳥が早急に去ろうとすると、紗夜が呼び止めた。
飛鳥「何でしょう」
紗夜「や、やっぱりお礼をさせてください…/////」
飛鳥はスーッと姿を消して超能力で記憶を改ざんさせ、その場から離れた。
飛鳥「はー…」
こころ「いつ見てもすごいわね!」
飛鳥「ありがとよ…」
モカ「主人公らしく口説いてどうするのさー」
飛鳥「口説いてないから」
千聖(…けど、この子素質あるのよね)
とまあ、色々言われたが、飛鳥の今回の仕事は終わった。
「な、なんだかよく分からないけど…」
「Roseliaと日菜ちゃんは一丈字を快く思っていない!」
自分にもチャンスがあると思った男子生徒二人は即座に友希那達に声を懸けにいった。
「あ、あのーーーー」
紗夜「!」
紗夜がいち早く気づくと、友希那達が不機嫌オーラを放って男子生徒たちに詰め寄った。
この後どうなったかはご想像にお任せします。
おしまい