全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

336 / 492
第342話「正々堂々と」

 

 

 一丈字飛鳥です。バンドリ学園に通う高校1年生です。この学園には、明るくて自信化なイケメンの先輩が通っているのですが、今回はそんなはお話です。

 

 

 バンドリ学園

 

「おはよ」

「おはよー!!」

「今日もかっこいい~♥」

 

 女子生徒からの黄色い声援を浴びせられている男の名前はDQN。高校2年生である。成績優秀、スポーツ万能、イケメンといったまさに完璧超人である。

 

「くっ…! DQNの奴、今日も女子に囲まれてるぞ…」

「くっ…!」

DQN「……」

 

 ただし、男子生徒に対してはとてつもなく冷たく、見下していた。

 

 彼はサッカー部に所属していて、キャプテンもしていたがとにかく後輩や気に入らないチームメイトにはきつく当たり散らしており、取り巻きもおこぼれを貰おうと彼にへこへ越していた。ちなみにサッカー部をやめようとすれば、汚いやり方で報復することも辞さなかった。

 

 そして事もあろうに、彼は生徒会長となって取り巻き達も生徒会に入っていた。

 

 バンドリ学園はまさに彼の支配下になろうとしていたが、そんな彼らが築き上げた帝国を無意識に壊そうとしていた少年が一人。

 

************************

 

 一丈字飛鳥である。仕事の為に広島から引っ越してきて、弦巻家の協力をありながらバンドリ学園に通っている。

 

 その頃、DQNは美少女バンドと名高い、5つのバンドに所属している少女たちを自分の者にしようと考えていた。

 

DQN「彼女たちがオレのものになれば無敵だ…」

 

 なんて言っているが、皆さんもお察しの通りこころとか実家もすごいし、パスパレもアイドルだし、薫は女性人気がすごいので、そんな事しようものなら、いくら信頼も実力もあるイケメンでもひとたまりもない。

 

 だが、妙に自信があったDQNは生徒会長の権限でこんな事を考案した。

 

*************************

 

 全校生徒を対象とした肝試し大会だった。クラスにこだわらず学年ごとでもチームを組むことが出来るのだが、勿論DQNは香澄達を自分のものにする為、自分とその取り巻き達が彼女たちと同じチームになるように仕向けたのだ。ちなみに本命は芸能人であるパステルパレットだった。このパステルパレットを取り込むことで、モデルやアイドルも食おうというものだった。

 

 ちなみに飛鳥はというと、モブとしてか認識されておらず、同じクラスメイトの男子たちとチームを組んでいた。全員男子である。

 

飛鳥「宜しくお願いします」

「宜しく」

 

 こうして肝試し大会が始まったわけだが…。

 

DQN「皆! オレに頼っていいからね!」

 

 と、明るく笑顔で愛想良くした。純粋な彩とイヴは安心していたが、千聖はDQNの事を信用していなかった。

 

千聖「…宜しく頼むわね」

DQN(こいつ、オレの事信用してないって顔だな。まあいいさ、すぐにオレの忠実なメスにしてやる)

 

 そう下心を持っていたが、千聖はそのことをしっかり見抜いていた。

 

千聖「イヴちゃん。私の傍にいて頂戴」

イヴ「は、はい…」

 

 暫くしてお化けが現れ、イヴが悲鳴を上げた。

 

イヴ「きゃーっ!!! きゃーっ!!」

 

 イヴが案の定悲鳴を上げて暴れだした。

 

DQN「イ、イヴちゃん! 大丈夫だよ! 心配しないで…」

 

 DQNがイヴをなだめようとしていたが、内心うるさいと思っていた。

 

DQN(騒いでないでオレに抱き着けよ! 気が利かねぇな!!)

 

 DQNのわずかな表情の動きから、内心を読み取って千聖は不快感を示していた。

 

日菜「そーだよイヴちゃん。思った以上に怖くないよね。まるでなんか意図的にレベルが下がってるような気も…」

「!!」

 

 才能マンならぬ才能ガールの日菜が気づき始めた。そう、自分たちはカッコ悪いところを見せないように自分たちが来た時だけ、仕掛けのレベルが下がっているのだ。そのくせ他のチームが来たときはとてつもなく怖い仕掛けを出している。

 

彩「そ、そう?」

日菜「そうだよ。だって前のチームとかすごく悲鳴上げてたのに、これ見てそうなるかなーって」

千聖「私もそう思ったわ」

麻弥「そう言われれば…」

 

 と、気づき始めたのでDQNは笑ってごまかして、話題をすり替えようとした。

 

DQN「た、ただの偶然だよ! 次行こうつ…」

 

 その時だった。

 

「おんどりゃああああああああ!!!!」

「!!?」

 

 すると、知らない男たちがいきなりやってきた。

 

「な、なんだ!?」

「!?」

 

 如何にもガラが悪そうな男たちで、DQNとパスパレにいちゃもんをつけた。

 

DQN(だ、誰だ!? こんな奴プログラムには呼んでないぞ!?)

 

「お前ら誰に断ってここで騒いどんじゃボケェ!」

「キャンプの邪魔や!!」

「キャ、キャンプ!?」

 

 男たちはキャンプをしていたが、ここはキャンプ禁止の場所だった。

 

DQN「こ、ここはキャンプをしていい場所では…」

「じゃかわしわオラァ!!!」

「てめーには聞いてねーんだよ!!」

 

 DQNが穏便に済ませようとしたが、男たちはいちゃもんをつけてきた。強面の男2人に怒鳴られて普通はビビッて逃げ出すところだが、DQNは逃げ出さなかった。

 

 寧ろこの自分に向かってそんな口をきいていいのと思ってるのか、この社会の負け犬どもと思っていた。

 

DQN「こ、ここは僕に任せて早く!!」

千聖「分かったわ。行きましょう」

 

 そう言って千聖は他の4人を連れてあっさり行こうとすると、男たちも別に止める様子もなかった。

 

「…さて、ゆっくり話をしようか。兄ちゃん♪」

DQN「…え?」

 

 なんか思ってたんと違うとDQNは困惑したその時、飛鳥達がやってきた。

 

飛鳥「あれ? あれは…」

DQN「!?」

「ああん!!?」

 

 男たちが飛鳥達ににらみを利かせたが、飛鳥の顔を見るなり面白いくらい青ざめた。

 

「あ、兄貴…あいつ…!!」

「ま、間違いない…! 古堂孫と一緒にいた奴だ…!!」

 

 青ざめた男たちを見てDQNは困惑したが、何とか助かりそうだと感じていた。そして案の定、男たちはDQNを置いて逃亡した。

 

飛鳥(まあいいや。黒服さん達が捕まえてくれるから…)

 

 そう言って飛鳥がDQNを見つめた。

 

飛鳥「あの、大丈夫ですか?」

DQN「ああ大丈夫さ。だがもう安心したまえ! 僕は先に行かせた子たちと合流するから。それじゃ!」

 

 そう言ってDQNはお礼を言わずにその場を後にした。それを見て飛鳥はとてつもなく嫌な予感がしながらも、仲間たちと共にゴールを目指した。

 

 そしてゴールまでたどり着いたが、先に到着していた生徒達の間で何やら不穏な空気が流れていた。DQNをはじめ取り巻き達はうなだれていて、それを見ている生徒たちは失望や軽蔑のまなざしを向けていた。

 

飛鳥(やっぱりバレたんだな…)

 

 そう、DQNをはじめとする生徒会が自分たちが有利になるように仕組んでいたことがバレ、その上友希那達を完全に虜にしようとしていたこともバレたのだ。結果的に女を選定していた事が明らかとなり、DQNに熱い視線を送っていた女子たちは『やっぱり男に碌な奴はいない』『白馬の王子様なんていなかった』と、DQN達を軽蔑するようになった。

 

飛鳥(ま、ズルすればそうなるよな)

 

 そう言って飛鳥は静かに目を閉じた。DQNは千聖たちに泣きすがっていたが、千聖、日菜がNGを出したためどうにもならなかったという。

 

 

おしまい

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。