第343話
一丈字飛鳥です。ガールズバンドや学園に迷惑行為を起こしている悪質なファン『ヤラカシ』を陰から排除する為に、広島から東京のバンドリ学園にやってきました。
こういう場合って警察に任せれば良いと思う方もいらっしゃいますが、流石に学内では警察の目も届きにくく、すぐさま対応できるというものでもございません。
また、生徒同士などのもめごととかもあります。そういう意味で高校生であり、超能力が使える私が適任だという事で、バンドリ学園に派遣されました。
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さて、今回のお話はというと…。
「ち、ちくしょー! 覚えてろー!!」
「フン。弱いわね」
…学園に来てみたはいいけど、ものすごく強い女子生徒がいて、その女子生徒がガールズバンドにまとわりつく男子生徒たちを撃退していました。これ、私いらない気が…。
とはいえ、今の様子を見る限りだと結構自分の力を過信しているところがあるから…うーん、こういうタイプが一番厄介なんだよな。運が悪けりゃ人の話を聞こうとすらしないから。
そんなある日の事。彼女が所属している空手部では今日も練習が行われていたが、彼女のうわさを聞き付けた男子生徒たちが見学に来ていた。
飛鳥(…まあいいや。帰ろ)
あまりこういうのは関わらない方が良いと、飛鳥は超能力を使って存在感を消して、帰ろうとした。
「空手なんて面白そうね!」
と、弦巻こころが仲間を連れてやってきたが、飛鳥は普通に無視して帰った。こういう場合、こころに強引に連れていかれるのだが、それだとワンパターンなので、普通に帰った。
飛鳥(まあ、いざという時は黒服の人たちもいるしな…)
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翌日、飛鳥が学園に登校すると何やら男子生徒たちがヒィヒィ言っていた…。
飛鳥(…ああ、あの女子生徒にコテンパンにやられたんだな)
超能力を使わずとも、飛鳥は男子生徒たちが女子生徒とお近づきになろうとしたが、自分より強い男じゃないとダメみたいな事を言ったんだと判断した。
そんな時だった。
「そこのあなた」
女子生徒が声をかけた瞬間に、飛鳥は超能力を使って存在感を消した。すると女子生徒は急に飛鳥が消えたと困惑していた。
飛鳥(あー…これこころが喋ったんだなー。そういうパターンかー)
そう、見学に来ていたこころが女子生徒と話をして、飛鳥も強いみたいな事を話してしまったのだ。そして興味を持った女子生徒は飛鳥を探していたのだが、冗談抜きで面倒くさい事になりそうだと飛鳥は超能力を使い、おまけに女子生徒の記憶から自分の事に関する記憶を消した。
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だが、あまりにも何もないと話が成り立たないので、結局話をすることになった。
飛鳥「ですよねー」
今ならこころにいつも振り回される美咲の気持ちが嫌という程理解できる飛鳥であった。カフェテリアで話をしていて、周りの生徒たちも飛鳥と女子生徒を見ていた。
女子生徒「あなたが一丈字くんね」
飛鳥「あ、はい。如何にも」
とりあえず話だけでも聞いてみようとしたが、女子生徒は妙に自信満々で、飛鳥は更にげんなりした。
飛鳥(うん、とにかく無茶しそうな人だというのは良く分かった)
女子生徒「1組の弦巻さんから話を聞いたんだけど、格闘技をたしなんでるんだって?」
飛鳥「今はもう完全に現役を退いてます」
女子生徒「そう…」
すると女子生徒は飛鳥に攻撃を仕掛けようとしたが、飛鳥はそのまま直で食らってそのままぶっ飛んでそのまま気絶した。
「…え?」
予想外の事態に皆が困惑した。飛鳥はうつぶせで倒れていて動かなかったが、飛鳥は演技をしてそのまま様子をうかがう事にした。
こころ「あら?」
こころも首をかしげていた。
美咲「ちょ、ちょっと一丈字くん! 大丈夫!!?」
美咲が飛鳥に駆け寄ると、飛鳥が女子生徒の方を見た。
飛鳥「いきなり何するんですか!!」
女子生徒「……」
飛鳥が女子生徒にそう怒鳴る(演技)をすると、女子生徒が困惑した。こころが話していた内容と全然違ったからだ。
女子生徒「…ちょっと弦巻さん。話が違うわよ?」
こころ「おかしいわね。飛鳥、あなた格闘技出来るはずよね?」
飛鳥「もう昔の話だよ」
嘘をつくのがものすごく下手なこころを見て、飛鳥は結構ヤバい状況に置かされていた。このまま戦っても良いのだが、この女子生徒はなんか人の話を聞かなさそうなので、結構ややこしい事になりそうだと感じた。
女子生徒「どうやら期待外れだったようね」
そう言って女子生徒が立ち去って行くと、飛鳥が一息ついた。すると男子生徒たちも飛鳥の醜態を見て、上機嫌になりながらその場を去っていった。恐らく友希那達に女子に負けたと話すつもりなのだろう。
だが、飛鳥にとってはそんな事はどうでもよく、寧ろここを去りやすくなったと味を占めた。
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その後、飛鳥は『女子に負けたひ弱な男』というレッテルを張られながら、学園生活を送っていたが、本当に気にしてなかった。
「おっ、あんな所に女子に負けた奴がいるぞー」
と、男子生徒たちが馬鹿にすると、
「あ、どうもこんにちは。女子に負けた一丈字です」
そう言い返して、男子生徒たちを困らせた。負けて恥をかいたというのに、平気な飛鳥に皆違和感を感じていた。
飛鳥(まあ、ヤラカシの被害も減ってきてるし、そろそろ頃合いだな…)
飛鳥としてはあの女子生徒がいる事もあり、ヤラカシが減ってきていて、広島に帰れそうだった為、特に気にしていなかった。
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だが、事件が起きた。いつものように女子生徒が男子生徒たちを懲らしめようとしていたが、罠にはめられて捕らえられてしまった。
飛鳥「場所を特定したので、弦巻家の皆さん。突入よろしくお願いしまーす」
飛鳥は直接出ることはせず、弦巻家の特殊部隊を派遣させて、女子生徒を救出させた。そしてこれがまた拍車をかけて、完全に被害がなくなった。
そして飛鳥は任務終了で、広島に帰る事になった。
モカ「飛鳥くん。本当にこれで良かったの?」
飛鳥「確かに主人公としての活躍は少なかったですけど、自分の事は後回しですよ」
千聖「そ、それはそうかもしれないけど…」
あまりにも飛鳥が仕事をしていない為、モカと千聖は困り顔だった。言っていることは正しいが、主人公としては流石にどうなのかと思っていた。
こころ「そうよ。結局飛鳥は弱いって誤解されたままじゃない」
こころも不満そうにしていたが、
飛鳥「こころ。強さや力は人に見せびらかすものじゃないよ。オレもいつまでもここにいる訳じゃないし、皆が無事だったことを喜ぶべきじゃないかな」
飛鳥の言葉にこころが考えると、
こころ「良く分からないけど…。飛鳥がそう言うなら、そうなのかもしれないわね」
飛鳥「済まないね」
そう言ってこころ達に見送られ、飛鳥は広島に帰っていった。
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そして飛鳥の母校『猪狩学園高等部』
飛鳥「……」
広島に帰ってくるなり、飛鳥は格闘大会に出場することになったが、見事に優勝した。
京「お前…」
飛鳥「何も言うな。自分の身を守る為さ」
椿「そ、それもそうね…」
椿も鬱陶しい奴の相手をするのは嫌だったので、今回ばかりは飛鳥に同感した。
日向「その先輩やこころちゃん達から何か言われなきゃいいけど…」
飛鳥「まあ、任務も終わったし、相手してもいいけどね…」
この後、本当に相手をさせられることになって、色々ややこしくなったのはまた別の話…。
おしまい