第191話「始まり」
今回の設定
・ 飛鳥、京、日向、椿と香澄達が同じ学校です。
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一丈字飛鳥です。色々あってバンドリ学園に転校してきたのですが…。
椿「何であたしたちまで…」
京「そんな事言うんだったら、お前だけ残れば良かったじゃねーか」
椿「そ、そうは言ってないでしょ!」
日向「二人とも落ち着いて…」
どういう訳か中学時代からの友達である京、日向、椿もこっちについてきたんですよね。一度に4人も転校してきたらバレるって…。
「日向! 椿! あなた達と同じ学校に通えるなんて嬉しいわ!!」
依頼人である弦巻こころさんからとも顔合わせをしたのですが、何と日向と椿は顔なじみだったらしい。
こころ「困ったことがあったら何でも言って頂戴ね!」
飛鳥「ど、どうも…」
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そんなある日の事だった。
「えー。今度この学校の行事で行われる仮装大会だが、立候補者はいるか」
と、HRで担任が飛鳥達に聞いてきた。ちなみに4人とも同じクラスである。だが、誰も手を上げない。
「先生~」
と、陽キャが手を上げた。
「一丈字くんがいいと思いま~す」
飛鳥「えっ?」
飛鳥が普通に驚いた。
京「おい待てよ! どうして飛鳥なんだ!?」
と、京が突っかかると陽キャががんを飛ばしてきた。
陽キャ「あ? 何。文句あんの?」
京「あるに決まってんだろ!! お前がやればいいじゃねーかよ!!」
飛鳥「落ち着け京」
「!」
飛鳥が教師を見た。
飛鳥「私で良ければ立候補させて頂きます」
「そ、そうか…」
京「飛鳥!」
陽キャ「ハハハハ! 頑張れよー」
と、陽キャ軍団はバカにするように笑った。
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椿「ちょっと飛鳥! 大丈夫なの!?」
飛鳥「まあ、最悪漫談で済ませるけど…。何も起こらなかったらいいなぁ。問題はそこだ」
京「お前なぁ…」
京が呆れると日向も困ったようにした。
日向「あ、飛鳥くん。何か手伝う事はないかな?」
飛鳥「じゃあ舞台に出て」
日向「ええっ!!?」
飛鳥「オレに考えがある」
陥れる為に立候補させたのに、飛鳥が全然応えてなくて陽キャたちは表情を歪ませていた。
椿「…あいつらこっち睨んでるけど」
飛鳥「自分たちが予想してたリアクションと全然違うからだよ。それから舞台が始まる前に、ちょっと下準備しないとな」
椿「え?」
飛鳥「それは放課後話す」
と、飛鳥はその夜、当日までに陽キャたちが嫌がらせをしてくる可能性があると日向達に話したうえで、見えない所から見守るようにと話していた。結果としては嫌味を言って来るだけで済み、何とか当日を迎える事が出来た。
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そして当日…。
「1年2組の皆さん、ありがとうございましたー」
と、前のクラスの出し物が終わった。
「くぅ~!! やっぱりAfterglowは最高だったなぁ!!」
「ああ…」
「そういや次何組だっけ。3組?」
「何やるの?」
そう言って観客たちはざわざわしていた。
「一丈字くん、大丈夫かな…」
「うん…」
と、心配していると
「ハハハハ! どんなお遊戯会をしてくれるのか楽しみだなぁ!!」
「精々笑ってやろうぜ」
そう言って陽キャたちは笑い飛ばしていた。
そして舞台が始まると、飛鳥が学ランで出てきた。耳にはイヤホンマイクをつけている。
「学ラン!?」
ちなみにバンドリ学園は男子はブレザー、女子はセーラー服だった。
「おい一丈字何してくれるんだー!?」
と、陽キャたちがヤジを飛ばしてきた。
飛鳥「えー皆さんこんにちは。1年3組の一丈字飛鳥です。今回は仮装大会という事で、何か仮装をしてこないといけないという事なので、中学時代の制服を着てきました」
飛鳥が流ちょうに喋ったので、皆が驚いていた。
飛鳥「さて、今回私どもの方で行うのは『コント』でございます。数分間という短いお時間ですが、どうか次の演目までのブレークタイムと言う事でお楽しみください。あ、お手洗いに行かれるなら今がチャンスですよ?」
と、飛鳥は全く緊張していない為、陽キャ達も驚いていた。
飛鳥「それでは始めさせていただきます。コント『音楽室内で陰キャが繰り広げるRPG』」
すると飛鳥が芝居を始めた。
飛鳥「あーそういや音楽室に早く来ちゃったなー。授業までまだあるし何しよう」
と、飛鳥が迷っていた。
飛鳥「あ、そうだ。折角だからピアノでも演奏しようかな」
そう言って飛鳥がピアノを演奏しだした。
『♪ RPG / SEKAI NO OWARI』
「すげぇ…!!」
「一丈字くん。ピアノ弾けたんだ…」
「……!!」
予想とは違っていたので、皆が驚いていた。
Aメロまで弾くと、日向と椿がやってきた。彼女たちも中学時代の制服を着ていた。
椿「ア、アンタ何してんのよ…」
飛鳥「ピアノ弾いてたの」
日向「す、すごいね…」
と、日向と椿と少しの間やり取りしていた。飛鳥が席から立ち上がろうとすると、
日向「あ、私に気を遣わないで弾いてていいよ」
飛鳥「それはそうと日向もピアノ弾いてみる?」
日向「ええ!?」
飛鳥「そうだなー…。そうだ、オレがドラム叩くから」
椿「何でドラムなのよ…」
飛鳥「そうだ。椿歌ってよ」
椿「は、はぁ!! 嫌よ!! お姉ちゃんとアンタの二人でやってよ!!」
飛鳥に言われるがまま、日向もピアノを弾いたが彼女もまた上手だった。
「す、すごい…」
サビに入る前まで弾くと、京がやってきて演奏を止めた。
京「な、何やってんだお前ら」
飛鳥「京」
日向「京くん」
飛鳥「何って演奏」
京「相変わらずすげぇな…」
飛鳥「あ、折角だから久々にドラムやってみる? オレベースやるから」
椿「ベースってどこにあんのよ」
椿がそう言うと飛鳥が舞台袖からベースを持ってきた。
飛鳥「じゃあ、演奏してみましょうか」
そしてサビを3人で演奏した。演奏はAfterglowほどではないが、ストーリー性があって、生徒達は見入っていた。
こころ「凄いわ!!」
美咲「それもそうだけど、あの黒髪の子、さっきから全部やってない…?」
はぐみ「ピアノもドラムもベースも出来るなんてすごーい!!!」
美咲「という事は…」
と、ハロハピが話していると飛鳥がベースを椿に渡した。
飛鳥「椿もやってみる?」
椿「え、わ、私は…」
飛鳥「後はお前がやってくれたらフィナーレを飾れるんだけどな」
椿「!」
飛鳥「頼んだぜ」
飛鳥がベースを押し付けて、飛鳥が舞台袖からギターを持ってきて、皆が所定の位置についた。
飛鳥「それじゃ最後のBメロから最後までやっていこうか」
日向「分かった!」
椿「分かったわ!」
京「任せろ!」
飛鳥「きらめきのような~♪」
飛鳥が歌いだすと、皆が演奏をしだした。演奏はAfterglowではなかったものの、バンドでメインとされている4楽器とボーカルが揃った事で、バンドの完成を表し、生徒達を驚かせた。
そして大サビの前のサビで飛鳥はスイッチが入って真剣な表情をした。これによって、強大な敵に立ち向かっていく主人公パーティの風格を醸し出していた。大サビは一番盛り上がる所で、飛鳥達は全力で演奏をした。
演奏が終わり、じゃーんって言う音を出すと、
飛鳥「続いては2年生の仮装大会です! お楽しみに!!」
そう飛鳥がアナウンスして終わると、大歓声が上がった。
「……」
陽キャ軍団も心配していた3組のクラスメイト達も唖然としていた。
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そして…
「えー。最優秀クラスは…」
ドラムロールが流れた。
「1年3組です」
飛鳥「え?」
京「いよっしゃー!!!」
椿「あーあ…」
日向「アハハハ…」
と、4人の反応はバラバラだった。
「えー。それでは劇に出ていた一丈字くん、奈良川くん、林日向さん、材椿さん。前へ」
教師からそう呼ばれて飛鳥が困惑していると、
京「ほら、前に出るぞ!」
飛鳥「あ、ああ…」
椿「まさか優勝するなんて…」
4人が舞台に出て、陽キャたちは表情を歪めていた。
「優勝おめでとう」
飛鳥「あ、ありがとうございます…」
校長から表彰状を受け取った飛鳥。とても困った顔をしていた。
「ちなみに2位は1年2組でした…」
ひまり「くやし~!!!!」
蘭「……」
モカ「仕方ないよ~。面白かったし~。でも、あの子面白いね~」
つぐみ「あの子って?」
モカ「一丈字くんって子~」
『さて、副賞ですが…』
飛鳥「え?」
「優勝した1年3組には副賞として、好きなガールズバンドのライブの特等席がゲットできます。どのバンドにしますか?」
「えっ…」
4人が顔を合わせると、陽キャが
「おいお前ら!! パスパレにしろ!!」
「いや、Roseliaだろうが!!」
「ハロハピ!!」
「ちょっと、あんた達どういう事!?」
「アタシ達がいるのに!!」
と、3組の陽キャたちが喧嘩をしだした。
飛鳥「……」
椿「ほっときなさいよ。人にやらせといてご褒美だけ横取りするとかマジないわ」
飛鳥「あ、すいません。辞退します」
「ええええええええええええええ!!!?」
飛鳥の発言に皆が驚いた。
京「おいおい! 確か日向と椿の幼馴染がいるんじゃなかったか!?」
飛鳥「大丈夫だよ。そんな事で弦巻さんは怒ったりしないし、こういうのはフェアじゃないと。それでは失礼します」
そう言って飛鳥達は自分たちの席に戻ってきた。陽キャたちは飛鳥を睨みつけてきたが、飛鳥達は視線で突っぱねた。
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「おい、一丈字!!」
「?」
3組の教室、陽キャたちが飛鳥にいちゃもんをつけに来た。
飛鳥「何か御用ですか?」
すると陽キャの一人が飛鳥の胸ぐらをつかんだ。
「てめぇふざけんなよ!!」
「あれだけの事が出来るなら、何で言わなかったんだ!!」
飛鳥「聞かないんですもん」
飛鳥が悪びれもなく言い放った。
京「おい! やめろよ!!」
椿「そうよ! アンタ達こそ面倒な事を人にやらせてどういうつもりよ!」
「うるせぇ!!」
「お前らも余計な事しやがって!!」
「こいつ一人を笑いものにするつもりだったのに!!」
と、陽キャたちが切れていると教師がやってきた。
「おい、うるさいぞ。席に着け!」
そう言うと、
椿「先生! こいつらが…」
「喧嘩両成敗! お前らも反省しろ!!」
と、聞く耳を持たなかったので椿がブチ切れた。
飛鳥(あーあ…)
京(あの先生、死んだな…)
椿の切れっぷりに飛鳥と京が困惑した。だが、飛鳥も超能力でスマホを起動して音声を録音していたのだ。
その場は収まったが…。
椿「という事があったのよ」
こころ「まあ! なんて酷い先生なのかしら!」
椿「このままだと皆が笑顔じゃなくなるわ」
こころ「代えて貰いましょう!!」
日向「だめぇ~!!!!!!」
椿がこころに密告して、日向が慌てて止めていた。
飛鳥「ハァ…」
京「すぐコレだよ…」
飛鳥と京が呆れていると、はぐみと美咲がやってきた。
はぐみ「ねーねー。君達凄かったね!」
飛鳥「え?」
はぐみ「あ、北沢はぐみ! 1組だよ!」
美咲「奥沢美咲。こころのクラスメイトだよ。宜しく」
飛鳥「一丈字飛鳥です」
京「オレ、奈良川京! 宜しくな!!」
と、飛鳥達がこころ達と仲良くなるはじまりの物語だった…。
おしまい