こんにちは。一丈字飛鳥です。超能力が使えること以外はごく普通の高校2年生です。さて、私は学校の行事で林間学校に来ております。
…まあ、私のクラスは結構おとなしい方が集まってるクラスで、通称「陰キャクラス」と呼ばれていますが、居心地は良いです。
集合場所の学校から数時間移動して、目的地の自然の家に到着しました。そこで先生から諸注意を受けて、それぞれ部屋に向かいました。まあ、当たり前ですが男女別々です。
中には異性の部屋に遊びに行こうという声が聞こえますが、私の組はそういうのには縁がないです。私の部屋に至っては、筋トレをするなり、お菓子を食べるなり、恋愛ごとには全く興味がなさそうなスポーツマンの方々ばかりです。ていうか体格が私より一回りでかい。いいなぁ…。
まあ、そんな事を考えてるうちに午後はオリエンテーリングで軽く散歩。そして風呂の時間がやってきた。男女別々でしかも距離があるので、冤罪をかけられそうになくて大助かりです。ちなみに男湯は銭湯みたいな感じでした。まあ、特に派手という訳じゃなかったという事をお伝えしましょう。
そんなこんなで食事の時間。食事をとるメンバーは自由らしい。その為、大人気といわれている湊さん達の周りに男子生徒達が群がっていた。どこの学園天国だろうと言いたい所だが、私は特に気にせず料理を取って、一人で食べた。ちなみにバイキング形式である。
変にボロを出すわけにもいかないので、超能力で存在感を消している。高山さん達は3人で固まって食べていた。流石スポーツやっているだけあって滅茶苦茶食べる。流石だ。ちなみにうどん屋でもやっていけそうな気がする。
そして食事が終わると、肝試しがあり、トラブルがありましたが何とか超能力で何とかしました。で、結果的に皆仲良くなってめでたしめでたしなんですけど…。
「もう!! だから適当にやったらダメって言ったじゃん!!」
「下手糞ね」
次の日の野外炊飯。1組・2組の男子がとんでもない大失敗をしてしまって、大変な事になってますね…。ここからお話が始まります。
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林間学校2日目。飛鳥達は野外炊飯をしていたが…。
リサ「もうっ!! どうするのよコレ!!」
友希那「ハァ…」
友希那達はクラスの男子達と野外炊飯をしていたが、良い所を見せようと色々カッコつけた男子達が大失敗して、材料を台無しにしてしまったのだ…。
麻弥「ま、まあ材料はまだありますし…」
薫「気にすることはない。失敗は誰にでもあるさ」
麻弥と薫がフォローを入れて、男子達は安堵するが、友希那は不機嫌だった。
リサ「そうは言っても勿体ないじゃん…」
友希那「やっぱり最初からリサがやればよかったのよ…」
リサ「いや、皆でやろうよ。林間学校なんだし…」
人任せにしようとする友希那に対してリサが呆れた。
(ダメだこりゃ…)
友希那達のやりとりを陰で聞いていた飛鳥は呆れたように野菜を切っていたが、あまりの器用ぶりに他の生徒達が見入っていた。
飛鳥(何かすっごい見られてるなぁ…。やっぱり包丁を叩く音がうるさいのかな…)
それもそのはず、飛鳥は野菜を超高速で切り刻んでいる為、ものすごい音がするのだ。ただ、生徒としては慣れた手つきで料理をしている飛鳥本人に対して驚いていたのだ。
飛鳥(だけどこうでもしないと、ちゃんと上手く切れないしな…。ちょっと我慢してもらおう)
と、飛鳥は一応気を遣いながら野菜を切っていると、日菜がじーっと飛鳥を見ていたが、無視した。
日菜「ねーそれ、何作ってるの?」
飛鳥「蒸し鍋です」
日菜「蒸し鍋!?」
飛鳥「ええ。今はそのための下準備です」
ちなみに飛鳥は一人で野外炊飯をしている。というのもグループに分かれてやる必要がなく、各自自由なのだ。ちなみに担当している教師が学生の頃、グループワークに対して苦い思い出があるからだというのは内緒である。
元々飛鳥もグループワークは好きではなかった為、一人で調理していたというのだ。
日菜「一人でやってるの?」
飛鳥「ええ。一人でやっても大丈夫だというので、一人でやってます」
日菜「えー!! それってるんってしないよ! 皆でやった方が楽しいよ!?」
飛鳥「皆でやるのも確かに楽しいですけど…」
飛鳥が苦笑いした。
飛鳥「…そう思わない人もいますよ。だから強制的にグループワークにしてないんだと思います」
日菜「……」
飛鳥が日菜を見た。
飛鳥「戻らなくていいんですか? 自分のクラスに」
日菜「戻らないといけないけど、もっとあなたとお話ししたいな。そうだ! あたしと一緒にやろうよ!」
飛鳥「ありがとうございます。ですがもうそろそろ完成するんですよね…」
日菜「そうなの!?」
飛鳥「ええ…これで最後なんです」
と、飛鳥が土鍋に大量の刻み野菜を敷き詰めていた。
日菜「うわー!! 凄いカラフルだねー!!」
れんこん、ニンジン、さつまいも、パプリカなど沢山の野菜が入っていた。
飛鳥「野菜だけだとアレなので、ささみも要れてます」
日菜「そういえばタレは?」
飛鳥「ごま油で」
日菜「へー」
と、飛鳥が火にかけて蒸した。
飛鳥「これで暫く待ては出来上がりですね」
日菜「すごーい!! ねえ、後でちょっとだけ味見してもいい?」
飛鳥「それは構いませんけど…」
その時だった。
「一丈字」
と、高馬、高山、高谷がやってきた。
飛鳥「あ、皆さん」
日菜「うわー。おっきいねー」
高山「高谷を中心にちゃんこ鍋作ったんだ。良かったら一緒に食べないか?」
高谷「ほっぺが落ちるでごわす」
飛鳥「えっ、いいんですか?」
高馬「その代わりと言っちゃあなんだが…、オレ達にもその蒸し鍋を食べさせてくれないか?」
飛鳥「そりゃあいいですけど…本当に良いんですか?」
高馬「勿論だとも! 同室だしな!」
と、高馬がニカっと笑った。
高谷「それから蒸し鍋を作るなら、言ってくれたら手伝ったど!?」
飛鳥「え、そうだったんですか?」
高山「勿論だとも」
高谷「それにしても、なして蒸し鍋を…」
飛鳥「いやー…。正直な所最近野菜食べてなくて、かといってスープに浸すと暑いし、かといって生って気分じゃなかったし、蒸したらいいんじゃないかって」
日菜「それ、あなたが考えたの?」
飛鳥「いや、料理番組でやってました」
飛鳥が普通に言い放つと、日菜はまた面白がった。
つづく