全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第58話「イヴとの再会(前編)」

 

 前回までのあらすじ

 

 半年前、飛鳥は仕事の帰りにチケットを手配りしていたアイドルバンド「Pastel*Palettes」と出会う。男が投げ散らかしたチケットを回収し、一声をかけてその場を去っていった。

 そして現在、飛鳥はある目的のために、Pastel*Palettesのいるバンドリ学園へと足を運ぶことになった。果たして…。

 

 バンドリ学園。

 

「今日からこの学校に転校してきた一丈字飛鳥くんだ」

飛鳥「宜しくお願いします」

 

 飛鳥は1年3組の教室に配属されて、そこそこ歓迎されていた。黒髪に黒い大縁の眼鏡をかけて、目立たないようにしていた。

 

飛鳥(反応はますますだな…)

 

 と、何とか潜入する事に成功したと感じる飛鳥であった。

 

飛鳥(そういや1組と2組にターゲットがいるんだったな。まあ、無理にかかわる必要もないか…)

 

 飛鳥はそう考えて、休憩時間はずっと教室にいた。クラスメイト達と適当に話をして、時間をやり過ごした。

 

 そしてあっという間に昼休憩がやってきた。飛鳥は声をかけられないように静かにその場を去った。

 

飛鳥(そういやあっちは1組と2組だったな…。ちょっとだけ様子見とくか)

 

 と、飛鳥は1組の教室の前を通った。すると…。

 

「……!?」

 

 Pastel*Palettesのメンバーである若宮イヴが飛鳥に気づいた。

 

こころ「どうしたの? イヴ」

イヴ「ご、ごめんなさい! ちょっと用事が!!」

 と、イヴが廊下を出ていき、飛鳥を追いかけていったが、飛鳥は瞬時に隠れた。

 

飛鳥(…どうしたんだろう)

 

 飛鳥は思わず困惑した。

 

イヴ「おかしいな…確かこの辺にいたはずなのに…」

 イヴがキョロキョロ見渡していた。

 

イヴ「半年前…私達を助けてくれたヒト…」

飛鳥(オレを探してたのか…)

 

 飛鳥は驚いていた。

 

飛鳥(…どうしようかな。顔出そうかな。けど)

 その時だった。

 

「イーヴちゃん」

 と、男子生徒達が現れた。いかにも何か女に手を出してそうなチャラ男である。

 

イヴ「あ、あなた達は…?」

「こんな所で何してんの?」

イヴ「えっと、人を探してたんです!」

「人?」

「もしかしてオレ達?」

イヴ「いや、違いま…」

「まあ、そんな事よりもさ。オレ達と飯食わね?」

イヴ「え、えっと…」

「いーからいーから」

 と、男子生徒の1人がイヴの腕を強引に引っ張った。

 

イヴ「は、離してください!!」

「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん」

「何? パスパレそういう事すんの?」

 

飛鳥(あ、これ訴訟案件だな)

 飛鳥が存在感を消して、スマホで撮影して、超能力で男子生徒達を腹痛にさせた。

 

「ぐ、ぐあああああああああああああああああ!!!」ゴロゴロ

「は、腹が…」ゴロゴロ

「漏れるぅ…」ゴロゴロ

 

 と、突然腹痛になりだした男子生徒達に対して、イヴが不思議がっていた。

 

イヴ「だ、大丈夫ですか?」

「心配してくれるの? ありがとう…」

「ま、また今度ね…」

「おい、早くしないともれる…」

 

 と、男子生徒達が去っていった。イヴは何が起きているのか全く分からなかった。

 

飛鳥「……」

 飛鳥が笑みを浮かべて、その場を後にした。

 

 その後、飛鳥は普通に教室に帰ってきて、そのまま5時間目を受けた。その間イヴは飛鳥の事が気になって仕方なかった。

 

イヴ(あの顔…間違いない。私達を助けてくれたあの人だ…)

 イヴは5時間目の間、ずっと飛鳥の事を考えていて、授業が全く頭に入らなかった。

 

 5時間目終了後、イヴは教室を出て飛鳥を探した。

 

イヴ(もしかしたら近くにいるかも…!!)

 と、イヴが2組、3組の教室を見て回ると、3組の教室に飛鳥がいた。

 

イヴ(いた!!)

 その時だった。

 

イヴ「あ、あの!!」

 イヴが思い切って声をかけると、皆がイヴを見た。飛鳥もイヴの方を見る。そしてイヴは飛鳥に近づいた。

 

イヴ「も、もしかして…半年前に私達に声をかけてくれませんでしたか!?」

 と、イヴがそう言うと飛鳥は目を閉じた。

 

飛鳥「いえ」

イヴ「……!」

 飛鳥がそう言うと、イヴは俯いた。

 

イヴ「そ、そうですか…。ごめんなさい」

飛鳥「いえ」

 そう言ってイヴは落ち込んで帰っていった。

 

飛鳥「……」

 飛鳥は口をへの字にした。

 

「い、一丈字くん…」

「もしかして、若宮さんと知り合いなの?」

飛鳥「いいえ。全く知りませんよ」

 飛鳥がそう言い放つと、クラスメイトの女子が。

 

「…あのさ」

飛鳥「?」

「もしかして半年前、〇〇駅にいた?」

飛鳥「〇〇駅?」

「そこで丸山先輩にチケット渡してなかった?」

飛鳥「チケット?」

「…あの時の映像、拡散されてるの知ってた?」

飛鳥「……」

 飛鳥は何も答えなかった。

 

「答えて。あなたでしょ!!」

飛鳥「ええ。その通りですよ」

「!!?」

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

 

「どうして嘘ついたの!!?」

「イヴちゃん可哀そうだよ!!」

飛鳥「そうですね。彼女には酷な事はしましたが、今は黙っていた方が良いかと思います」

「どうして?」

飛鳥「今、大事な時でしょう。それなのに男の影があったら大変ですよ。それに、あそこで名乗り出たら売名行為だと思われますしね。恩を売る為にあんな事をしたわけではございません」

 飛鳥の言葉にクラスメイト達が黙った。

 

「ね、ねえ…」

飛鳥「?」

「もしかして半年間、パスパレのCDとか買ったりした?」

飛鳥「いいえ全く。色々バタバタしてたもので」

「えっ」

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

 

飛鳥「まあ、彼女たちが元気そうで何よりですよ」

 と、飛鳥は強制的に話を終わらせてしまった。

 

 1組

イヴ「……」

 イヴは落ち込んで帰ってきた。

 

香澄「イヴちゃんどうしたの?」

イヴ「私が探してた人…。人違いでした…」

沙綾「人違い?」

りみ「もしかして、半年前Pastel*Palettesを助けてくれた人?」

イヴ「はい…。顔も声もそっくりだったから、本人かと思ってたんですけど…」

沙綾「ちなみにどんな感じ?」

イヴ「こんな感じです」

 と、イヴが飛鳥の似顔絵を描いたが、飛鳥にそっくりだった。

 

こころ「飛鳥!!?」

 こころが叫ぶと、皆がこころを見た。

 

こころ「…あっ!!」

 こころが青ざめた。

 

イヴ「ココロさん!! 何か知ってるんですか!?」

 イヴがこころに詰め寄ると。

こころ「し、知らないわ!!? 飛鳥の事なんて全然知らないわ!!」

美咲「いや、嘘つくの下手すぎ!!!」

 

 こころが必死にごまかそうとしたが、物凄く焦っていて顔に出ていた為、美咲に突っ込まれた。

 

イヴ「ココロさん!!!」

こころ「……!!」

 

 案の定、バレました。

 

 

おしまい

 

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