『もしも469話でAfterglowを救ったのがバレたら』
一丈字飛鳥です。私は最大の危機を迎えています。
巴「一丈字!! お前があたし達を救ってくれたのか!?」
飛鳥「どうしてそう思うんですか?」
蘭「そんなのどうでもいいでしょ。その、ありがと…」
蘭が少し照れくさそうにお礼を言うと、飛鳥はどうしたもんかと困惑した。
飛鳥「…まあ、皆さん大丈夫ですか? 男の人が怖くなったとかそういうのは」
つぐみ「あ、それは大丈夫…」
ひまり「あの、一丈字くん。そこまで気を使わなくて大丈夫だよ?」
飛鳥はあからさまに気を使っていて、逆につぐみやひまりに気を使われる事態になっていた。彼女達は先ほどまで学園に侵入してきた他校の不良生徒に絡まれて、要求を断った所、忍び込ませていた仲間を引き連れて再び自分たちの要求に応じるように脅しをかけてきたのだ。
それを感知した飛鳥は直ちに現場近くまで来て、超能力でスピーカーを操って、Afterglowが襲われているというアナウンスをしたのだ。
それによって教師達が駆け付け、一部の教師が警察に通報した事で蘭たちは無事だったという訳なのだが、どうしてバレてしまったのかは飛鳥も理解できないでいた。ちなみに放送室の機器に対してクラッキングを仕掛けた事にした。
巴「何かお礼をしないといけないな…」
飛鳥「あ、それでしたらあなた方のクラスメイトが言いがかりをつけてくる可能性がございますので、何とかうまい事言っといて貰えますか」
ひまり「それはいいけど…」
巴「そんなのはもう当たり前だろ!!」
飛鳥「お気持ちは分かるのですが、まだこれで事件が解決したわけではございませんよ」
「え?」
飛鳥が腕を組んだ。
飛鳥「ああいう奴らは変な所でしつこいですからねぇ。あなた方のバイト先に突然押しかけるなんて事も…」
蘭「あ、ありうる…」
ひまり「えー! そんな事されると凄く困るんだけど!!」
飛鳥「なので、弦巻財団にあなた方のバイト先に警備に来て貰えないか、ちょっと聞いてきますね」
モカ「よろしくー」
巴「いや、よろしくーじゃねぇよ! おい! 一丈字も…って、もういない!!」
巴の言葉に蘭が不思議そうにしていた。
モカ「どうしたの蘭」
蘭「…あのさ。ずっと前から思ってたんだけど、一丈字って本当に何者なの?」
蘭の言葉に皆が反応した。
ひまり「それ私も思った。何ていうか前から謎が多い子だとは思ってたけど…」
つぐみ「普通の高校生にしては何でも出来過ぎてるような気が…」
巴「それもそうだし何よりも…モカ」
モカ「なーにー?」
巴「お前、何か知ってるだろ。一丈字の事」
モカ「知ってるよー」
蘭「何。教えて?」
モカ「飛鳥くんねー」
「……」
モカが笑みを浮かべた。
モカ「昔からこういう事があったんだって」
「…は?」
モカ「こころちゃんの友達って知ってる? 日向ちゃんと椿ちゃん」
蘭「ああ…。そういや名前は聞いたことある…」
と、モカは日向と椿を利用して蘭たちを上手く誤魔化した。結論として飛鳥と幸生が昔から仲が良くて、幸生の妹である日向と椿が一緒の中学になり、特にクラスが一緒だった日向は男子から結構モテモテだったので、その悪い虫がつかないように日向をガードするようにと幸生が飛鳥に無茶ぶりをして、飛鳥は頭脳を活かして何とか対処してきて今に至るという風に伝えた。
モカ「使えるものは何でも利用する。らしいよ」
巴「まあ、一丈字らしいといえば一丈字らしいな…」
ひまり「…昔から苦労してるんだなぁ。一丈字くん」
モカの言葉に巴やひまりは納得し、蘭とつぐみもかつて助けて貰った事があるが、モカの話を聞く限りそのような節が見受けられたので、完全にではないが納得はした。
モカ「まあ、アタシ達が怪我とかしたらあの男子たちが飛鳥くんを責めるしね~」
「……」
****
その夜、飛鳥は千聖、モカ、こころの4人でリモート会議をしていた。
飛鳥「…そうか」
モカ「うん。まあ、飛鳥くんが助けに来てくれたから4人ともある程度は大丈夫だよ」
飛鳥「まあ、とはいえ少し警備を強化した方が良さそうだな」
千聖「その方がいいわ。先生達も気を付けるとは言ったけど、夜遅くまで警備なんてめんどくさいって言ってやらないわよ」
千聖の言葉に飛鳥は辟易していた。
飛鳥「まあ、その気持ちは分からんでもないですけどね。とにかくAfterglowのバイト先には暫く黒服の人たちに警備に入って貰いましょうか」
こころ「任せて頂戴!」
飛鳥「特に危ないのが宇田川さんと上原さんがバイトしてるあのハンバーガーショップだな…」
千聖「ええ。あそこには彩ちゃんと花音もいるのよ。手を出すなんてそんな事絶対許さないんだから。こころちゃん、よろしく頼むわね!」
こころ「分かったわ!」
飛鳥「あ、それからモカ」
モカ「分かってる。蘭たちには上手い事誤魔化しとくよ」
飛鳥「まあ、それもそうだけど美竹さん達がそう簡単に納得するとは思えない。何かあったらすぐ言ってくれ」
モカ「うん」
飛鳥の言葉にモカが口角を上げた。
飛鳥「それでは夜も遅いのでもう寝ましょう」
こうして飛鳥達は作戦の実行に移った。結果としては大成功で、警備している黒服たちもそうだが、実際に手を出そうとした店で男たちが金縛りの現象にあった事から、手を出すことはめっきりなくなったのだ。
飛鳥「ふー…。これでひと段落」
***
そしてどうなったかというと…。Afterglowも元気に登校して飛鳥はそんな彼女たちに対して静かに見守るのだったが…。
「今度は僕がAfterglowを守るぅ!」
「いや、オレだ!!」
「オレオレ!」
「いや、もうここは…皆で守ろう!!」
と、2組の男子たちがAfterglowを守るために徒党を組んだ。正直下心が見え見えだったので、女子達は冷ややかな目で見ていたという。
飛鳥「あーあ…」
千聖「下心どうにかしなさいってのに…」
こころ「?」
遠巻きに飛鳥と千聖とこころが見ていたが、こころだけは状況が良く分かっていなかった。
こころ「それはそうと飛鳥! 今日はお疲れ様会をしましょう!」
飛鳥「急ですね」
こころ「薫たちも呼んで…」
千聖「こころちゃん。それだとバレるでしょう?」
と、3人がこそこそ話をしているのをAfterglowが発見した。
巴「千聖さん! 一体何の話をしてたんですか?」
千聖「え?」
こころ「飛鳥がAfterglowのみんなを助けたでしょ? だからあたしが飛鳥を労う為にお疲れ様会をするの!」
つぐみ「こころちゃん。それやらないといけないの私達…」
飛鳥「皆さんのお手を煩わせるまでもございません!」
飛鳥が待ったをかけると、
「その通りだ一丈字…!」
「お前、このまま女の子達と食事にありつけると思うなよ…?」
「どうしても行くって言うならオレ達も行くからな…?」
と、ヤラカシ軍団がガードしてきた。
飛鳥「まあ、そういう事なんで」
蘭「こころ。こいつら黒服さん達に取り押さえて貰う事って出来る?」
モカ「そーそー。モカちゃん達のストーカーなの」
こころ「それはいけないわ! 黒服のみんなー!!」
そう言って黒服たちがヤラカシ達を全員取り押さえた。それを見て飛鳥は思った。
飛鳥(オレ…いらなくね?)
ちなみにその日の晩。みんなを呼んですき焼きを食べたという…。
おしまい