全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第190話「野外炊飯(後編)」

日菜「へー…。あなた面白くてるんってするね! お名前は?」

飛鳥「え? 私ですか?」

日菜「うん。君」

飛鳥「一丈字飛鳥です」

日菜「一丈字…変わった苗字だね」

飛鳥「よく言われます」

高山「そういや出身地は?」

飛鳥「大阪です」

「大阪!?」

 

 飛鳥が出身地を言うと、皆が驚いた。

 

日菜「え!? やっぱりアレ!? なんでやねんとか言うの!?」

飛鳥「その発言に対してまさに「なんでやねん」なんやけどね」

「関西弁!!」

「ツッコミスキル割と高かった!!」

飛鳥「関西出身って言うと皆面白い事言うだろうなーってイメージがありますけど、大きな間違いですよ。私みたいな暗くて乗りの悪い陰キャもいます」

日菜「いや、見る限りノリ良さそうに見えるんだけど…」

 

 と、日菜はどんどん飛鳥に興味を持ち始めた。

 

 

日菜「いやー。飛鳥くんって本当にるんってするね…」

飛鳥「るん?」

日菜「るんはるんだよ!」

 

 その時だった。

 

「日菜! 何をしてるの!」

 

 と、日菜にそっくりの少女・氷川紗夜が現れた。

 

日菜「あ、おねーちゃん!」

飛鳥「おねーちゃん?」

日菜「うん! あたしの双子のおねーちゃんなの!」

紗夜「…氷川紗夜です。妹がご迷惑をおかけしました」

飛鳥「あ、いえ。お構いなく…」

 

 紗夜が謝ると飛鳥が困った様子を見せた。

 

紗夜「日菜。相手の方が困ってるじゃないの」

日菜「はーい。それじゃまた後でねー」

 と、日菜は紗夜と共に去ろうとしたが、友希那とリサがやってきた。

 

飛鳥(また増えた…)

 飛鳥が困惑すると、リサが飛鳥の作った鍋を見た。

 

リサ「これ、君が作ったの?」

飛鳥「え、ええ…」

リサ「す、すごい…サツマイモとか牛蒡が入ってて、栄養バランスもいい…」

 

 と、リサがお世辞抜きで驚いていた。

 

飛鳥「…そんなに驚く事ですかね」

リサ「だって男の子でこんなに料理できるなんてすごいよ!」

友希那「私達と組んだあの男子達とは大違いね」

「グハァ!!」

リサ「友希那!!」

 

 友希那の辛らつな発言に男子生徒達は吐血し、リサがそれは言い過ぎといわんばかりにツッコミを入れた。

 

友希那「そうだわ。この人のグループに入れて貰いましょう」

リサ「いや、友希那。流石にそれはダメだよ…」

飛鳥「もうそんなに時間もないですし、簡単な料理でも作った方が良いんじゃないでしょうか」

リサ「それもそうね。ありがとう」

 

 と、リサが日菜たちを連れて戻ると、方針を男子達に伝えた。男子達は悔しそうにしていたが、これ以上リサたちに迷惑をかけるわけにはいかなかった為、大人しく従った。飛鳥はその様子を苦笑いしてみていた。

 

飛鳥「あ、出来上がったみたいだな」

 

*********************

 

高馬「とても美味いじゃないか!! 蒸し鍋! わさびを入れるとこんなに美味いんだな!」

飛鳥「ちゃんこ鍋も美味しいですよ。スープも肉と野菜の旨味が取れてますね」

 

 と、飛鳥達は一足先に料理を食べていたが、あまりのクオリティの高さに他の生徒達も遠くから見ていた。

 

高谷「へへへへ。しめはうどんがあるとよ!」

飛鳥「いいですね」

 

 そうやって4人で食べていると、日菜がやってきた。

 

飛鳥「あ、氷川さん」

日菜「日菜」

飛鳥「え?」

日菜「おねーちゃんと被るから。あたしにもお鍋頂戴!」

飛鳥「そちらの野外炊飯は終わったんですか?」

日菜「うん。リサちーが余った食材で、野菜スティック作った! まやちゃんが好きだから!」

飛鳥「野菜スティック…」

 

友希那「ハァ…」

リサ「文句言わない! ね?」

「うぅぅぅぅ…」

麻弥「アハハハハ…」

薫「これも一つの儚い思い出…」

 

 友希那達は野菜スティック地獄に見舞われていた。

 

飛鳥「そういえば野菜スティックのソースって…」

日菜「マヨネーズだよ?」

飛鳥「そ、そうですか…」

日菜「それよりもお鍋ちょーだい!」

飛鳥「あーはい…」

 

 と、飛鳥が蒸し野菜を器に入れて日菜に渡して食べさせた。

 

日菜「おいしーい!!」

飛鳥「そうですか…」

日菜「とっても美味しい!! るんってするよ!!」

飛鳥「そ、そうですか…」

 

 日菜の「るん」とする発言に苦笑いする飛鳥。

 

日菜「そっちのお鍋も貰っていい?」

高谷「どうぞどうぞ」

 

 と、高谷がよそおうと、

 

日菜「こっちも美味しい! なんていうお鍋?」

高谷「ちゃんこ鍋でごわす」

日菜「ああ! お相撲さんが食べるお鍋だね!」

高谷「へへへ。わしは相撲部でごわすので」

日菜「そうなんだー。やっぱり体も大きいねー」

 

 日菜はすっかりその場になじんでおり、飛鳥は苦笑いしながらその場をやり過ごそうとしたが、

 

日菜「どっちも美味しいよ!」

飛鳥「それは何よりです…」

高谷「しめにはうどんもあるでごわすよ!」

日菜「すごーい!!」

 

 と、完全に友希那達をすっぽかしてこっち側に来ている日菜に対して、飛鳥は気まずそうにしていた。

 

飛鳥「…日菜さん」

日菜「なあに?」

飛鳥「戻らなくていんですか?」

日菜「だいじょーぶだよー。後は野菜スティックを乗せたお皿を洗うだけだし、自由だもん! それに…」

 日菜が飛鳥を見つめた。

 

日菜「君ともっと仲良くなりたいしね?」

 と、日菜が妖艶な笑みで飛鳥に迫ったが、飛鳥はじーっと見つめていた。

 

日菜「…どうしたの?」

 

 飛鳥が苦笑いした。

 

飛鳥「いえ、少々昔の事を想いだしただけですよ。忘れてください」

日菜「えー!! 何なのー!? 気になるー!!」

 

 と、すっかり日菜と仲良くなっていた。

 

彩「ひ、日菜ちゃん…」

紗夜「あの子ったら…」

千聖「気持ちは分かるわ…」

 

 1組のテーブルから彩達が見ていたが、日菜の様子に苦笑いするか呆れていた。

 

友希那「やっぱりあの子の所に入れて貰いましょう」

リサ「ちょ、それはダメだって!」

友希那「リサの分まで蒸し鍋食べてくるわ」

 

 

 この後、ちゃっかりありついたのは言うまでもなく…。

 

飛鳥「……」

リサ「ごめんね。手伝うから…」

飛鳥「いえ…」

 

 追加の鍋を作る羽目になった飛鳥であった。

 

おしまい

 

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