テストが近づいてきた頃…。
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「なあ、オレ達も超能力研究会に入れてくれよ」
「……」
3組の教室に入ってきて、飛鳥に話しかけたのはいかにも何かチャラそうな陽キャ3人組だった。そんな陽キャ達を見て飛鳥は困惑していた。どうせ日菜たちに手を出そうと考えているのが見え見えだった。飛鳥は興味なさそうにスマホを弄っていたが、話を聞くためにやめた。
飛鳥「…入部の志望動機は何ですか?」
「あ? そんなの決まってんだろ。可愛い女子がいるからだよ」
「お前の陰キャにハーレムを満喫させると思ったら大間違いだぞ」
「入部させてくれるな。なぁ?」
脅しをかけるように陽キャたちが飛鳥に悪態をついたが、飛鳥は呆れたように一息ついた。
飛鳥「…そんな態度で入部を認めるわけがないでしょう」
「は?」
飛鳥がNOと答えた為、陽キャたちは青筋を立てた。
飛鳥「ですが、あなた方の事は一応お話しさせていただきます。私だけの裁量で決められないので」
「何でだよ。お前部長だろ」
「そんなの部長権限で決めればいいだろうが」
「ていうか舐めてんの? お前」
陽キャたちがメンチを切ったが飛鳥は動じないばかりか、呆れていた。
飛鳥「…それ、かっこいいと思ってやってるんですか?」
「!?」
飛鳥「うちの中学にもそういう奴いましたけどね、ハッキリ言ってダサいですよ。しかも数人がかりでメンチ切るって如何にも弱い奴のやる事じゃないですか」
「何だとぉ!!」
「ふざけやがって!!」
陽キャたちが数人がかりで飛鳥を捕まえて、人気のない所に連れて行こうとしたが、飛鳥の力が強すぎてビクともしなかった。
「ぐっ…重い…!!」
飛鳥「やめましょうよこんな事。そんなに振り向かせたいなら、ちゃんと自分の力で…」
「うるせぇ!!」
不良の一人が飛鳥の頬を殴った。それを見てクラスメイト達が悲鳴を上げた。
飛鳥「いたた…」
「へっ! オレ達に逆らうからこうなるんだよ!」
「こっち来いや!! じゃないとまた痛い目に遭わすぞ!!」
不良たちが飛鳥を連れ出そうとしたが、やはりビクともしなかった。
「動けや!!」
そう叫んだその時、飛鳥は瞬時に自分をつかんでいた男子生徒を振り下ろして逃げると、その拳は男子生徒の鼻に直撃して、鼻血が出た。
飛鳥「大丈夫ですか?」
「て、てめぇ! よけんなよ!!」
「最初から暴力を振るわなければ良かっただけの話でしょう」
「いてぇぇよ~!!! わ~~~~ん!!!!」
あまりの痛さに殴られた男子生徒は泣き出した。
「く、くそう!! てめぇ!! ただで済むと思うなよ!!」
陽キャたちが退散していった。
飛鳥「またオレのせいにされるのかねぇ…全部」
飛鳥がクラスメイトを見つめると、飛鳥に対して言葉を失っていた。
飛鳥「ああ。お騒がせしてすみませんね。どうぞごゆっくり…」
そう言って飛鳥は教室を出ていった。
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放課後、HRが終わり飛鳥が帰ろうとしたが、
「一丈字。職員室に来い」
「!」
中年男性教諭が飛鳥を呼び出した。大体検討がついていた飛鳥は教師についていく事になった。
飛鳥は生徒指導室に連れていかれた。
「お前が2年生に暴力を振るったと話しているんだが、本当か?」
飛鳥「先輩方がそう仰ったんですか?」
飛鳥は真剣な顔で話をしていた。というのも、話している教諭は飛鳥の味方ではなさそうだったからだ。
飛鳥「それならちゃんと証拠もございますよ。こんな事もあろうかと、証拠も作成しました」
飛鳥がスマホのボイスレコーダーを見せようとすると、
「スマートフォンは持ち込み禁止の筈だ!」
飛鳥「ちゃんと申請書は出しましたよ?」
「うるさい! 口答えするな!! とにかくスマホで撮った証拠など認めん!」
と、教諭が机をたたいた。飛鳥はうんざりした顔で教諭を見ていた。確かにスマホを使うために申請書も提出してるというのに、どんだけ人の話に聞く耳を持たないんだと感じていた。
飛鳥「まあ、一応聞いてほしいので再生しますね」
「貴様!! 教師に向かってその態度はなんだ!!?」
教師の言葉に飛鳥は無視してスマホのボイスレコーダーを再生すると、確かに2年生の陽キャたちが飛鳥に対して脅しをかけている発言をしていた。そして飛鳥は再生を切って、なにやら操作した。
飛鳥「これが証拠です。どう考えてもあの先輩方の声ですよね?」
「うるさい!! お前の性根を叩きなおしてやる!! 帰れると思うなよ!!」
飛鳥「失礼します」
飛鳥が席から立ち上がると、
「いいのか。このまま帰ったらお前の内申点を下げて、進学できなくさせてやるぞ」
飛鳥「?」
飛鳥が振り返って教師を見ると、教師はにらみを利かせたが飛鳥の態度は変わらなかった。
「そうすればお前はずっと留年だ。それが分かったらここに座れ」
すると飛鳥はスマホを取り出した。
飛鳥「…だそうですよ。校長先生」
「!?」
飛鳥の言葉に中年教師が青ざめた。すると飛鳥は教師を見つめた。
飛鳥「そういう訳ですので、失礼します」
そう言って飛鳥が言い放つと、そのまま生徒指導室を出たが、教諭が発狂した。
飛鳥(まあ、嘘だけどね)
飛鳥のスマホは最初から電源が入っていなかったのだ。
飛鳥(普通なら萎縮する所も、あんだけ堂々とやっていたら信じざるを得ないからな…)
すると教諭も生徒指導室を出て飛鳥を追いかけてきた。
飛鳥「!!」
「待てぇー!!!! 貴様、絶対に許さんぞ!!!」
そう言って飛鳥と教諭の追いかけっこが始まった。見ていた生徒達は何事かと飛鳥と教諭を見ていた。
「え!? 一丈字くん帰っちゃったの!?」
「何か生徒指導室に呼ばれて…」
「そっか…」
5人の少女とこころが3組の教室に現れたが、飛鳥がいない事で真ん中にいた女子生徒・戸山香澄はガッカリしていた。
こころ「どこに行ったのかしら」
こころがそう考えていると、
「おい! あの超能力研究会の奴が五味山に追いかけられてるぞ!!」
「あいつも五味山の餌食になるのか…」
「あいつ、権力を盾にして好き勝手やるからなぁ…」
生徒達が騒いでると、香澄達が窓から様子を見た。飛鳥と中年教諭・五味山が追いかけられていた。
こころ「飛鳥!!」
つづく