・ 飛鳥は友希那達と同級生。
第188話「上級生組と野外活動!」
こんにちは。一丈字飛鳥です。超能力が使えること以外はごく普通の高校2年生です。さて、私は学校の行事で林間学校に来ております。
1組:彩、千聖、紗夜、燐子、花音
2組:麻弥、日菜、友希那、リサ、薫
3組:飛鳥
…まあ、私のクラスは結構おとなしい方が集まってるクラスで、通称「陰キャクラス」と呼ばれていますが、居心地は良いです。
集合場所の学校から数時間移動して、目的地の自然の家に到着しました。そこで先生から諸注意を受けて、それぞれ部屋に向かいました。まあ、当たり前ですが男女別々です。
「夜、女子の部屋に遊びにいこーぜ!」
「いいな! オレ千聖ちゃん達の部屋!」
「こっちはリサちゃん達の部屋に行こうぜ!!」
という声が聞こえますが、私の組はそういうのには縁がないです。寧ろ…。
「フンッ! フンッ!!」
「ボリボリボリ…」
「ふっ…」
筋トレをするなり、お菓子を食べるなり、恋愛ごとには全く興味がなさそうなスポーツマンの方々ばかりです。ていうか体格が私より一回りでかい。いいなぁ…。
「あっ、悪いね」
私がじーっと見ていると、プロレス研究会の高馬さんが話しかけてきた。190㎝を超えている大男で、研究会でもエースと呼ばれている。どうやら試合が近いのか練習をしていたらしい。
飛鳥「気にしなくて大丈夫ですよ。もうすぐ試合ですもんね」
高馬「ああ。だが、いつでも言ってくれ」
「それにしてもあんた凄いなぁ。エースと呼ばれてて…」
と、話しかけてきたのは相撲部の高谷さん。
高谷「わしなんか1年に追い越されて…」
「気にする事ないさ。そういうのはスポーツやってればよくある事さ。寧ろ後輩が自分より出来るという事は安心できるだろう」
そうやって大丸さんを慰めるのは柔道部の高山さん。彼も主将を務めている。
高谷「そんな事言ったってぇ…」
高馬「まあ、勝負の世界は厳しいが焦らず行こう」
高山「そうさ。オレ達だって最初から上手く行ったわけじゃない」
と、2人が高谷さんを慰めていた。こういうのいいなぁ…。本当に小学生時代の同級生に爪の垢を煎じて飲ませたい。
まあ、そんな事を考えてるうちに午後はオリエンテーリングで軽く散歩。そして風呂の時間がやってきた。
「男湯はあっち、女湯はあっちね」
「めっちゃ距離ある!!!」
「覗き防止」
「ちぇー」
「いや、ちぇーって」
…まあ、こちらとしても大助かりだよ。冤罪ふっかけてくる奴とかいるもんなー。迷惑な話だ。ちなみに男湯は銭湯みたいな感じだった。まあ、特に派手という訳じゃなかったという事をお伝えしましょう。
そんなこんなで食事の時間。食事をとるメンバーは自由らしい。だから…。
「……」
大人気といわれている湊さん達の周りに男子生徒達が群がっていた。どこの学園天国だろうと言いたい所だが、私は特に気にせず料理を取って、一人で食べた。ちなみにバイキング形式である。
変にボロを出すわけにもいかないので、超能力で存在感を消している。高山さん達は3人で固まって食べていた。流石スポーツやっているだけあって滅茶苦茶食べる。流石だ。ちなみにうどん屋でもやっていけそうな気がする。
そして食事が終わると、肝試しがあるので皆外に出た。ここで私の語りは終わります。
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「えー。前から話していた通り、肝試しを行う!」
教師からの諸注意を飛鳥達は聞いていた。
「ちなみに一緒に回る班だが、こちらの電光掲示板でルーレットで決める!」
飛鳥(結構大がかりだな…)
どこからか取り出された電光掲示板に飛鳥は辟易した。他の生徒達も驚いている。
日菜「すっごーい! 大がかりだ!!」
麻弥「こ、ここまでするんすかね…」
と、日菜と麻弥もリアクションをしていた。
「このルーレットで決まったチームで行くように!」
男子達はお目当ての女子と一緒になれるかどうかドキドキしていた。飛鳥はクラスが違う為、何も言わないでいた。
そしてルーレットで決まると、案の定飛鳥は男子だけのチームで構成されて、友希那達はそれぞれクラスで固まっていた。
「何だよぉ!!」
「女子だけで構成されてるじゃねーか!!」
「もう1回!! もう1回!!」
と、男子達は不満を言っていたが、通らずこのままやる事になった。
ちなみにだが、この時はまだ飛鳥は男子生徒達から敵視もされていないし、友希那達ともそんなに仲が良い訳ではない。通常の世界では飛鳥が弾き語りをした事がきっかけで仲良くなったが、今回はそれが無い為である。
飛鳥は高山達とは違う陰キャ男子達とチームを組むことになった。
飛鳥「宜しくお願いします」
「よ、宜しく…」
そして肝試しをしたが、飛鳥は何ともなかった。
飛鳥(実際こういうのより怖いの見てるからなぁ…)
陰キャ男子達は怖がって飛鳥の後ろに隠れていた。
暫く突き進むと、女性教諭たちが何やら慌てていた。
飛鳥「あれ? どうしたんだろう…」
飛鳥達が女性教諭たちに話しかけた。
飛鳥「どうされたんですか?」
「ああ。君は確か3組の…」
「2組の大和さん達見なかった?」
飛鳥「いえ、見てませんけど…」
「おかしいわね…」
「やっぱりコースを外れたんじゃ…」
と、女性教諭たちが話しているのを聞いて、飛鳥が静かに目を閉じて麻弥達を探した。すると、麻弥、日菜、薫、友希那、リサの5人が道に迷っていて、リサが泣きべそをかいていた。
飛鳥「!!?」
飛鳥が反応をした。
飛鳥「コースを外れたって…」
「…あっ、あなた達はとにかくちゃんと普通の道を通っていくのよ? 分かった」
「はい…」
そう言って飛鳥達はその場から離れると、飛鳥は超能力であるものを作り出した。
飛鳥『大和さん達の所に行って、照らしておくれ』
と、飛鳥は超能力で作った小型発行虫を飛ばした。ちなみに虫なのは小さくてバレないからである。
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そして…
リサ「うぅぅぅぅ…」
友希那「リサ。歩きにくいわ」
リサは泣きべそをかきながら友希那の背中にくっついていた。
日菜「リサちー。何かミノタウロスみたいだよー?」
麻弥「そんな暢気な事言ってる場合ですか!!」
薫「……」
薫も幽霊が苦手なのか、顔色が悪かった。
麻弥「…あの、薫さん。大丈夫ですか?」
薫「大したことはないよ。スリリングがあっていいじゃないか…」
友希那「…暗くてもわかるくらい真っ青よ」
日菜「んー。本当にわからないなぁ。どっちに行けばいいんだろ」
麻弥「あの、大人しくここで待ちませんか?」
リサ「ええっ!!?」
薫「!!?」
友希那「…そうね。夜が明けるのを待ちましょう。迂闊に動くのは危険だわ」
リサ「こ、こんな所でぇ…?」
リサが涙目になる。
薫「だが、一人ではない。さあ、私の胸に飛び込んでくるのだ…」
と、その時突然ライトアップされた。
リサ・薫「きゃああああああああああ!!!」
リサと薫が涙目で抱き合った。
友希那「な、なに!?」
日菜「まぶし~!!!」
集合場所。
「先生!! あそこで何か光ってます!!」
「何だ!!?」
集合場所にいた生徒達や教師たちも発光している場所が気になっていた。
「あそこに麻弥ちゃん達が!!」
「行ってきます!!」
「いや、待てオレが!!」
「オレオレオレ!!」
と、男子生徒達が我先にと発光している場所に向かった。
飛鳥(先生達が気づいてそこに行ってくれるか、湊さん達が自力で脱出できるか、今はそれに懸けよう。もしそれがダメだったらその時は…)
飛鳥は超能力を使いながら歩いていた。非常事態になり幽霊役もいなくなっていた為、負担はかからなかったが、他のメンバーが飛鳥から離れなかった。
麻弥「あっ! 皆さん!! 出口が見えましたよ!!」
「!!」
友希那「結構近くまで来てたのね…」
リサ「助かったぁ~」
と、リサと薫が心の底から安心すると、
「お~い!!!」
「!!」
男子生徒達が迎えに来た。
(うへへへへ…。これで友希那ちゃん達はオレにメロメロだ!!)
(くそっ!! こいつらがついてこなかったら今頃リサちゃん達はオレにメロメロだったのに…)
(考える事は皆同じだけど、こいつら邪魔なんだよ!!)
…だが、下心が見え見えでお互いけん制しあっており、誰かが前に行こうとすると、誰かが止めていた為友希那達は呆れていた。
まあ、なんだかんだ言って心配して助けに来てくれたので、何も言わない事にした。
そして麻弥達が無事にゴール地点までたどりつき、彩達も駆け寄った。リサは安心しきっていたのか号泣していた。そんな様子を飛鳥は一瞬だけ見て背を向けて笑みを浮かべた。
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…ところがどっこい翌日。
リサ「もう!! だから適当にやったらダメって言ったじゃん!!」
友希那「下手糞」
男子生徒達はお礼として野外炊飯を一緒にやる事になったのだが、良い所を見せようと張り切り過ぎたせいで大失敗。食材がダメになった為、リサたちから大顰蹙を買った。
飛鳥(ダメだこりゃ…)
飛鳥も男子生徒達に呆れながら、慣れた手つきで野菜を切るのだった。
おしまい