第120話「飛鳥とヤンデルお姉さん達」
ある日の事。飛鳥は息を切らして…逃げ回っていなかった。
飛鳥「え? 何があったんですかって? 見ていただければわかりますよ」
そう言って、飛鳥は余裕で道を歩いていた。
「どこ行ったんだ…一丈字の奴」
と、Afterglowのボーカルである美竹蘭がキョロキョロ見渡して、飛鳥を探していた。何故かスタンガンを持っていて、目のハイライトが消えている。
飛鳥「こりゃあ、お父さんに連絡するしかないな」
飛鳥がスタスタと去っていき、蘭の父親に連絡を入れた。実を言うと、此間デパートで遠方にいる両親にギフトを買っていた所遭遇し、ある程度仲良くなったので連絡先を貰っていた。
そして飛鳥が家に帰ろうとすると、マンションの前で日菜と紗夜がガードマンに取り押さえられていた。
飛鳥「何やってんだかあの人達…」
飛鳥は呆れた様子で人目のつかない所で瞬間移動をした。
飛鳥「はー…。防犯対策に林グループが所有するマンションを借りて良かったけど、まさかバンドガール達が犯人になるとはなぁ…」
と、飛鳥が扉を開けると誰もいなかった。
飛鳥(いてたまるか)
すると飛鳥が荷物を置いて、椅子に座るとスマホを確認した。
飛鳥「もうこんなに着信とか来てるよ…。まあ、歩きスマホとかしなくて安心だけどね」
ちなみに音楽を聴くときはウォークマンを使っている。
飛鳥(まあ、ガン無視しても怖いから、出てあげるか)
その時、丁度こころから電話がかかってきた。依頼人であり、何の偶然か分からないと感じていたが、飛鳥はそのまま電話に出る事にした。
飛鳥「もしもし…」
こころ「あ、もしもし飛鳥!? あたしよ! 今おうち!?」
飛鳥「そうだよ」
こころ「遊びに行ってもいいかしら?」
飛鳥「マンションの前にいる?」
こころ「ううん? おうちよ?」
飛鳥「そう…。これでマンションの前にいるとか言ったら、今後の付き合い方を考えないといけなかったんだけどね」
こころ「そんな怒らせるような事しないわよー」
と、こころが苦笑いしながら言ったが。
こころ「だって、飛鳥が笑顔じゃなくなるような事したくないもの」
飛鳥(この子も病んでいる)
こころの声色で飛鳥は静かに目を閉じた。
飛鳥「…そう。まあ、お願いだから犯罪はやめてね」
こころ「分かったわ。で、遊びに行ってもいいかしら?」
飛鳥「ゴメン。今日はもう疲れて、一人になりたいんだ」
こころ「そうなの? あ、何かリラックスできる道具とか今度持っていこうか?」
飛鳥「ありがとう。でも、かえって気を遣って疲れるから」
と、飛鳥は何とか言葉巧みにこころを懐柔している。まるでブウを言い聞かせるミスター・サタンのように…。
飛鳥(いや、ドラゴンボール知らない人からしてみたら、何の話か分からないから)
ちなみに日菜と紗夜は親からこってり絞られたという。
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またある日の事。
飛鳥「……」
飛鳥は千聖と薫に絡まれていた。
千聖「飛鳥くん」
飛鳥「何でしょう」
千聖「あなた、何で電話とメールに出てくれないの?」
飛鳥「いろんな人からかかってきて、対応しきれてないからです」
「馬鹿正直!!!」
飛鳥の言葉に皆が困惑した。
薫「そういうのは感心しないなぁ」
飛鳥「そうですね。それはすみません」
千聖「で、私以外の女とどんな話をしてるのかしら?」
飛鳥「ヤキモチですか?」
飛鳥の挑発的な言葉に千聖は…。
千聖「ええそうよ。あなたが私以外の女と話すなんて腸が煮えくり返るわ」
飛鳥「あなたアイドルですよね?」
ここまで来て、お察しの方はいらっしゃると思いますがはい、バンドガールズが全員ヤンデレになっているというお話です。ですが、飛鳥も日頃から頭のおかしい奴を相手にしている為、全く動じません。
飛鳥(ここでオレが白鷺先輩たちに好き放題されたら面白いんだろうけど、ごめんなさい。こんな形で死にたくないです)
千聖「昨日は誰と話していたの?」
飛鳥「弦巻さんです」
千聖「そういえば…あなた、こころちゃんととても仲が良いわね?」
飛鳥「そうですか?」
薫「こころと仲良くしてくれるのは有り難いが…私とも仲良くしてくれると有難いな」
飛鳥「それじゃあ、今度から『かおちゃん』って呼んでいいですか?」
薫「それはやめて//////」
薫も若干病んではいたものの、昔のあだ名である「かおちゃん」って呼ぶと正気に戻る。
千聖「そうだ。今度薫の恥ずかしい秘密教えてあげるから、時間を取ってくれる?」
薫「ちーちゃん!!//// そんな事しても飛鳥くんに嫌われるだけだよ!!/////」
飛鳥(素なら「くん」付けなんだ…)
飛鳥の関心は完全に薫に言っていた。
千聖「嫌う? 飛鳥が私を?」
飛鳥「まあ、瀬田先輩の事はともかく、迷惑行為をする人は嫌いですね」
千聖「迷惑だったかしら?」ウルウル
千聖が演技で涙目になると、周りにいる男子生徒達がキュンとした。
飛鳥「…何がですか?」
千聖「…それ、女の子に言わせる?」
飛鳥「すみません。私こういう事に関しては疎いので…」
「千聖ちゃん!! こんな奴なんかよりオレと!!」
「いや、オレ!!」
「そういうの分かるよ!!」
と、千聖の親衛隊らしき男子生徒達が割って入り、
「どけよお前!!」
男子生徒達は飛鳥をどかした。すると千聖と薫の目のハイライトが消えた。
飛鳥(死んだな…)
千聖「あなた達…」
「は、はいっ!!」
千聖「飛鳥くんに何をしてくれるのかしら…!?」
薫「儚くないね…」
千聖と薫は怒髪天だった。飛鳥は面倒な事になったなぁ…と、遠くから見ていたが燐子が話しかけてきた。
飛鳥「え? 白金先輩」
燐子「ここにいては危険です。行きましょう」
飛鳥「えっ」
薫「あっ!!」
千聖「こらー!!! 待ちなさーい!!!!」
と、今日も飛鳥の争奪戦になっていたとさ。
飛鳥「とさじゃねぇよ」
おしまい