全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第417話「もしも飛鳥と千聖が幼馴染だったら ~ヒーロールード2~

 白鷺千聖は天才子役として名をはせていた。勿論、本人が演技に対して熱心に研究していた事もあるが、彼女の演技は見ている者を魅了した。勿論、容姿も端麗である為男女問わず、近づいてくる者も多い。

 

 対して一丈字飛鳥という少年は、それほど有名ではなく、千聖と共演した事や、そのドラマ自体が大ヒットしたから少し注目されたくらいだ。そして、彼自身もそのことを理解して、千聖とは距離を置こうと考えていた。

 

 

 しかし、ある事件をきっかけに二人の運命は大きく変わった。

 

********************

 

 バンドリ学園

 

「……」

 

 飛鳥は遂に千聖と話をすることとなった。先日、他校生が学園に侵入して千聖のバンド仲間である「Pastel*Palettes」のメンバーに手を出そうとしたところを飛鳥が救出したのだが、飛鳥は千聖たちがお礼を言う前に姿を消したのだ。

 

 暫くの間、超能力を使って存在感を消して見つからないようにしていたが、遂に隠しきれなくなったので、姿を現すことにした。

 

千聖「そこまで壁を作らなくても良いのよ?」

飛鳥「そういう訳には行きませんよ」

 

 千聖の言葉に飛鳥は苦笑いしたが、千聖はずっと睨み続けており、飛鳥はそんな彼女の真意が手に取るように理解していたため、どのように切り抜けるか考えていた。

 

「それにしても君強いんだねー」

飛鳥「あなたは…」

 

 飛鳥は千聖のバンド仲間である氷川日菜を見つめた。

 

日菜「あたし、氷川日菜! 千聖ちゃんと同じバンドのメンバーなんだ!」

飛鳥「ああ。よろしくお願いします…」

麻弥「ジブン、大和麻弥です。ドラムやってます」

飛鳥「初めまして。一丈字です」

イヴ「若宮イヴです! 先日は助けて頂いてありがとうございました!」

飛鳥「お気になさらないでください」

 

 他のパスパレメンバーとも普通に話をする飛鳥に、千聖は更に不機嫌になっていた。

 

千聖「それで…」

飛鳥「何でしょう」

千聖「いつまでよそよそしくしてるつもりなのかしら?」

飛鳥「それはあなたが良く分かってるでしょう」

 

 飛鳥がそう言うと、周りを見渡した。そこには露骨に嫉妬している男子生徒たちの姿があった。

 

飛鳥「ご自分の影響力を考えてください」

千聖「あら、そんな事言ったらあなただって『元天才子役』じゃないの」

飛鳥「天才かどうかは分かりませんがね」

 

 ずっと敬語で話す飛鳥に日菜が困惑した。

 

日菜「そういえば君と千聖ちゃんって幼馴染なんだよね?」

飛鳥「ええ。一つ年上ですが…」

日菜「どうしてそんなによそよそしいの?」

飛鳥「昔みたいに馴れ馴れしく言えませんよ」

千聖「どうして?」

飛鳥「え? そりゃあもう周りの方々を見れば分かりますよ」

麻弥「あー…」

 

 飛鳥の発言に麻弥は何となく理解した。確かに飛鳥の立場からしてみたらあまり馴れ馴れしくするのは良くないと麻弥も判断するのだった。

 

飛鳥「まあ、そう言う訳なので学校では程よくしましょう」

千聖「……」

 

 飛鳥がそう提案するが、千聖は不満そうにしていた。

 

飛鳥「ご自身の立場を考えてくださいよ」

日菜「もしかして千聖ちゃん…」

 

 日菜が千聖の顔を見た。

 

千聖「何かしら?」

日菜「飛鳥くんの事好きなの?」

 

 日菜の言葉に空気が止まった。

 

千聖「いや、そうじゃないわよ。ただ単に私に気を遣いすぎって言うだけだから」

日菜「じゃあアタシが飛鳥くん貰っていい?」

麻弥「ああああ! 日菜さんもうそれ以上はぁ!」

 

 日菜の発言に男子生徒達…ヤラカシの嫉妬の炎に火がついた。

 

「オラァアアアアアアアア!!」

「てめぇ何パスパレと仲良く世間話なんかしてんだコラァ!」

 

 ヤラカシ達が騒ぎ立てるが、飛鳥は冷静に千聖の方を向いた。

 

飛鳥「千聖ちゃん」

千聖「!」

飛鳥「オレが時間を稼ぐから、氷川先輩達を安全な場所に連れてって」

 

 飛鳥の言葉に千聖は目を大きく開くと、飛鳥は前に出た。

 

飛鳥「さあ、お話なら私がお相手しますよ」

「て、てめぇ! さっき千聖ちゃんの事を『千聖ちゃん』って呼んだな!?」

「幼馴染面しやがって!!」

飛鳥「安心してください。もう最初で最後ですよ」

「!」

 

 飛鳥が笑みを浮かべた。

 

飛鳥「彼女にはこれからアイドルや女優として、突っ走って貰いたいので」

千聖「飛鳥くん…」

飛鳥「さあ、パスパレの皆さんは早く行ってください」

「な、なにヒーロー気取りになってんだよォ!」

「このままパスパレ5人のハートをゲットしようなんて考えてんじゃねーぞ!?」

 

 そう言って飛鳥と男子生徒たちが一触即発になろうとしていたが、

 

「コラー! 何をしとるかぁ!!」

 

 男性教諭たちが数人でやってきて、なんとか収まった。

 

************************

 

 放課後

 

飛鳥「はー…。何とか解放された…」

 

 結局厳重注意だけで済んだ飛鳥は、無事に教室に戻ってきて残りの授業を受け、HRが終わった途端に超能力で存在感を消して自宅に帰ってきた。

 

飛鳥「今日はもう一日中家に籠ってよ…」

 

 飛鳥がそう言って家の中に入っていった同じころ、パスパレは飛鳥を探していた。

 

千聖「本当にあの子ったら…!!」

日菜「でも飛鳥くんっておもしろーい! るんってきた!」

麻弥「まあ…色々大変そうではありますよね」

イヴ「そういえばまだお礼してません!」

千聖「それもあるから、必ず探し出すわよ!」

 

 とまあ、その日は飛鳥は既に家にいた為、見つかる事はなかったが、パスパレが5人で飛鳥を探していたことで、学園がちょっとした騒ぎになったのは言うまでもない。

 

 

 

おしまい

 

 

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