ある日の事だった。
飛鳥「今日こそ平和な一日だ…」
飛鳥が中庭を歩いていた。今日こそは平和な一日になる事を心の底から願っていた…。そんな時、友希那が猫に話しかけていた。
飛鳥(あっ…)
友希那と猫の組み合わせに飛鳥は全てを察した。今日はとてつもなく大変な一日になると。というのも、友希那は生粋の猫好きである。それだけならまだいいが、猫への接し方が普段自分たちに対する態度と全然違い、簡単に言えば『キャラ崩壊』といってもいいほど、甘々なのだ。
だが、彼女はそういう所を誰にも見られたくないと感じていて、もし見つけようものならどんな手を使ってでも記憶を消そうとする。
「にゃ~ん」
飛鳥「……」
友希那「にゃんにゃ~ん。あなたはどうしてそんなに可愛いのかにゃ~?」
「にゃー?」
友希那がまるでぬいぐるみを扱うかのように猫の手を動かしていた。
飛鳥(いつも以上にあらぶってる…)
飛鳥が困惑した様子で友希那をじーっと見つめていた。
友希那「うふふふ…」
と、友希那がすりすりしていると、飛鳥に気づいて目を見開いた。そして友希那は顔を真っ赤にした。
飛鳥「猫、いいですよね…」
友希那「いや、ちょ、ちょっと待ちなさい…待ちなさいよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!/////////」
飛鳥は逃亡した。友希那が悲鳴をあげたが、構わず逃亡した。
飛鳥(もう好きなら好きだってカミングアウトしちゃえばいいのに!!!)
飛鳥がある程度距離を取ると、とぼとぼと歩いた。
飛鳥「はぁ…。危ない所だった…」
と、今度はリサを見かけた。
飛鳥「あれ? 今度は今井先輩だ。こんな所でどうしたんだろう…」
その時、リサがくしゃみをしそうだった。
リサ「へ…へ…ぶぇっくしょい!!!」
と、親父みたいな低い声でくしゃみをしていた。
飛鳥(あ、なんか死亡フラグが立った。逃げよ)
飛鳥が逃げようとしたその時、リサが飛鳥に気づいた。
リサ「あ、ちょっと待って飛鳥く…」
と、リサが手をどけようとしたその時、鼻水が手にくっついていた。
飛鳥「……」
飛鳥が視線をそらすと、リサが顔を真っ赤にした。
飛鳥「あ、今の内緒にしておきますので、ご安心を! それじゃ!」
リサ「待ってぇえええええええええええええええええ!!!!/////////」
飛鳥はリサの叫びを無視して、そのまま走り去っていった。
飛鳥(どうしろと)
そして飛鳥はまた別の場所で歩いていた。
飛鳥「はー…」
その時、今度は燐子が何かをしていた。
飛鳥「どうしたんだろう」
燐子「我が名はrinrin」
飛鳥(あっ…)
燐子の一言で飛鳥は今自分が何をするべきか察した。
燐子「漆黒のうんたらかんたら~」
と、いつぞやのあこの物まねをしているのかどうかは、分からないが中二病全開のポーズをしていた。
飛鳥(あ、気弱な自分を変えたいとかって感じかな…)
飛鳥が困惑しながら、燐子を見つめていると…。
燐子「はっ!!//////」
燐子が飛鳥に気づいて横を向くと、そのまま顔を真っ赤にしていた。
燐子「あ…ああ…/////」
友希那、リサとは違い、燐子は涙目になっていた。
飛鳥「お邪魔しました」
燐子「違うのぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!///////」
そう言って飛鳥がその場を去っていくと、燐子が悲鳴を上げた。
飛鳥(白金先輩。結構大きい声出せるんだな…)
そしてまたしばらく走ると…。
飛鳥「そろそろ教室に帰ろう…。色々手遅れかもだけど…」
と、飛鳥がとぼとぼと教室に帰ろうとして、曲がり角を曲がると…。
飛鳥「」
紗夜「」
なんという事だろう。紗夜が日菜のものまねをしていたのだった。かわいい。
飛鳥「……」
紗夜「……!!///////」
紗夜はこれでもかという程顔を真っ赤にして、飛鳥は即座に逃げようとしたが、紗夜が飛鳥を瞬時につかもうとしたので、飛鳥が間一髪でかわして、そのまま逃走した。
だが、紗夜がものすごい勢いで追いかけてきた。
飛鳥(足早っ!!!)
紗夜「待ちなさぁああああああああああああああああい!!!!」
そして中庭まで走る飛鳥と紗夜。追いかけっこする2人を全校生徒達が見つめていた。
「お、おい! 一丈字と紗夜先輩が何か走ってるぞ!」
「何したんだ!!?」
「ていうか一丈字足早くね!!?」
「オレも紗夜先輩に追いかけられてぇええええええええええええ!!!」
紗夜「も、もう逃げられませんよ…!!///////」
飛鳥「落ち着きましょう。いったん落ち着きましょう…」
飛鳥が紗夜に追い詰められていた。
飛鳥「傍から見たらただの後輩いじめですよ」
紗夜「そんな事ありません。全部あなたが悪いんです…/////」
飛鳥「あ、はい」
飛鳥が反応したその時、屋上から誰かが飛び降りようとしていた。
飛鳥「あの、紗夜先輩」
紗夜「何ですか!?」
飛鳥「後ろ…」
紗夜「だまされませんよ…」
飛鳥「そうですか。それなら仕方ありませんね」
飛鳥が上を向いて、飛び降りようとしている女子生徒に対して、金縛りを行った。すると、女子生徒は違和感を感じて、足を動かそうとしたが動かせられなかった。そして取り押さえられた。
飛鳥(よし、これで何とか止められた。あとは…紗夜先輩を何とかするしかない)
飛鳥が紗夜を見たが、紗夜がもうギリギリのところまで近づいていた。
飛鳥「あの、本当に誰にも言いませんから…」
紗夜「本当ですね?」
飛鳥「ええ…もちろんです」
紗夜「……」
飛鳥と紗夜がじっと見つめあうと、
紗夜「…それならいいんです」
飛鳥「あ、ありがとうございます…」
紗夜が後ろを見た次の瞬間。全校生徒に見られていた。
紗夜「」
紗夜の息の根が止まって、飛鳥がスーッと逃亡した。
「逃げられると思ったのかしら?」
友希那、リサ、燐子が現れた。
飛鳥「逃がしてくれないと…喋りますよ」
友希那「何とでも言いなさい」
リサ「飛鳥くん…そういうのは良くないよ?」
燐子「……!!」
後ろには紗夜がいて、飛鳥は全てを察して…ものすごいダッシュを見せたが、4人が追いかけまわした。
飛鳥「足早っ!!!」
休憩時間が終わるまで、飛鳥はRoselia4人に追いかけまわされていたという…。
モカ「飛鳥くん。モテモテですな~」
蘭「何やったんだか…」
と、2組の教室からAfterglowとあこが見ていた。
あこ「あ~ん!! またあこだけ仲間外れ~!!!」
巴「…あの様子だと、仲間外れにされてた方が良かったみたいだぞ」
悔しがるあこに対して、巴が呆れた様子で突っ込んだ。
そして2年生の教室。
「うぉおおおおおおおおおおん!!!」
「オレも友希那様達に追いかけられたいよぉおおおおおおおおお!!!」
「おのれ一丈字ぃいいいいいいいいいいいい!!!」
「何でこのオレを誘ってくれないのだぁあああああああああ!!」
と、男子生徒達は号泣していて、女子生徒達はゴミを見る目で男子生徒を見つめていた。
おしまい